まちの仕事人インタビュー
静かに読むだけが読書じゃない 対話型オンラインYOMY!絵本レッスン
株式会社 YOMY CEO 安田 莉子 (やすだ りこ) さん インタビュー


@info

大学2年生で参加したビジネスコンテストをきっかけに

大学3年生の春にYOMY!を立ち上げる

現在は株式会社YOMYのCEOを務める

どんなお仕事をしていますか?

オンラインで子供たちに絵本の時間を届けるサービスを作っています。

YOMY!レッスンをする人1人に対して、子供たちが最大5人の小グループで行っています。

ただ絵本の読み聞かせ代行サービスをしているのではなく、幼児教育として


絵本という新しい世界の冒険を通して、自分で考え、伝える力を身に着けて欲しい


というコンセプトです。



きっかけはありますか?

小さいときに触れるおもちゃや絵本、周りの環境が、将来の選択肢に大きな影響を与えている

と感じたことがきっかけです。

「子どもたちの世界をもっと広げられるようなサービスを作りたい」

その一つとして、やはり絵本は子供にとって様々な世界を冒険でき、知ることができるものだと思います。

このような想いからYOMY!は生れました。





会社の理念を教えてください

子供たちを中心に関わる全ての人が自分を表現できる社会をつくる

ことをミッションにしています



子供たちを中心に

私たちが教育の中でも一番大切だと感じていることです。

そのため、子供たちが意見を交流する機会・時間を作っています。




関わる全ての人

子供が幸せになるには、子供たちの周りの環境も幸せな状態であるべきだと考えています。

例えば、親が無理して子育てをしていたら子供にもそれが伝わってしまうと思っています。

だからこそ、お母さん、お父さんが楽しんで子育てできるようなものを作りたいです。


また、新人の絵本作家さんや学生の作家さんとの関わりを増やし、新人作家さんがより活躍できるような場所をオンラインで創っていきたいということも考えています。

読み手の子たちに関しては、将来保育園の先生や幼稚園の先生を目指しているような人たちが多いです。その背景として、読み聞かせを先生になるまでやったことがない、ボランティア等で小さな子供たちと関わることがあっても、なかなか読み聞かせをする機会がないという現状を知ったためです。

だからこそ、YOMY!でそういった機会、場を提供できたらいいなということも考えています。


自分を表現できる社会を作る

YOMY!ではただ静かに絵本を読むのではなく、対話をしながらレッスンをすることによって、子どもたちに自分の意見を発信してもらうことを意識した設計にしています。


私たちのチームの半分以上のメンバーが海外にいたというバックグラウンドを持っています。

そして私自身も短期留学へ行っていました。海外の授業では、授業中に学生全員が積極的に自分の意見を発信し、ディスカッションをして、自分を表現していたことが印象に残っています。

それに対し、日本の授業は静かに授業を受けるスタイルで、海外と比べると「自分を表現する」という機会が少なく、これは私自身の中で変えていきたいと考えていることです。


どんな人でも「ありのままの姿」や、自分がこうやりたいといった「根本的な気持ち」を表現できることで、幸せにつながるのではないかと思っています。

そのため、「自分を表現すること」を私たちは一番大切にし、自分を表現できる社会を作っていきたいと考えています。


 

どのようなお客様が多いですか?

もともと絵本が大好きなお子様、ご家庭が多いです。絵本の楽しみ方を広げたい!と来てくださる方が多く、これは開始してからわかりました。


またYOMY!を始めてもっと絵本が好きになりました!という声やYOMY!はお子様一人で参加できるので、子どもの一人時間の過ごし方が広がりました!という声を頂きます。

読み聞かせの絵本はどんなものがありますか?

若手作家さんの”新しい価値観について考える”絵本が軸にあります

現在、絵本の市場はは7割が旧作を占めています。一方で、新しい価値観の絵本がでてくるスペースがとても限られているのが現状です。

この背景には、保護者が絵本を選ぶ際に、


・何を読んだらいいかわからない

・選ぶ時間がない

・年齢によって、子どもたちの成長に合わせて絵本を選ぶことが難しい


というご意見をいただきます。その結果、知っている絵本を選び、同じ絵本がずっと売れ続けているというサイクルになってしまっているため、新しい絵本が選ばれにくくなっています。


また、ある論文では


・男の子が主人公の絵本は女の子が主人公の絵本の4倍ある

・男の子が主人公の絵本は冒険の話、女の子が主人公のものは受動的な話ものが多い

・生活圏内が舞台となっている


という結果がでていました。

さらにイギリスの小学校の調査では


職業に対する固定概念が子供たちの中で形成されていることが分かった


ということが明らかになっています。

これらは今までに触れる環境や価値観が少ないために起こっている課題だと思っています。


そのためYOMY!では、子供たちの世界を広げ、自分を表現できるようになってほしいという想いから、新しい価値観について考えるもの、そして若手作家さんの絵本を多数起用することを軸にして絵本選びをしています。


農家さんが描いた絵本で、野菜が主人公の絵本やジェンダー、SDGsなどを配慮した絵本も多数扱っています。



お仕事にどのような特徴がありますか?

