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父が亡くなり相続が発生したのですがアドバイスを頂けると助かります。
(2年前の記事です) 掲載日:2022/10/18
父は少々変わり者で我々兄弟とはあまり仲が良くなく、ここ十数年まったく連絡をとっておりませんでした。そんな状況で今回の件になるのですが、なんとビックリしたことに資産がほとんどないと思っていたところ、いろんな銀行に預金がありその額は数千万ありました。
そのことを弟が知ると普段温厚な弟が人が変わりなんでもいいから早くお金を下して二人で分けようと言うのです。母も幼少期に他界しているので法律上二人で分けることになると思うのですが、弟の言い分に困っております。
私は税理士や司法書士に見てもらい手続きを行おうとしているのですが、弟が先生方に頼むとお金がかかるので自分が手続きを行うと言っているのです。そこで弟を説得するために先生方に頼んだ時のメリットを教えて頂けると助かります。
※ 相談者のプライバシーに配慮し、実際の質問内容を一部改変して掲載している場合がございます。ご容赦ください。

相続手続は必ずしも専門家に依頼する必要はありませんが,煩雑な手続やトラブルも多いため,実際には多くの様々なご相談をいただいています。
まず手続そのものについては,複数の銀行に預貯金があるとのことですが,各金融機関によって扱いが異なり,必要となる書類も若干異なってくるのが実情です。兄弟で半分に分けるだけだとしても,遺産分割協議書を整えることを要求されることもあります。金額が多いと後でトラブルに巻き込まれることがないか金融機関側も警戒しますから,実務家が関与していないとなるとより煩雑な手続を求められる可能性まであります。
ところで,相続財産としては預貯金が見つかったとのことですが,その他の財産,例えば不動産や借金の有無については確認できておりますでしょうか。しばらく連絡がとれていなかったとすると,生前のお父様の生活に関する情報が十分ではなかったりして,思わぬトラブルに巻き込まれることもあります。こうした相続財産の調査も,経験を積んだ専門家であればトータルで行うことができます。
もし弟さんが専門家並に知識経験があり,かつ信頼を寄せることができるなら,任せてしまってもよいかもしれません。一方で,任せることに何らかの不安をお感じになるのであれば,弟さんとの間でトラブルになることまでも想定した上でそうならないように予め備えていくことが大事になります。相続をきっかけに兄弟や親族間でトラブルが生じ,悲しい思いをされるケースは残念ながら少なくありません。弟さんの性格が変わったようにお感じになったのだとしたら,トラブルの兆候かもしれません。
実際にはこじれた後でご相談をいただくことが多く,勿論その場合でも解決へ向けてお手伝いできます。しかし,もう少し早くご相談いただければ不安を顕在化させることなく解決できたかもしれないと思うことも多々あります。まずは弟さんに関係なく,おひとりでもご相談されることをお勧めします。
ご依頼をお考えの税理士や司法書士は紛争に関わることはできませんので,不安があるなら弁護士にご相談ください。実際に日々トラブルを解決している弁護士だからこそ,その知識や経験を活かしてトラブルの兆候を捉え芽を摘むことが可能になります。弁護士に頼めばもちろんお金はかかりますが,時間や人間関係といったお金には代えられないものを守るお手伝いができると思います。