「政治は結果だ」

これまで多くの政治家が口にしてきた。当の私もそれ自体を疑ってはいない。09年から約3年間続いた民主党政権ではマニフェストブームを作ったにも関わらず、ガソリン税も高速道路料金も国家予算における財源捻出も出来ず、米軍移設問題、小沢一派の政治資金事件、震災対応とどれがとどめか分からぬが国民から信頼を失った。

では、今の政権はどうだろうか?


現在

第2次安倍内閣は、7年以上の長期政権を樹立してきた。コロコロと総理の変わる日本においては歴史的事実であり続くだけの理由もある。

しかし、近年の総理自身を含む疑惑や任命責任などを追及される中で、支持率は下降線をたどり新型コロナウイルス感染症対策に至って過去最低の支持率となっている。


新型コロナウイルス感染症への対応

過去のパンデミックからも第2波、第3波は大変危惧されるところだが、5月末で他国と比較して日本よりも優れた結果を出している国があるだろうか?

各国での正確な全国民PCR検査結果がない以上、死亡率で比較せざるを得ない訳だが、人口100万人あたり500人を超える欧州各国、300人を超える米国(NY州などは突出)、日本は7人でありロックダウンした他のアジアの国々と比べても劣っていない。日本は緩い規制ながらウイルスから国民の命を守った国といえる訳である。

日本人の致死率の低さが、BCGの効力なのか、公衆衛生の賜物なのか、はたまた何らかの抗体をすでに得ているのかは今後の結果を待つのみであるが、日本はコロナに打ち勝っている。これは紛れもない結果である。

もちろん、瀕死の経済を立て直し社会不安を取り除かねば、2次被害的に経済で命を奪う事になってしまうのは言うまでもない。



罪と罰

モリカケに始まり、桜を見る会、ファーストレディーの在り方、検察庁法改正案などマスゴミとパヨクに煽られている感も否めないが、支持率低下には十分な材料である。

安倍総理は脇が甘かったのではない。大きな目的を達成する、その為には力を使い、権謀術数に頼り小事を成す政治手法を良しとしたのではないだろうか?

しかし、国民は大きな目的について行こうと思っても、その道中が汚れた小道であれば共に歩まない。

大統領執務室で不倫行為を行っても、仕事さえすれば許されるというような国民性は日本にはないのである。

安倍総理が掲げる大きな目標、それは戦後70有余年、日本人が自身の権利でありながら行使できなかった憲法改正、ただそれだけである。自民党にとっても立党以来の宿願である。

このわずか数か月の有様で憲法改正は更に厳しい道のりとなった。もし頓挫する事になれば、安倍政権の8年間は全てが無駄になったと言っても過言ではない。

そうなれば、政治の場でこの言葉を使うと軽くなってしまい嫌なのだが、まさに「万死に値する」この言葉しか思いつかない。


著:浅野文直



浅野文直(あさのふみなお)

1971年生まれ。川崎市議会議員6期

政治家秘書を経て、28歳から自民党所属の議員。戦後最年少の川崎市議会議長。

介護やリサイクルなど数社を起業。

「君子和而不同」を地で行く熱血漢。