まちの仕事人インタビュー
誰もが自分らしく生き 自分らしく挑戦できる社会を 法律で支える
こすぎ法律事務所 弁護士 内田 和利 () さん インタビュー

【プロフィール】

内田和利(うちだ かずとし)弁護士。神奈川県横浜市出身。2007年弁護士登録。川崎市内の法律事務所で経験を積み、2013年に新百合ヶ丘法律事務所を開設。2019年6月から、こすぎ法律事務所に参画。LGBTQ・SOGIEに関する法務と、格闘家・格闘技ジム・競技関係者への法的支援に力を入れている。一般社団法人日本キックボクシング選手協会理事。

【趣味】

格闘技・プロ野球観戦、柴犬動画をみること

◆「誰もが自分らしく生き、挑戦できる社会」を法律で支える

武蔵小杉駅近くの「こすぎ法律事務所」で活動する内田和利弁護士。相続・遺言、離婚・親権、労働問題など幅広い相談に対応しながら、特に力を入れているのがLGBTQ・SOGIE(性的指向・性自認等)に関する法務と、プロ格闘家や格闘技ジム・競技関係者に関する法的支援です。

金髪という印象的なスタイルで、自らをオープンリーゲイの弁護士として発信する内田先生。その根底には、「誰もが自分らしく生き、自分らしく挑戦できる社会を実現したい」という一貫した思いがあります。



◆弁護士を目指した原点は何ですか?

弁護士を志したのは中学生の頃です。松本サリン事件における報道被害などを知り、「正しく守られるべき人を、法律の力で支えたい」と考えたことが原点でした。

同じ頃、自分が同性にひかれることも自覚しました。しかし、当時は周囲に相談することができず、自分自身を受け入れるまでに長い時間と葛藤を経験しました。大学生の時に初めて親友へカミングアウトし、その後、少しずつ自分自身をオープンにしていきました。

私自身も当事者として葛藤した経験を持っていますが、その経験をそのまま相談者の方に重ね合わせることはしません。背景や家族関係、カミングアウトについての考え方は、一人ひとり異なるからです。

「理解されないかもしれない」「否定されるかもしれない」という不安にも配慮しながら、その方が望む解決を一緒に考えていきます。


◆LGBTQ・SOGIEに関する法律相談ではどのような悩みに対応していますか?

同性パートナーとの生活上の取り決め、パートナーシップ契約、相続・遺言、財産管理、死後事務、親子関係など、同性カップルが直面するさまざまな法的課題に対応しています。

職場や学校におけるSOGIハラや差別、アウティングやプライバシー侵害、住まいや契約、インターネット上の被害など、ご相談の内容は人によってさまざまです。企業や団体に対しても、職場環境や制度づくりを法的な観点からサポートしています。

相談者の方の呼び方や、パートナー、家族の関係性を、その方自身の言葉のまま受け止めることを大切にしています。「普通なら」という前提を置かず、現在の状況と、望んでいる解決を一緒に整理します。

カミングアウトをすることだけが「自分らしく生きること」ではありません。誰に、どこまで自分のことを伝えるのか。あるいは伝えないのか。それも一人ひとりが自分で選ぶことです。ご本人の意思を尊重します。

相談室は完全個室です。周囲を気にせず、秘密を守りながらお話しいただけます。「何が法的な問題なのか分からない」という段階でも、まずはお話を整理することが解決への第一歩になります。

◆格闘技法務「Legal Second®︎」とは、どのような活動ですか?

もう一つの大きな柱が、格闘技に関する法的支援です。私は一般社団法人日本キックボクシング選手協会の理事も務め、格闘家や格闘技業界を法律面から支える「Legal Second®︎(リーガル・セコンド)」に取り組んでいます。

格闘技の世界では、選手とジム・プロモーターなどとの契約関係、移籍、ファイトマネーなどの報酬、スポンサー契約、肖像権・著作権、競技活動をめぐるトラブルなど、リングの外にもさまざまな法的問題があります。

特に若い選手の場合、契約内容や自分の権利・義務を十分に理解できないまま、話が進んでしまうこともあります。

契約の内容や権利・義務を整理し、トラブルを未然に防ぐこと。問題が起きた時には、選手が大切な競技人生を守りながら解決へ進めるよう支えること。そして、選手だけでなく、ジムや競技関係者が健全な関係を築き、安心して活動できる環境をつくることも大切です。

試合で選手を支える「セコンド」のように、法律の専門家としてリングの外から格闘家や格闘技業界を支える。格闘技を深く愛する一人として、「法のセコンド」でありたいと思っています。


◆武蔵小杉で、どのような弁護士を目指していますか?

専門分野だけを扱っているわけではありません。相続・遺言、離婚・親権、労働問題をはじめ、地域の皆さまが日々の生活の中で直面する、さまざまな法律問題にも対応しています。

LGBT支援法律家ネットワーク、LGBTとアライのための法律家ネットワークに所属し、講演や執筆活動にも取り組んでいます。専門書『LGBTと労務』などの執筆を通じ、企業や学校、社会に向けて、多様な性のあり方やSOGIEに関する理解を広げています。

「こんなことを弁護士に相談してもいいのだろうか」と迷っている方にこそ、まずお話ししてほしいです。法律の専門家である前に、一人の人間としてお話を受け止め、その方にとって何が一番大切なのかを一緒に考えることを大切にしています。

◆これから、どのような社会を目指していますか?

私が目指しているのは、性的指向や性自認、家族のかたち、職業や生き方にかかわらず、一人ひとりが自分自身を大切にしながら、「自分らしく生き、自分らしく挑戦できる社会」です。

特に、これからの社会を生きる子どもたちが、自分自身を否定することなく成長できる社会であってほしいと考えています。

子どもにとって生きやすい社会は、誰にとっても生きやすい社会です。多様な一人ひとりが、かけがえのない存在として大切にされていると実感できる社会や制度を、みんなでつくっていきたいです。

インタビュー後記

ひときわ目を引く金髪の奥にあるのは、相談者の話を決めつけずに聴く、穏やかで誠実な姿勢です。

LGBTQ・SOGIEと格闘技法務。一見異なる二つの分野に共通しているのは、声を上げにくい立場の人が、自分の人生を自分で選び、挑戦できるよう支えることでした。

当事者としての経験を持ちながらも、自分の経験を相談者へ一律に重ねず、一人ひとりの背景と意思を尊重する。その言葉からは、弁護士としてだけでなく、一人の人間として相談者に向き合う内田先生の姿勢が伝わってきます。

法律問題かどうか分からない段階でも、一人で抱え込まずに話してみることが、解決への第一歩になるのではないでしょうか。

お問い合わせ

こすぎ法律事務所

〒211-0004 神奈川県川崎市中原区新丸子東3-946 関口組小杉ビル3階

電話:044-431-1520

受付時間:平日9:00〜17:30

公式サイト:こすぎ法律事務所 | 法律相談は川崎武蔵小杉のこすぎ法律事務所

LGBTQの依頼者限定・法律相談:LGBTQの依頼者限定|安心して話せる法律相談|内田和利弁護士|区民ニュース

※相談内容によっては受任できない場合があります。まずはお問い合わせください。

*ご相談の際、「区民ニュースの記事を読みました」とお伝えください。