
【お店の経緯を教えてください】
遡ると大正時代、神田に住んでいた祖父が関東大震災の影響で六本木に移動してお餅屋さんを始め、その後玩具屋さんを経営していたんです。
ビルも建ててテナントさんも入っていたのですが、そのテナントさんが出て行った後にさて、そこで何をするかと。。。そんな流れがきっかけでした。
私自身当時はアメフトの専門雑誌の記者をやっておりましたが、もともと“沖縄大好き病”にかかっており(沖縄大好き病については後述)大好きな沖縄の文化や歴史を広めたいという思いの中「東京に沖縄を作ろう!」と決心しお店を始めました。
【なぜそんなに沖縄を愛してやまないのか】
ダイビングが趣味でもともと海が好きということもあったのですがきっかけは椎名誠さんの映画である「うみ・そら・さんごのいいつたえ」の現地ツアーがあり参加したことです。ツアーでは上映会や現地巡りをし、夜は村の方々と飲んで歌って大騒ぎ。そんな最高のツアーでした。衝撃的だったことは現地の方々へ作品のお礼ということでYMOの高橋さんや著名人の方も来ていたのですが、村の人からすると有名人も一般人も全く関係なく(笑)同じ人間としてみんなで楽しく過ごしたんです。
私にとってはその3日間の体験が非常に強烈で人生を変える3日間でした。
その頃からいつか白保や石垣に住んでみたいという思いや東京のど真ん中に沖縄を作りたいという思いが強烈に出てきて、沖縄大好き病にかかってしまったんです。
【ご主人との出会い】
沖縄料理屋を出すと決めてからは全てが異例のスピードで行われていきました。
実はあるきっかけで日大のアメリカンフットボール部伝説の篠竹監督の側近を務めていた過去があり、アメフト界にとても多くの知人がいました。
飲食の経験も知識もない私がその人脈を駆使し、店舗の清掃、改装、人材募集、広告まで全てアメフトの仲間たちに支えてもらい通常4か月かかるような作業を1か月で終えお店をオープンしました。今思えば異例なことばかりで支えてくれた友人には感謝の気持ちしかありません。
そんな流れで開店をし、営業すること3か月後に2人組の男性が来店したんです。その内の1人が今の主人です(笑)
主人は当時自衛官でしたが、石垣島出身ということもあって話も盛り上がりました。
そしてそのまま出会った日に付き合って1年後には結婚をしました。
主人は当時石垣島出身の仲間たちと東京で沖縄料理屋をやるという夢があったのですが、結局は他の3人は石垣に帰ってしまい、主人は結婚を機に今のお店で一緒に働くことになりました。
現在は規模を縮小し、乃木坂に移転し、家族経営をおこなっております。
直近では港区商店グランプリでも優良賞を受賞し、地域の方々にご利用頂く機会も多くなっております。
【好きなことをとことん突き詰めたい】
「大好きな沖縄を東京に作りたい」私がしたいことをとことん突き詰められるのは両親の影響だと思います。
母はもともと万華鏡屋さんを経営していました。母は精神的にとても辛い時期があったのですが、万華鏡に出会い自分自身を取り戻せたということから万華鏡を世の中に広めたいという強い思いを持っていました。2000年のGWに急性白血病が発覚し、入院での治療を余儀なくされてしまいましたが、闘病生活を送りながらもアメリカの大会にも参加しました。
約1年間の入院中も看護師さんや医師の先生に万華鏡の素晴らしさを伝えていたほどです。
また、母が亡くなった3年後に父も亡くなってしまいましたが、ボーイスカウトを愛する人でジュネーブでの賞を受賞し、パーティーを開催する運びとなったのですが、その打ち合わせ中に亡くなってしまいました。
両親共に本当に亡くなる直前まで自身の好きなことを貫き通した人生でした。そんな両親の背中を見ていたので私自身も大好きなことをとことん突き詰めたいという性格なのだと思います。
【今後の展望について】
石垣島は本当に素晴らしい島です。そんな大好きな石垣島、沖縄を東京そして世界へ広めていきたいです。実は主人と私の世代は石垣の地元企業の後継者がとても多く、現在次々と家業を継いでいる状態です。彼らも石垣、沖縄の良素晴らしさを東京、世界へアピールしたいと考えており、私たちはその懸け橋になりたいと思っています。
インタビュー記事をご覧の皆様もぜひ石垣島、沖縄へ、そして島唄楽園(しまぱら)へ遊びに来てください。
〜インタビュー後記〜
心から愛している大好きな石垣を、大好きな沖縄を東京に、そして世界に伝えたい。そんな想いがとても強く感じられるインタビューでした。
お話しを聞きながら、奥様の経歴やご主人との出会いまで、全てが必然であったかのようなストーリーで驚きと感動の連続でした。
話の中から伝わる奥様の意思と行動力。運命を引き寄せる力。そして沖縄愛。
沖縄料理を頂きながらインタビューをさせて頂きましたが、料理も抜群に美味しく、まるで沖縄にいるかのような錯覚に陥るほど素晴らしい時間を過ごすことが出来ました。
是非一度島唄楽園に遊びに行って欲しいです。