ちょっと真面目な品種改良の話です。(長文です)

座間洋らんセンターでは洋蘭とビカクシダの品種改良を行っています。

簡単に育種・品種改良と言いますが、めちゃくちゃ難しいです。

何がって、『結果』を出す事が。

ウチでは26年前から洋蘭(カトレア)で育種をスタートしました。

品種改良と言っても、種をつける種を蒔く行為自体はとても簡単です。

端折って簡単に言えば、蘭では花粉を蕊柱の奥に付ければ種子が出来るし、ビカクシダは胞子を撒けばスポア苗が出来ます。

では何が難しいのか?

それは営利農家が品種改良を行う、場所(ベンチ)は1円も稼がずに経営を大きく圧迫し、かつ結果が必ず出るモノではないから。

座間洋らんセンター育種26年間の今現在の結果は、農林水産省の品種登録×1、申請中×1、商標登録×1、農林水産水産大臣賞受賞×2。

一定の結果は出てますが、成功とは言い難い結果です。

なぜなら冗談抜きで26年間育種に挑戦しなければ稼げたであろう売上は1億円以上。

夢とロマンに1億円かかったと言う意味ですね。

そんな大変な育種をしている中、洋蘭(カトレア)育種・品種改良のトップランナーである江尻先輩(須和田農園)のお話を共有します。

2024年2月に台湾で行われた世界蘭会議での国際講演。

要約すると
・須和田農園は日本で最も古い蘭園の一つ
・1970代前半からカトレアの育種・品種改良をスタート
・特に王道の大輪ラベンダーはターゲットの一つ
・米国・ロットマクレラン社のカトレアに注目して
・40年以上の歳月をかけて、3世代育種を進めて
・それでも日本の審査はGMをくれない。(会場大爆笑)
・スタートから50年の今、まだ3世代目のカトレア達。
・これからも育種の道はまだまだ続く

Harryが推しの『葬送のフリーレン』という漫画&アニメで、「魔法とはイメージの世界であり、術者がイメージできない魔法は使えない」とされています。

植物の品種改良でも、これは同じなんだど思います。

未来の理想の花や植物をイメージ出来ても、人生の時間が間に合わない。

フリーレンの世界で1000年以上生きるエルフ族と人間族との違い。

江尻先輩は79年続く農園の3代目。

私は創業45年の蘭園だけど、私の代で結果を出したい。

まずは12年後に世界を変えるイメージを描く。

飛べない豚はただの豚、挑戦しないHarryはただのHarry。

誰よりも育種・品種改良は甘くない、本当に大変な事を知っているからこそ、

せっかくの一度きりの人生、やらないで悔やむよりも、挑戦し続ける人生にしたい。

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166 いいね! ('24/06/18 16:34 時点)