まちの仕事人インタビュー
YouTubeの再生回数を伸ばすZAK
株式会社ZAK 代表取締役 金澤 将一 (かなざわ しょういち) さん インタビュー

1997年生まれ。兵庫県出身。東京大学法学部卒。大学のゴルフ部でのご縁をきっかけに、Youtubeに関心を持ち、ビジネスとしての可能性を感じたため、大学在籍中に、YouTubeの企画・制作・コンサルティングを行う『株式会社ZAK』を創業。企業の公式チャンネルのコンサルティングを中心に、プロゴルファーや、野球選手などのスポーツ選手や、スポーツ団体の公式チャンネルの運営にも携わっている。創業以来2年で、関わったクライアントのYouTube総再生回数は1.5億回を突破。趣味はゴルフ。

企業と同じ目線で取り組む

この仕事を始められたきっかけを教えてください。

東京大学の法学部に在籍して3年が経ったころ、周りと一緒に目指していた弁護士という仕事は、成果や結果を出して、世の中に自分が認められるまでに、かなりの時間がかかることが分かりました。元々経営者の家系に生まれていたことも影響しているかもしれませんが、卒業後は漠然と「一度就職してから起業」、もしくは「いきなり起業」の2択から選ぼうと考えるようになりました。そんなある日、東大ゴルフ部の監督で、プロゴルファーの井上透さんから「YouTubeをやりたいから手伝って!」と声をかけていただきました。それまで動画を作った経験は無かったのですが、“自分で何か新しいことを始めたいと考えているヤツ”という印象を持っていただいたようです。当時は、ちょうど新型コロナウィルスが蔓延し始めたころで、あらゆるイベントが中止に追い込まれ、スポーツ選手は活動の場が失われていた時期でした。一方で、今のようにYouTubeで発信しているスポーツ選手は少なく、気軽に引き受けてしまうと、大きな失敗につながる恐れもありました。そのため、すぐに「やります」とは言わずに一度持ち帰り、YouTubeについていろいろと調べることに。そこで、YouTubeの大きな可能性に気づきます。コロナ禍で、自宅にいる時間が増えたことで、利用ユーザーも再生回数も、大きく増えていました。またそれに目を付けた企業が広告を多く出すようになったり、独自に動画をアップするようになったりと、まさにYouTubeが時代の中心に躍り出るタイミングでもあったのです。そこに大きな可能性を感じたことで、“お手伝い”ではなく、“自分の仕事”として引き受けることを決意。YouTubeの企画・制作・コンサルティングを行う『株式会社ZAK』を創業しました。自宅に篭り、良いバズりを生む動画を作るための企画を練り上げ、最初の仕事としてゴルフチャンネルがスタート。その後もYouTubeの研究は続き、アルゴリズムを学び仮説と検証を何百回と繰り返したことで、成果につながるノウハウを身につけることができました。ゴルフチャンネルの成功から、他のスポーツ選手をご紹介いただくことも増えましたが、1年後には法人のお客さまからのお問い合わせが入るようになり、現在では法人のお客さまのコンサルティングが活動の中心に。大学卒業後は、仕事場を自宅から虎ノ門ヒルズに移し、多くの起業家やビジネスパーソンに囲まれながら、刺激的な日々を送っています。

仕事の特徴はどのような点にありますか?

最大の特徴は、“YouTubeと企業やサービスの目的をリンクさせられる”ことです。アルゴリズムやバズる傾向を、仮説を立て検証を繰り返しながら研究し、独自のノウハウを得たことで、ただ再生回数を増やすだけであれば比較的簡単だということが分かっています。しかし、企業やサービスがYouTubeに求めている目的から考えると、ただ再生回数を増やせば効果があるとは言えません。例えば、大人向けの商品の販売を目的とした動画であれば、子どもによる100万回再生よりも、購買意欲のある大人による1,000回再生の方が目的を達成しやすくなります。また、特定の人材の採用を目的とした動画であれば、『だれでもOK』という動画で10万回再生されるよりも、『〇〇が出来て、△△の志を持ち、□□な人を募集』といった採用のペルソナに沿った動画で1,000回再生された方が、希望に合った人材からの応募が期待できるでしょう。YouTubeのアルゴリズムと、再生回数の関係性を調べつくし、実績をだしている弊社ならではの、目的にリンクしたYouTube活用のアドバイスを行っています。もちろんYouTubeも万能ではありません。年齢や属性など、PRしたい相手によっては、「それはYouTubeではなく、別の媒体の方が良いのでは?」とお伝えすることもありますね。目先の利益ではなく、ご相談いただいた企業さまと同じ目線で、目的を達成するために取り組みたいと考えて活動していますので、打ち合わせに行くと「ウチの担当者よりも、金澤さんの方が会社の将来について考えてくれている」と言われることもあります。


