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一粒万倍(いちりゅうまんばい)とは、

一粒の籾が万倍にも実る稲穂になる

という意味。

何事を始めるにも良い日ともされ、

仕事始め、開店、出店、お金を出すことに

吉であるとされる。

一粒のヒントやアイデアが

あなたの運を万倍にする。

ビジネス評論家石塚 毅の

ビジネス系開運コラム。

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シルバーウィークが終わったら、

毎日が秋晴れで気持ちがいいですね。

金木犀の香りが季節を感じさせます。

 

 

1、 日経MJは隠れたヒントが見つかる

 

毎週月・水・金曜発行の日経MJは流通小売

外食業界にフォーカスしていますが、ヒントになる

記事が少なくなく、なかなかおもしろいのです。

日経本紙よりも記者の掘り下げ方、追いかけ方

が深くて、なるほどなぁと感じることが多いのが

日経MJの魅力です。

 

 

2、「すし職人、海外の高給店へ」9/26

 

最近注目した日経MJの記事の1つがこれ。

世界で日本食ブームが起きているが、すし職人

の争奪戦が起きている、という記事です。

 

「新型コロナ禍で日本に行けなくなった富裕層

向けに日本人のすし職人の採用ニーズが拡大

している」

柔軟性とコミュニケーション力を備えたすし職人

は高給で引き抜かれることも少なくない。」

「海外ですし職人需要は膨らんでいる。(中略)

3月時点で月次の求人数が2年前の約17倍。

香港やシンガポール、中東などで求人が増加。」

「新型コロナ禍が収束し、渡航しやすくなれば

求人はもっと増える」

「東京すしアカデミー(東京・新宿)が運営する

寿司職人専門の求人サイト「SUSHI JOB」でも

21年からヨーロッパを中心に求人が回復している。

通常営業が再開し、客足も戻るなか「職人が日本

に帰国してしまったところも多く、空きの補充が必要」

「海外に目を向ける料理人も増えている。魅力の

1つは給与などの待遇面だ。(中略)給与は日本

にいるときの約2倍に上がった。富裕層を中心とした

現地の来店客からは今もひっきりなしに引き抜きの話

が持ち込まれ「今の給料の2倍出す」といった口説き

文句もざらだ。」

「海外で働くためのキャリアプランとしてすし職人を選ぶ

人も増えている。「シャリ炊き3年、合わせ5年、握り

一生」と言われてきたすしの技術を数カ月で教える

東京すしアカデミー(東京・新宿)では生徒の

80~90%が海外志向だ。

 

 

3、円安が10代20代のグローバル化に影響

 

私がいま高校3年生なら、卒業後は東京すし

アカデミーに入学します。半年もしたらすしが握れ

ます。並行して外食で必要な英語を丸暗記して

覚えるでしょう。

そして求人サイトか人材紹介会社経由で

マレーシアかシンガポールに行きます。

20代はしばらくそこで働き、いい話があれば転職

してどんどん年収を上げます。

 

日本だったら貴重な20代を下働きで終わる。

貯金なんてゼロでしょう。

海外ならいまは円安だから、稼いで日本に帰国し

たら、為替差益も効いて、開業準備資金が貯ま

っていますしね。

 

こう考える10代20代はもっと増えるでしょう。

この流れをよく見ていないとすしや和食業態は

さらに人材不足に陥ります。

もう外国人労働者も日本に目を向けてくれません。

「日本は安い国」だからです。

 

為替レートが人材採用に影響を与えている。

それも外食業界で。

記事を2度読み、朝から衝撃でした。

 

(了)



石塚 毅(いしづか たけし)

1970年生まれ。ビジネス評論家。担当実績7,000社、相談実績15,000人に

裏付けされた企業経営・ビジネスモデル・社風・人材の情報通で博覧強記。

話がおもしろい!と評判。

ご質問・ご相談などはこちらまで。

ishizuka@keiei-c.jp