厚生労働省の助成金は、単なる「もらえるお金」なのでしょうか?
神奈川県横浜市鶴見区在住F様 さん

中小企業にとって、厚生労働省系の各種助成金はどのような位置づけにあるのでしょうか。単なる「もらえるお金」や資金調達の手段を超えて、企業経営に役立つ価値があるのか教えてください。
※ 相談者のプライバシーに配慮し、実際の質問内容を一部改変して掲載している場合がございます。ご容赦ください。
菅原 伸也
ミカタの回答 助成金は、より良い会社づくりを後押しする制度です
厚生労働省系の助成金は、単に「もらえるお金」や手軽な資金調達の手段として捉えるものではありません。雇用環境の改善や人材育成など、会社の基盤を整える取り組みを後押しする制度として活用することが大切です。
1助成金は「人を大切にする経営」を後押しします
厚生労働省系の助成金には、雇用環境の整備、賃金制度の見直し、従業員のキャリア形成、労働時間の短縮などを支援するものがあります。いずれも、従業員が安心して働き、成長できる職場づくりに関わる取り組みです。
そのため、助成金の活用は、資金を受け取ることだけが目的ではありません。制度の趣旨に沿って社内の仕組みを見直すことが、企業の体質を強くするきっかけになります。
2本当の価値は、受給後も会社に残ります
助成金の申請に向けて就業環境や人材育成の仕組みを整えると、その成果は受給後も社内に残ります。働きやすさの向上は、従業員の定着や成長、生産性の向上につながる可能性があります。
3受給ありきではなく、自社の課題から考えましょう
目先の受給額だけで制度を選ぶと、必要のない施策を導入したり、継続が負担になったりすることがあります。まずは自社の雇用や人材育成に関する課題を整理し、その改善策に合う助成金があるかを検討することが重要です。
- 経営課題を明確にする
採用、定着、人材育成、労働時間など、改善したい課題を整理します。
- 制度の要件を確認する
対象となる事業者や取り組み、申請期限などを事前に確認します。
- 受給後も続けられる仕組みにする
助成期間が終わった後も無理なく運用できる制度設計を考えます。
助成金を会社の未来への投資として活用できるよう、制度選びから取り組みの設計まで、専門家に相談しながら進めるのも一つの方法です。
まとめ
- 助成金は、雇用環境の改善や人材育成などの取り組みを支える制度です。
- 受給額だけでなく、社内制度や働きやすい環境が会社に残ることに価値があります。
- 助成金ありきではなく、自社の課題と制度の目的が合っているかを確認しましょう。
※掲載内容は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の事情に対する法律・税務上の助言を行うものではありません。具体的な判断については、専門家へご相談ください。
助成金を会社の成長につなげるには
菅原 伸也
1986年、宮城県生まれ。専修大学法学部卒業。 大学卒業後、23歳で行政書士事務所を開業。28歳で社会保険労務士事務所を設立し、以来、企業経営における「人」と「組織」の課題に向き合い続けてきました。 創業間もない企業から上場企業まで、幅広い経営者と歩みを共にし、人事労務の専門領域を軸に、組織体制の構築、経営基盤の強化、M&AやIPOに伴う組織整備など、多岐にわたる経営課題の解決に取り組んで参りました。 2023年には東京・神楽坂に寿司店を開業。専門家として企業を支援する一方、自らも事業を興し、経営者として組織づくりや事業成長の難しさと向き合っております。 経営において最も重要な資産は「人」と考えます。 この考えを経営支援の根底に据え、単に制度を整えるだけではなく、そこで働く人々が能力を発揮し、企業が持続的に成長できる組織づくりを追求しております。 重視するのは、経営者の理念や想いを理解し、それを実際の組織運営へと結びつけること。理論や制度の正しさだけを求めるのではなく、現場で機能し、成果につながる仕組みを構築することに価値を置いておりまた、自ら経営の意思決定と責任を担う立場にあるからこそ、経営者が抱える葛藤や孤独、挑戦の重みを理解した支援を信条としています。 「人から会社を強くする。」 その信念のもと、専門家としての知見と経営者としての実践経験を融合させ、企業の成長と、その先にある未来を支え続けています。