国からの休業要請を受けて、苦しい状況下にある飲食業界。
特に夜の街からの感染を懸念した声が上がったこともあり、居酒屋産業は一層厳しい状況下にある。
そんな中、形を変えて元気に頑張る居酒屋の姿を先日見かけた。
京急蒲田駅の西側に在る、京浜蒲田商店街あすとに店舗を構える「ひもの屋」では、
市場から直送した野菜等を店頭販売している。
内容や価格はその日によって違うが、この日は100円コーナーが設けられており、レタスやブロッコリー等、様々な野菜が手頃な値段で買い求められるようになっていた。
全て税込価格であることもまた消費者としては嬉しい。
「今 大変な状況下にある農家の方達の支援に繋がれば」という想いを胸に4月16日から始まったこの臨時のスーパーは、野菜だけでなく調味料や干物等も販売。
干物は店頭の見本を参考に選ぶと、店内から新鮮なものを提供してくれるシステムで、
本来なら居酒屋メニューとして提供される予定だった、厳選された魚を手頃な値段で買い求めることができる。
「伴助サバは脂がのってとても美味しいんですよ!」
「このトロホッケは普段2000円はするもので本当にお買い得なんです!」
「ひもの屋」なだけあり、はりきって説明する様子から食材への愛が伝わってくる。
飲食店や学校給食など、食の流通が滞ったことで起こっている深刻なフードロス。
現在 畑では行き場を失い誰にも食べてもらうことができなかった野菜たちが山積みになり、農家も頭を抱えている。
「そんな状況を少しでも助けたい」という思いやりとひらめきが、商店街の一角に変化を起こしたのだ。
ひとりひとりに大きな力はなくても、こういった場で買い物をし、それを食べることで
また生産者への支援へと繋がるはずだ。
これからもどんどん食べて応援していきたい。
もちろん「コロナ太り」には気を付けつつ…。
取材:千葉真理