世の中を良くして、みんなで幸せになる

どんなお客さまが多いですか?

法人が8割、個人が2割ですね。法人の傾向としては、自社で集客のためにYouTubeを始めてみたものの、思うような効果が得られず、相談にいらっしゃるケースがほとんどです。弊社では150項目による『YouTube診断』を行っており、さまざまな角度から分析を行い、課題と改善ポイントを抽出しています。ただ数字を並べて説明するのではなく、その数字を良くするために必要となる企画の修正ポイントや、撮影の仕方、編集のコツなど、クリエイティブの部分からアドバイスをしています。これは社内に優秀なクリエイティブスタッフがいてくれるおかげですね。

YouTubeをやるべき企業はありますか?

金融、不動産、アパレル、飲食です。金融や不動産など、一般的には理解が難しいと言われている業界では、それらを分かりやすく説明する動画に関心が集まりやすい傾向にあります。また、アパレルや飲食など、現物で商売をしている業界では、商材への理解が深まる動画を用意することで、お店に足を運ぶきっかけになったり、ECサイトでの売り上げに貢献できるなど、それぞれの目的に沿った効果が出やすい傾向にあります。また最近は、弁護士や税理士の方からのお問い合わせも増えています。士業の方は、専門分野ごとに様々なケースに対応していることを動画で発信することで、多くの反響に繋がっています。YouTubeは全国どこでも見ることができるため、全国にお客さまを持つサービスや、ECサイトを活用している法人も多く、個人ではスポーツ選手や芸人さんのチャンネルを数多く担当しています。

仕事をするうえで心がけていることはありますか?

“世の中の人に喜んでもらえるものを広める”ことです。世の中には、良い商品や良いサービスにも関わらず、知られていないものが沢山あります。自分が関わることで、商品やサービスの提供者と消費者の間をつなぎ、双方に喜んでもらえることがやりがいの一つですね。また、YouTubeには、テレビや新聞にはできなかったことに挑戦できるワクワク感もあります。テレビに出る機会が少なくなったタレントや芸人さんも、YouTubeであれば、ファンとの関わりを広く・長く持つことができます。YouTubeは観た人に良い影響も悪い影響も与えます。だからこそ、提供者と消費者の間にいる私たちがしっかりサポートすることで、炎上などの無いように気をつけなければいけません。世の中を良くして、みんなで幸せになる。そんな素敵なことに自分が関われていることが、本当に嬉しいですね。また、現在弊社では10代~20代のスタッフが活躍しています。一緒に働きたいという人がいたら是非ご連絡ください。動画編集などのスキルはあればもちろん嬉しいですが、最も大切にしているのは“情熱”です。

インタビュー後記

独自のチャンネルを持つ企業であっても、目的に沿った作りが出来ていないことで再生回数が伸び悩んだり、再生されていても効果に結びつかなかったりすることも多い。チャンネルが動画の倉庫となり、効果が出ないと感じているのであれば、諦めてYouTubeを辞めるという判断をする前に金澤さんへ相談だ。もちろん、これからYouTubeを始める方も、最短で商品やサービスを広めたいなら、確実に相談だ。

お問い合わせ

法人名:株式会社ZAK

住所:東京都港区虎ノ門1‐17‐1虎ノ門ビジネスタワー15F

WEB:http://www.zakjapan.com

*ご相談の際は、『区民ニュース』の記事を読みました。とお伝えください。