『最も強い者が生き残るのではなく、最も賢い者が生き延びるのでもない。  唯一生き残ることが出来るのは、変化できる者である。』これは、ダーウィンが言ったとされる名言です。

この言葉は大変深くて、ただ時代の流れにまかせて変化するというものではないと考えます。むしろ、変えるものと変えないものを明確化していくことが大切だよと言っているように思うのです。

 

思い返せば、私が葬儀社に入社した時は、自宅葬から会館葬に変わりつつある時代でした。葬儀会館の建設は、広大な土地に駐車スペースを確保して建設しておりました。

何故ならば、お葬式とは、ご遺族・ご親族のみならず、ご近所や会社関係が参列するのが当然という考えのもと建設していたからです。また、特に地方都市に多いのが、駅前の優良物件に葬儀会館が建設されるケースが多々ありました。


しかしながら、最近の傾向からすると家族やご親戚だけでお葬式をする方が増えており、駅前に作った大きな施設は持ち腐れとなりつつあります。地方のコンビニの跡地に、家族葬ホールとしてリニューアルしている物件をよく目にするようになりました。


ただ、あまりにもどこもかしこも「家族葬ホール」というような状態になりつつある地域も少なくありません。そんなつもりはないのでしょうが、葬儀社側も「家族葬ホールにすれば、葬儀の依頼がくるんでしょ?」と言わんばかりの建てられ方で、このマーケティングは正しいのかなって思うこともあるのです。


そして、コロナ禍を迎え、火葬のみが増えて行きました。祭壇を飾らない、親戚も呼ばない、友人は高齢で呼んでも来ないなどという考え方を、どこかでこの考え方を植え付けられているかのように口をそろえて「私の葬儀は火葬するだけで良い」という方が増えて行きました。


葬儀業界も色々変化しているのですが、私はいまだに変わらないと思いたいしそうであって欲しいと思うのは、『お見送りする側の故人への気持ち』だと思うのです。お葬式を終えて「本当にこのお見送りで良かったのだろうか?」と心を痛める方も少なくないとお聞きします。


平均寿命の推移をみてみると1950年の平均寿命は男性58.0歳、女性61.5歳に対して、2014年における日本の平均寿命は、男性が80.50歳、女性が86.83歳となりました。正直、葬儀の現場で亡くなられた方が100歳以上というのは、そんなに珍しいことではなくなってきました。


約60年で男女ともに20歳以上も平均寿命が延びたと言う事は、確実にたくさんの変化が起こっていると思います。もしかしたら、お客様が本当に求めているものって、葬儀屋さんやお坊さんに相談したら「お金がかかる」事として躊躇しているのかもしれません。

介護や相続、葬儀や葬儀後のことなど、超高齢社会で起こることは、未知のことなのに、多くの方は「お金がかかること」として目を背けている感じがします。


しかし、私は、時代とともに変わってきた葬儀の現場で、お客様から準備をしておけばよかったとしみじみ聞かされます。その準備は決して「お金がかかること」ではないのです。


大切な方をきちんとお見送りするための準備であり、もっともっと大切なものを相続するための準備だと思うのです。

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d.kobayashi.sousaidr1@gmail.com  (1級葬祭ディレクター  小林大悟  相談メール)

 

 


著:一級葬祭ディレクター 小林大悟