まちの仕事人インタビュー
石・タイルの洗うリフォーム
有限会社サット 代表取締役 公平 一宏 () さん インタビュー


会社を立ち上げたきっかけを教えて下さい

起業する前は、建築関係の出版社に勤めておりました。全国各地で有名な建築家が建てた建物を記事にしている中で、『複雑なデザインを多様な建材を用いて建てられた特徴的な建物を多く見てまわり、外壁、ガラスなど掃除が難しそうだ』と感じたことがありました。

それまでの自分は、上司との考え方の違いや、会社の仕組みなどに対して責任転嫁して自分本位の言い訳を言ってばかりのような働き方でしたが、40歳を機にどんな仕事でもいいから自分自身で仕事を立ち上げようと決心しました。どうせやるならば、自分を鍛えなおす意味としても、人が好まないような3Kでいこうと思い、清掃業の会社を立ち上げました。

未経験での立ち上げでしたので、開業当時は全く仕事がありませんでしたが、掃除会社のアルバイトで修業をしながら営業活動も行い、少しずつお客さんを増やしていきました。



石材や木材といった特殊な清掃に特化しているのはなぜですか?

起業以降、様々な箇所を清掃してきましたが、『自分を鍛えなきゃいけないとか、人の嫌がることを率先してやらなきゃ駄目だ』という考えで立ち上げたこともあったので、清掃の中でも、どんどん難しいことにチャレンジをしていきたくなりました。

通常のフロアカーペット等とは異なり、石の汚れはかなり特殊です。10年も20年も洗わないことが普通ですので、染みついた汚れを落とすには薬剤の選択等、長年の経験が必要になります。そのような難しいことに対してチャレンジする中で技術が向上し、そのような紹介が増えていき、現在のように通常では困難な清掃に対してもご依頼を頂くようになりました。



印象に残った仕事はありますか?

1人会社を立ち上げたときに、東京大学の本郷校舎の農学部を全部受けました。一日で60カ所ものトイレを清掃するのですが、広い敷地ですので色々な仕事道具を引きながら作業し、真夜中までかかったことは非常に面白かったです。結局、なんでもできるという感覚が身についたのは、そんな経験があったかもしれません。もちろん、作業着で清掃するのですが、清掃中にトイレに入ってこられる学生さんたちは私たちに気を遣うこともありません。

一般的には、清掃という職を下に見られることを嫌がる方も多いかもしれませんが、自分自身の甘えた部分を鍛えなおしたいという考え、人の悪口を言うのはもううんざりだと感じていたので、この清掃という仕事が自分にとって素晴らしい仕事であると確信したのも、この経験からです。


仕事をするうえで、一番大切にされていることは何ですか?

一番大切なのは相手が満足することだと思っています。私たちの仕事は、何かを納品したりする仕事ではないので、結果が全てです。だからこそ、結果に満足して頂けなければ何度もやり直しに行かなければならないし、この汚れはもっと落ちると少しでも感じたら、自ら進んでやり直しながらスキルを上げていきます。逆に、現状に満足してしまうと、私たちはこの先に同業他社に対して勝てる要素が無くなってしまいます。

企業としての売り上げが大きくなるというゴールだとするならば、そこは考えていません。。良いことをやって、目の前の現場お客さんに喜んでもらうっていうのをずっとやり続けるみたいな、そんなことが出来たらと思っています。


インタビュー後記

洗うリフォーム?いったいどんなお仕事なのだろう?と興味津々でインタビューをさせていただきました。『自分を鍛えなきゃいけないとか、人の嫌がることを率先してやらなきゃ駄目だ』という考えを持ちながらお仕事をされている公平代表の話一つ一つが、経営者としての覚悟を強く感じました。

相手の満足を一番に考えるからこそ、絶対に妥協を許さず技術を向上させるという姿勢。非常に勉強になりました。

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