まちの仕事人インタビュー
子育てが楽しくなる『出会いの場』としての親子教室
otokoto親子教室 代表 ゆら () さん インタビュー

出  身:仙川育ち

経  歴:公認心理師(国家資格)/臨床心理士。医療機関、乳幼児健診、保育園幼稚園などで育児・発達相談に約20年関わるとともに、専門職へのコンサルや講師も務めている。そのかたわら、7年前から地域の親子を対象としたotokoto親子教室をスタート。安心して子育ての悩みを話せる場、地域情報や子育てヒントをもらえる場、ご近所のママ友と出会う場として、調布・狛江・世田谷・三鷹周辺で0~3歳を育てる親子に親しまれている。

otokoto親子教室とはどんなところですか?

otokoto親子教室の提供している活動は大きく分けて3つあります。1つは0歳児を育てる産後ママのための「子育ちサークルばおばぶ」です。約2ヶ月毎週同じメンバーで集まって、赤ちゃんのことだけでなく自分のことを話す時間があったり、自分のからだのケアができる日があったりして、子育てに必要な知識を得られるようにプログラムを組んでいます。児童館や単発の親子イベントではなかなか親しいママ友を作りづらいという方も、サークル卒業時はきずなが深まってとても仲良くなっています。もう1つは1歳~入園前の親子を対象とした「おやこ遊びグループぐるんぱ」です。子どもたちの主体性や個性を大切にしながら、様々な遊びをみんなで経験していく中で、人との関わりを経験したり遊びのレパートリーを広げたりできるよう工夫しています。また、子育ての悩みもいろいろある時期なので、無料の個別心理相談を設けています。3つ目は「保活講座」です。一般的な「保育園に入るための保活」ではなく、保育園選びとは、人間の根っこが作られる乳幼児期に多くの時間を過ごす「環境」を選んでいるんだという視点から、それぞれのご家庭が大切にしたい子育て観や教育観をもとにした保育園選びをお手伝いしています。こちらは毎年ご夫婦での参加も多くみられます。


親子教室を始めたきっかけは何ですか?

心理士として医療機関や公的な相談機関で子どもの発達や育児相談、教育相談を担当する中、相談につながる前の親子に思いを馳せるようになりました。相談室で出会う皆さんから「こんなことを相談ができる場所があるなんて知らなかった」「もっと前に知りたかった」と言われることがたびたびあって、相談室で待っているだけではなく、自ら地域に出ていこうと思いました。そこで、だれでも気軽に参加できて、必要があれば情報提供ができる場としてotokoto親子教室を始めました。

otokoto親子教室の大切にしていることは何ですか?

勇気を出して参加してくれた親子が、安心して自分らしくいられる場所になるといいなと思っています。また、otokotoにきているその時間だけでなく、むしろそれ以外の時間を意識するようにしています。例えば、家に帰って子どもと二人の時間になったときにも簡単にできる遊び方やふれあい方をお伝えしたり、otokotoの話題から夫婦の会話が広がるきっかけになったりしたら嬉しいなと思っています。参加者同士がotokotoを介さなくても、信頼できる気の置けない友人になり、付き合いが長く続いているのも自慢です。それぞれが仕事復帰したあともたびたびみんなで集まっている様子を報告してくれたり、誕生日やランドセル姿など節目にお子さんの成長写真を送ってくれたりするんですよ。卒業生イベントをすると、ご主人やごきょうだいを含めた家族でご参加してくださり、そこでまたご近所の出会いがあったりして、どんどん地域の輪が広がっています。

親子教室ではどんな相談が多いですか?

0歳ママは、離乳食、赤ちゃんの肌の調子や体調、遊び方や過ごし方といった日々のお世話に関することが多いです。ネットで調べられる時代ですが、みんなはどうしているのか、同じように悩んでいる人はいるのかといったリアルな話こそが知りたいんですよね。年齢が上がると、周りと比較して子どもの個性や発達について気になることが増えたり、親としての関わり方に悩む方が増えたりする印象です。私自身は専門職ではありますが、お子さんの発達や子育てに関しては、相手のタイミングや求められていることに寄り添ったかたちで知識や情報の提供をしています。必要に応じて専門機関につながるお手伝いをすることもありますが、ママ友同士の情報や共感で解決することも多く、子育てが「孤育て」にならないようにすることの大切さも感じています。

一人で頑張らなくてもいいんだよ

今後、otokoto親子教室ではどんなことをしていきたいですか?

この地域に引っ越してきた方や近くに子育て仲間がいない方は、ぜひ勇気を出して一度遊びに来てほしいです。ここにくれば仲間もいるし情報もあるし、「ひとりで頑張らなくてもいいんだよ」を伝えられる場所でありたいです。また、私自身もこうして地域で活動する中で、同じように「地域の中で子育て支援をしたい」という方とたくさん出会うことができました。しかし、思うように自分の活動が広まらず人が集まらない、自分の知識外の相談がきたときの対処に困っているといった相談も少なからずあり、子育て支援活動をしている人同士もつながることが大切なのではないかと考えています。感染症流行前から「支援者の会」をしていたのですが、現在この想いに賛同してくれる方がたくさん集まったので、支援者はもちろん、地域で子育てをしている方や企業さんも一緒に、みんながそれぞれの強みを持ち寄った地域プロジェクトができたらと考えています。

インタビュー後記

今回は、臨床心理士の資格を持って子育ての支援をしている「ゆら」さんにお話を聞きました。子育てママの悩みは、私が子育て診断士としてセミナーをやっていた事もあり、本当によく分かります。どうしても時間に追われ、一人になりがち、今さら聞けない、聞くのも悪い、子どものことがわからない・・・などと、塞ぎがちになってしまう方も少なくないんですね。otokotoはそんなママさんたちが少しでも楽しく子育てができるように寄り添ってくれる場所です。とても素晴らしいですね。子育てはあっと言う間とも言いますが、当事者は精一杯頑張っていますからね。初めての育児に悩んでいる方がいたら、間違いなくゆらさんに声をかけますね!

お問い合わせ

Otokoto親子教室

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インスタグラム:http://instagram.com/otokoto.info    

Ameblo:http://ameblo.jp/otokoto-info/

*ご相談の際、『区民ニュース』の記事を読みました。とお伝え下さい。