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介護をしてくれた長女に、自宅と多めの財産を残したいのですが……
掲載日:2026/09/02

私は80代の女性で、夫には数年前に先立たれました。
子どもは長男と長女の二人です。長男は遠方に住んでおり、仕事が忙しいこともあって、ここ数年はほとんど会っていません。
一方、近くに住む長女は、週に何度も買い物や通院の付き添いに来てくれています。私が入院した際も、手続きや身の回りの世話をすべて引き受けてくれました。
現在の財産は、私が一人で住んでいる自宅と預貯金です。長女への感謝もあり、将来は自宅を長女に相続させ、預貯金も長女に少し多く残したいと考えています。長男にも一定の財産を残すつもりですが、相続分に差をつけると、かえって姉弟の争いになってしまわないか心配です。
遺言書に「自宅は長女に相続させる」と書けば、その希望は実現できるのでしょうか。また、長男が納得しなかった場合、遺言の内容に異議を申し立てることはできるのでしょうか。介護などで特に世話になった子どもへ多く財産を残す場合、どのような点に注意して遺言書を作ればよいですか。
※ 相談者のプライバシーに配慮し、実際の質問内容を一部改変して掲載している場合がございます。ご容赦ください。
遺言により、相続人ごとに引き継がせる財産を指定することができます。
例えば、相続財産に自宅(土地と建物)と預貯金がある場合、「自宅は長男に、預貯金は長女に相続させる」と遺言書に記載することで、各相続人が取得する財産を指定することができます。ご質問のようなケースでは、遺言書に「自宅は長女に相続させる」と書くことで、その希望を実現させることができます。しかし、引き継がせる財産を指定した結果、相続人間の取得財産に大きく差が出てしまう場合は注意が必要です。
兄弟姉妹以外の相続人には、遺留分というものがあります。遺留分というのは、簡単にいうと最低限保証されている相続分です。相続できる財産がこの遺留分を下回ってしまうと、下回った相続人は多く取得した相続人に対して、遺留分と自身が取得した財産の差額につき、金銭で支払いを請求することができます。ご質問のケースのように自宅を長女に取得させた結果、長男の遺留分を侵害する場合は、それに長男が納得できないようであれば、長男は長女に対して金銭の支払請求ができることになります。そのため、上記のように相続人間の取得財産に大きく差が生じる場合は、遺留分による金銭請求ができる可能性が生じますので、その点をよく検討のうえ遺言書を作成する必要があります。
世話になった子どもに報いるため、どうしても偏った相続分としたい場合は、付言を活用することをおすすめします。付言というのは遺言書に記載することができる相続人へのメッセージのようなものです。付言自体に法的拘束力はありませんが、遺言の内容について理由を記載できるので、偏った相続分にも納得感を持たせることができます。また、付言には、相続人への感謝や想いを記載しても良いでしょう。単に理由だけを書くよりも、過去のエピソードなどを交えた方が故人の意思が尊重されやすいです。付言の書き方にはルールがありません。遺言の内容と矛盾抵触がない限りは自由に記載できますので、ありのままの想いを綴ってみてはいかがでしょうか。