まちの仕事人インタビュー
地方と都市をつなぐ「挑戦の場」づくり
株式会社みらいワークス 事業責任者 岩本 大輔 (いわもと だいすけ) さん インタビュー


大手SIerを経て、生命保険会社に入社。WEBマスターとして、UX設計やSEO分析を始めとしたデジタルマーケティング全般の業務を通じて当時の最高売上達成に貢献。その後広告代理店にてAIパーソナライゼーションツール「Dynamic Yield」の日本初導入・コンサルティングに従事。2021年3月にみらいワークスに入社。2021年8月より地方副業マッチングプラットフォーム「Skill Shift」の事業責任者として地域の活性化を推進。現在は地方副業という枠を超えて、地域と人材を繋げるイベントやスポーツを通じた活性化などの新しい取り組みに挑戦中。


今の仕事を始めたきっかけを教えてください。

私はこれまでIT、生命保険、広告代理店といった複数の業界を経験してまいりました。その中でマーケティングやUX設計に携わる機会があり、2018年には中国・上海でDXの現場を視察する機会をいただきました。その時に衝撃を受けたのが、UXが単なるサイトの使いやすさにとどまらず、「社会課題を解決するサービスデザイン」として実装されている姿でした。この体験が大きな原点です。自分も社会課題をデザインの力で解決したい――そう考えたときに、老後や働き方の選択肢に関わる課題が目に留まりました。定年を迎えても社会と関わり続けたい、自分の力を活かしたいと願う人は多いはず。その思いを形にできる場を探していたときに出会ったのが「Skill Shift」です。「これだ」と直感し、挑戦を決意しました。

サービスの立ち上げまでの経緯を教えてください。

Skill Shiftはもともと他社で立ち上げられたサービスでしたが、数年前にみらいワークスへとM&Aによって移管されました。その際、前任の責任者が退任したことを契機に、私が事業責任者として携わることになりました。2018年に中国で体験した「社会課題をサービスデザインで解決する」というUXの考え方に触れ、いつか実現したいと強く思ったことが根底にあります。働き方の選択肢を広げたい、自分自身も60歳を超えてなお社会と関わり続けたい。その個人的な思いと社会の課題意識が重なり、地方と都市部の人材をつなぐSkill Shiftの発展に取り組むようになりました。

最大の原動力は、誰かの挑戦のきっかけをつくり、その人の人生にプラスの変化を与えられること。


会社の特徴を教えてください。

みらいワークスのビジョンは、「人生100年時代において、プロフェッショナル人材が働き方・場所・目的を自由に選択できる社会をつくる」ことです。正社員、フリーランス、副業など、多様な働き方を認め、都市と地方、ライスワーク(生活のための仕事)とライフワーク(自己実現のための仕事)を柔軟に選べる仕組みを整えています。「Skill Shift」では、地域の中小企業が抱える経営課題に、主に都市部のプロ人材が副業という形で伴走します。単なる作業支援ではなく、企画や戦略といった経営の根幹に関わる領域が多いのも特徴です。こうしたマッチングにより、人材にとっては挑戦の場を得られ、企業にとっては成長の糸口が開ける。そしてその先には地域活性化という大きな目的があります。

お仕事で大切にしていることを教えてください。

一番大切にしているのは「ワクワク感」です。副業や地域との関わりが単なる義務や作業になってしまうと続きません。人材にとっても企業にとっても、「面白そう」「挑戦してみたい」と心から思えるかどうかが成功の鍵だと考えています。

また、地方企業の多くは経営課題が経営者一人に集中しており、新しい施策が打ち出せず停滞してしまうケースがあります。そこに外部の知恵が加わることで、企業の未来が開け、人材自身もスキルアップにつながり、自己肯定感を高めることができます。私はこの「みんながハッピーになる瞬間」を何より大切にしています。

この仕事のどんなところが好きですか?

全国の地域に足を運び、そこでしか出会えない魅力を発見できることです。旅行では決して訪れない町で、伝統や産業、人々の熱意に触れるたびに、この国にはまだまだ知られていない宝があるのだと感じます。その魅力が衰退してしまうのはもったいない――その思いが私を突き動かしています。また、副業を通じて「自分のスキルが役立つとは思わなかった」と目を輝かせる人に出会える瞬間も大きな喜びです。誰かの挑戦のきっかけをつくり、その人の人生にプラスの変化を与えられることが、この仕事を続ける最大の原動力になっています。




今後やりたいこと等、展望を教えてください。

これからは、副業という形に限らず、地域との多様な関わり方を創出していきたいと考えています。例えば現地に人材を招き、地域課題を直接見聞きし、その解決策を提案する「課題解決プログラム」をより拡大していくなど、挑戦の場をさらに広げたいと思っています。

また、現在は人材登録者の伸びに比べ、企業側の認知がまだ追いついていません。プロ人材を活用するという新しい発想をより多くの中小企業に知っていただき、活用を広げることが大きな課題です。副業が特別なものではなく「当たり前の働き方」として定着する社会を目指し、挑戦の機会を増やしてまいります。


インタビュー後記

岩本さんのお話を伺いながら、「地方と都市をつなぐ」という言葉の重みを改めて感じました。ご自身は東京出身で地方との接点が少なかったからこそ、地域と関わるきっかけをつくりたいという思いが強いのだと伝わってきます。その原点が「Skill Shift」というサービスに結実し、全国の中小企業や挑戦を求める人材を支えている姿に、大きな可能性を感じました。お話の中で何度も出てきた「ワクワク」という言葉が印象的でした。副業を通じて人も企業も地域も輝き、そこにまた新たな挑戦が生まれる――まさにポジティブな循環をつくる取り組みです。これからも岩本さんの活動が、多くの人に挑戦の場を届けていくことを心から楽しみにしています。

お問い合わせ

株式会社みらいワークス

地方創生部  Skill Shift事業責任者  

岩本大輔


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コーポレート:https://mirai-works.co.jp/

Skill Shift:https://www.skill-shift.com/


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全般:https://mirai-works.co.jp/contact/

Skill Shift:https://www.skill-shift.com/contact-us/

電話:03-5860-1835

*お問い合わせの際、『区民ニュース』の記事を読みました。とお伝え下さい。