
1987年生 東京都出身
5歳より東競武道館(@東京都大田区)にて剣道を始める。
その後、慶應義塾中等部剣道部、慶應義塾高校剣道部、慶應義塾大学體育會剣道部に所属。
大学卒業後に野村證券(日系証券)に勤務し、個人・法人向けに、リーテール営業およびコンサルティング営業に6年間従事後、2016年に「(株)パークフォーアス」を設立。
・剣道具専門通販セレクトショップ「KENDO PARK」
・外国人向け剣道体験ツアー「SAMURAI TRIP」
等の剣道関連サービスを運営。
並行して、大手事業会社の新規ビジネス立ち上げのPMOを複数経験
2022年にはNTT ドコモ社の「ドコモスポーツくじ(WINNER)」の立ち上げプロジェクトのPMOとして指名を受ける。世界的にも有名なスポ―ツ配信サービス「DAZN社」をはじめ、数々のスポ―ツメディアやプロスポーツのチームなどとの取り組みを牽引。加えて、dカードやd払いなどの金融サービスと開発を伴う取り組み、中期戦略策定に至るドキュメンテーションを担当。
高度なビジネスフレームと金融知識を駆使しつつ、国内のスポ―ツビジネス界に一石を投じる
バウンダリースパンナーとして注目を集めている。
2023年に企業目線でスポ―ツマーケティングを推進する、ブティック型コンサルティングファーム「MANAGEMENT-K」を設立。
主な受賞歴
・第7回スポーツ振興賞「観光庁長官賞」
・スポーツ文化ツーリズムアワード2019「スポーツ文化ツーリズム賞」
・SPORT FOR TOMORROWコンソーシアム2023「スポーツ庁長官表彰」
会社の事業は3つです。
・スポーツのスポンサーシップ提案やアスリートのセカンドキャリア支援
・訪日外国人(インバウンド)向けの剣道体験ツアー
・剣道用具のモール型通販サイト運営
なぜ大田区に会社をたてたんですか?
元々大田区が地元で、小学校から大田区育ちでした。
5歳で始めた剣道も大田区だったんです。
剣道を始めたきっかけは大田区出身の母なんですが、母の学生時代の担任の紹介で道場の師範に会い、そこで剣道を始めました。
僕のルーツは大田区にある事が大きな理由です。
なぜこの仕事を?
前職に不満があったとかではなかったのですが、将来のキャリアやビジョンがうまく描けず、ずっと悩んでいました。
というのも、営業成績が日々表示されるのですが、なかなか上位には行けず、「この仕事では一番になれないな」と感じていたからです。
その一方、周囲の知人・友人で事業を起こしている方が多く、話しているうちにチャレンジをしたい、独立をしたいという思いが出てきました。
まず最初に、「剣道」で事業を起こした理由は、2つあります。
1つ目は、
国内剣道人口は柔道人口の10倍いるので、拡大はしていかないかもしれないが、一定の市場はあるということ。
2つ目は、
「訪日外国人」向けの体験ツアーが、非常に盛り上がっていたことです。
ちょうど「爆買い」から「体験型」に、訪日外国人の需要が移り始めていた時期で、忍者体験などがよくテレビで取り上げられていました。
その一方で、調べてみると「剣道体験」に関しては体系的に実施しているツアーはありませんでした。
せっかく外国人の方が多数日本に来てくれているので、彼らに向けて本来の正しい日本文化を味わってもらいたい、という気持ちで始めました。現在では、全国各地に拠点を構え、多くの外国人旅行者の皆様に剣道を体験いただいております。
大切にしている考え方や価値観について教えてください。
前職時代は想いやビジョン以前に、自己の能力をつけなければいけませんでした。
先輩方に付いて行くだけで、必死だった様な気がします。
新卒で「金融業」というビジネスのど真ん中のような企業に入社したのですが、今は「スポーツ」という文化性を取り入れていくことが、が自分のライフスタイルに合うと感じています。
更に、ビジネスに「スポーツ」という掛け算をするだけで、希少性や競争力が上がるという面に面白さを感じています。
そういう意味でも、「スポーツ」の価値を実感しています。
今後については、「剣道×ビジネス」というカテゴリーでできたことを、「スポーツ×ビジネス」という枠に広げて、スポーツ業界に経済面で貢献していきたいと考えています。
会社について
我々の会社は、「企業目線でコミットするスポーツマーケティング」ということを標榜しており、スポーツに対する「お金の出し手」を大事にしたいと考えております。
スポーツビジネス業界、特に「スポンサーシップビジネス」の部分では、2つの課題があります。
1.企業からすると、スポンサーになった際の投資対効果がわかりづらい
2.スポンサーシップにおいて、企業や広告代理店を含めた透明性(ガバナンス)が重要視されるようになった
これはなにかと言うと、ひとつ目は、企業側によるスポーツへの投資意欲はあるけれど、費用対効果が不明瞭という問題です。
ふたつ目は、東京オリンピックの後にさまざまな問題や不祥事が噴出し、企業や広告代理店を含めて、透明性をより求められるようになりました。
これらによって、スポンサーの権利を提供するチームやアスリート側と、スポンサーとして資金拠出する企業の間で、「あるべき共通言語」がこれまでよりもっと重要になると考えています。
そこで、「お金の出し手」である企業側に立って提案を行い、企業側とスポーツ側のどちらのメリットにも繋がる様な流れを作っていきたいと考えています。
どういったお客さんとお悩みが多いですか?