”静かに読むだけが読書じゃない”ということをコンセプトにしていることです

「ダイアロジック・リーディング」という、アメリカのハーバード大学などで研究されている新しい読み聞かせ方法を取り入れています。子供たちが語り手となるような、レッスンをしています。


子供たちにたくさんの質問をして、「次はどうなると思う?」、「自分が主人公だったらどうする?」といったように対話をしながら読んでいます。そのため、子どもたちは自分で考える時間が生れて、自分を表現する、自分の意見をアウトプットすることができます。



 

Show and Tellを取り入れています

「Show and Tell」はアメリカの保育園や小学校で導入されている時間です。みんなに自分の好きなものをshow(見せる)してtell(伝える)する時間です。大人がプレゼンテーションすることの子供バージョンみたいなイメージです。

人前で自分のことについて話す力、伝える力、プレゼンテーション能力はもちろん、いい聴衆になるためにはといった、聞く力や質問力、その場を一緒に盛り上げる力も同時に身につきます。なにより、自分の好きなものについて考えることで、自己理解が深まり、発表したことに対してみんなと質問等でやりとりすることで、幼少期の一番大切な自己肯定感が身につきます。


絵本を通じて子供と保護者のつながりをつくっています

YOMY!では、絵本を読んで終わりではなく、子供と保護者の繋がりをもっと深められるようにしています。

サービスの1つとして、レポート機能を作っています。今回のYOMY!レッスンで学んだことや、どのような絵本を読んだのかをレポートとして保護者の方へ届けているので、このレポートを見ていただいき、お子様との会話のきっかけにしていただけたらと思っています。


普段絵本の時間を作りたいのに絵本を選ぶ時間が無い、何を選んだらいいのかが分からないという保護者の方がたくさんいらっしゃいます。そのため、YOMY!で新しい絵本に触れる最初の入り口を作り、気に入った絵本をお家で一緒に読んでいただきたいなとも思っています。


絵本作家さんともより親密な関わりを作っています

絵本作家さんは、よく絵本に挟まっているハガキでしか感想を聞く機会がなく、なかなか読者の声を聴くことができませんでした。

そこでYOMY!では、子どもたちがどうやって楽しんでいるのか、今の子供たちがどのように感じているのかということをより近くで感じてもらいながら、一緒に絵本を作っていくといった取り組みをしています。

リアクションを共有することで、よりいい絵本が生れるというサイクルをつくっていきたいです。


お仕事で大切にされていることを教えてください

「自分が楽しむ」ことです。

 

自分自身が楽しくないと面白いものは生み出せないため、みんなでわくわくするものをしようと思っています。

自分もチームもみんながわくわくするようなものでないと、子どもたちにもわくわくしてもらえないなと思っているので楽しむことを大事にしています。




お客様から言われて嬉しかったことはありますか?

子供たちに、「明日もやりたい」と言ってもらえたことです。

子供が楽しんでくれていると実感できた瞬間であり、価値あるものを提供できているなとも感じることができ、チームメンバーみんなにこれからも頑張っていこうと心に火が付いた言葉でもあったため、今でも一番心に残っています。

 

保護者の方からは、「子供との絵本の時間が楽しくなった」であったり、「子供の成長」を伝えてくださる方もいらっしゃったり、「子供との会話も今まで一方的に話しかけていたのが、双方でできるようになりました」といったことを言っていただき、YOMY!で届けたかったことが実際にできていることを実感でき、とても嬉しかったです。


今後の展望を教えてください

今すぐYOMY!をやりたい!と言われたら、すぐにできるような世界観を作っていきたいです

子供が楽しく学べて、保護者はYOMY!に安心して預けられるからこそできることだと思っています。

もし、この世界観ができたら子供にとってもうれしいですし、読み手の子たちにとっても今までより多く子供たちと楽しい時間を過ごせて、経験できる機会が多くなると思っています。

これは日本だけではなく、世界にも広げていきたいと考えています。


記事を読んでいただいた方に一言お願いします

ここまで記事を読んでいただきありがとうございます。


YOMY!は次の世代がより活躍して欲しいという想いで提供しています。

私自身、保護者の方々と同じような目線で、子どもたちの可能性を広げたいと思っています。


一緒にありのままの楽しい時間を子供たちと過ごしてあげられるような、そんな社会を一緒に作っていきたいです。


そんなありのまま、自分らしさを大切にするYOMY!では、”個性”をテーマにしたワークショップを行います!


【絵本×アート】

個性を伸ばすハーバード式ワークショップ〜絵本で出会う自分らしさ 〜


🌟12月16日(土)・17日(日)2DAYS  @zoom

絵本:いろんな4さい いろんなこせい  (対象年齢4-8歳)

作者:みずかみ みなみ


絵本に登場するお友達は、みんな同じ4歳。ですがそれぞれ、見た目も性格も違います。

みんな違って当たり前、そしてみんな違うから面白い!2日間かけて、自分やお友達の個性を発見するオンラインワークショップです。


絵本を読んだ後は、自分だけの「こせいシート」を作ってみんなに紹介しよう!


詳細・お申し込みはこちら:https://yomy1216.peatix.com


インタビュー後記

今回は、安田莉子さんのインタビューをさせていただきました。

子供たちの可能性を広げられるようにという想いがインタビュー中からもとても伝わってきました。

記事だけでは書ききれない、YOMY!の素晴らしさがあるのでぜひセミナーやイベントに参加してみてください!

お問い合わせ

株式会社 YOMY

Mail:info@yomo-issyo.com

HP:https://www.yomo-issyo.com

無料体験会はこちら:https://form.jotform.com/yomikikaseyomo/free-trial

*お電話相談の際、『世田谷区民ニュース』の記事を読みました。とお伝え下さい。