=====================================
7000社のビジネスモデルをこの目で見て、
15,000人のビジネスマンの話を直接聴いた。
肩書きも世間の評価も信用しない。
信じるのは自分で見て聴いたことだけ。
もういまならすべて話してもいいだろう。
石塚 毅の「俺に言わせれば」
=====================================
◆第2話◆ ベビーフェイスには気をつけろ!
プロレス好きな人にはピン!と来るだろうが、この『ベビーフェイス』は簡単に言うと、
ベビーフェイス=善玉、正統派、反対語がヒール=悪役という意味。
プロレスではこの区分がハッキリしていて、片方がベビーフェイスならもう一方はヒールを演じることになる。プロレス興行において『正義』対『悪』という観客がわかりやすいアングルを展開していく上で欠かせない設定である。
ビジネスの世界でも『ベビーフェイス』は存在する
石塚のベビーフェイス3要件に当てはまる人がそれ。
1有名大卒→新卒で有名大企業入社
2ルックスがいい
3海外MBA・海外留学・海外駐在のいずれかを経験している
俺に言わせれば、99%は遠目(とおめ)の富士山のような人間だ。晴れた日、遠くから眺める富士山は美しく麗しい。
しかし近くで見れば、がれきの山だ。
ここで典型的なベビーフェイスのAさんに手紙を送りたい。
拝啓 Aさん
桜も見ごろを過ぎ、世間はコロナショックで意気消沈しております。Aさんにおかれましては、元気でご活躍のことと思われます。
あなたは私がこれまで見てきたあまたのベビーフェイスの中でも間違いなくベスト3に入ります。
あなたのプレゼンや講演でのしゃべりは最高に素晴らしい。同性がみても魅了される雰囲気とルックス。ロジカルで情熱的でエモーショナルな立ち居振る舞いはメディアも大好きですよね。テレビ映りも最高です。私なんぞ到底、足元にもおよびません。彼我の差に嫉妬する気も起こりません。
それはハッキリと認めます。
しかし、
あなたは最後まで仕事をやり切ったことはプロ経営者としてはありませんよね。あなたはいつも格好ばかりつけて、実は中身がありませんよね。
すわ敵来襲、という時にあなたは先頭に立って戦うどころか部下を最前線に送り、自分は後方の司令部で他人事でしたよね。
ある時は、
重要な支援先企業が倒産時にあなたは債権者集会に出て説明・釈明する責任を放棄し、雲隠れして知らん顔されてましたよね。
あなたは平時の指揮官だ。しかし非常時にはまったく機能しない。あなたはプロ経営者でもなんでもない。
断言してもいい。あなたが日頃部下に言ってることと、実際のご自身の行動はまるで平仄が合わない。
あなたのことをメディアが持て囃す時にいつも私はこう思うのです。
「メディアはまた間違える」と。
あなたは数年前に華々しくも颯爽と某社社長に就任されました。社長就任後の某セミナーでの講演も拝聴しました。
しかし断言します。
あなたはその任ではないしその器でもない。早く退任し、テレビでコメンテーターでも務めた方がよっぽどいい。あなたのためにまた周囲の人間は犠牲になる。私は苦々しい気持ちで会場を後にしました。
でも最近の業績を見ると、Aさん、苦しそうですね。就任当時とは環境も変わりました。
さて、Aさん。
あなたはこの後どうされるのですか?目論見も外れて、さぞ苦しいと思われます。
私はもう2年前に人材紹介業をやめました。
だからあなたとお会いすることはもうないでしょう。遠くでAさんのご活躍を静かに見守っています。
昨今は新型コロナが流行っています。
くれぐれもご自愛されてください。
敬具
著:石塚 毅
石塚 毅(いしづか たけし)
1970年生まれ。ビジネス評論家。担当実績7,000社、相談実績15,000人に
裏付けされた企業経営・ビジネスモデル・社風・人材の情報通で博覧強記。
話がおもしろい!と評判。
ご質問・ご相談などはこちらまで。