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M&Aにおける弁護士の役割
(2年前の記事です) 掲載日:2023/04/29
M&Aの業界には、銀行、仲介業者、公認会計士・税理士などのプレイヤーがいますが、そのなかで弁護士はどういった役割を担っているのでしょうか?
※ 相談者のプライバシーに配慮し、実際の質問内容を一部改変して掲載している場合がございます。ご容赦ください。

M&Aにおいて弁護士には主に以下の役割があります。
① 秘密保持契約書の作成
② 基本合意契約書の作成
③ ストラクチャー(スキーム)の提案・検証
④ 法務デューディリジェンスの実施
⑤ 最終契約書の作成・交渉
⑥ 契約締結後の支援(クロージング支援)
⑦ その他助言業務
難しい言葉が並んでいますが、ざっくりと契約書法務(①②⑤)、相手企業の調査法務(④)、助言・サポート法務(⑥⑦)に分類できます。
M&Aはある意味投資のようなもので、必要十分な情報をそろえたうえで売買の判断をしなければなりません。
特に買い手側にとっては、法的なリスクを明確に認識した上でM&Aの判断をしなければ、痛い目を見るかもしれません。
弁護士は、調査において発見された法的なリスクを回避するために、契約書を作成したり、場合によってはストラクチャーの変更や売買価格の減額を提案・交渉したりします。
なかにはコスト面を理由に専門家に依頼しない、依頼したとしても財務・税務面だけという事業者もいます。
しかし、ここは声を大にして言いたいです。
「お願いです、せめて契約書だけは弁護士に見せてください。」
そのコストだけは惜しまないでください。
M&Aの契約については、複雑であったり大きな金額がいたりする契約になりますし、売り手さんにとっては自身の分身とも言える大事な事業を手放す契約になります。
人生において何度もない重要な契約です。契約した後では遅いのです。
契約をする前に、ぜひ契約の専門家である弁護士のチェックを受けてほしいです。
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