スポーツの事業において、比較的お取引が多いのは「ToB企業」様です。
お悩みの多くは、この3つです。
1.人材採用
2.国内外での知名度向上
3.地域貢献
1つ目の「人材採用」の面では、企業として一般消費者向けの商材を扱っていないため、例えば企業規模として売上数千億円の大企業だったとしても、必ずしも一般の認知度が高いわけではありません。
さらに、昨今強烈な「売り手市場」であることから、思うように人材を採用できないことが多いようです。
2つ目の「国内外での認知度」という観点では、「ToB企業」様は海外拠点や海外の取引先を有していることが多いのですが、海外での認知を獲得しようと思っても、自社内でのPR活動では効率が悪いため、スポーツを活用した方が効果的であるケースがあります。
3つ目の「地域貢献」という面では、国内の特定の地域に工場や拠点がある場合、地域での認知度に加え、「好感度」も含めて高めておくことで、地域で事業がやりやすくなるという側面があります。
そのために、スポーツチーム等とタイアップして、地域貢献活動を実施するケースがあります。
従来の、シンプルな「スポンサー提案」ではなく、企業側の目線に立った戦略を盛り込み、提案を行っています。
他社との違いはありますか?
圧倒的な違いとしては、企業側の論理を理解しているという点です。
クライアントによっては、企業内の「稟議決裁」向けの資料作りまでサポートするケースもあります。
また、国内のみならず海外からの直輸入を含めて、スポーツチームやリーグ、アスリート等のスポンサー権利を、幅広く取り扱っていることも強みです。
昨今、事業課題の解決に「スポ―ツ」が注目されていますが、投資判断に至るまでのプロセスを突破できる専門家が企業側に少なく、柔軟に対応できる弊社にお声かけ頂くことも多いです。
これからの展望を教えてください。
「スポーツ」というコンテンツを、「ビジネスに活かす」ことが当たり前の世界にしていきたいです。
現在では、様々な企業がスポーツビジネスに参入しています。
以前よりも、企業の中で「スポーツは事業の柱になる」「スポーツはビジネスに活用できる」ということが認知されてきていると感じております。
ただ、実際に事業として成り立っているのは、まだまだ一部であるのが実情です。
一方で、日本全体で考えると、人口が減少しているにも関わらず、スポーツの発達は目覚ましいものがあります。
今や、野球、サッカー、バスケットボール、バレーボール、ゴルフ等、ほとんどのメジャースポーツで、日本人アスリートが第一線で活躍しています。
今後、より一層「スポーツをビジネスに活用する」ことが当たり前になっていくと思いますので、それに対して我々も貢献していけたら大変嬉しいです。
みなさんへのメッセージ
私は大田区で生まれ育ち、今でも大田区のことが大好きです。
羽田空港、京浜工業地帯、平和島競艇、大田市場など、日本の玄関口であり、いろいろな産業もある地域です。
我々大田区民の活力があがれば、東京ひいては日本を元気にできるハブになる可能性を感じています。
みなさん元気にがんばりましょう!
インタビュー後記
古来からある武道をどの様に活かしているのか、そんなお話を楽しみにお会いしました。
実際にお会いしてみると、元証券マンだからこそ掲げる「社会や経済に貢献しよう」とする気持ちを感じるお話でした。好きな剣道、ひいてはスポーツ全体をビジネスに活用してスポンサー企業にバリューを見出す。
知識と工夫があるからこそできる仕事だと感じました。
お問い合わせ
MANAGEMENT-K(株式会社パークフォーアス)
共同代表 永松謙使
*お電話相談の際、『区民ニュース』の記事を読みました。とお伝え下さい。