まちの仕事人インタビュー
「親子三代法律家」会社の内外を知り尽くす新進気鋭の弁護士
法律事務所レジリア 代表弁護士 古橋 翼 (ふるはし つばさ) さん インタビュー

法律事務所レジリア代表弁護士。1988年静岡県浜松市生まれ。祖父、父親ともに司法書士の法律一家で育つ。中央大学法学部・中央大学法科大学院卒業。趣味は野球とゴルフ。小中高大と野球を続け、現在も草野球チームを3つかけもちするほどの野球好き。司法試験合格後、税務訴訟に強い鳥飼総合法律事務所に入所。その後インハウスロイヤーとしてパーソルイノベーション株式会社に入社。新規事業立ち上げに伴う法的リスクの検討や事業推進などのリーガルアドバイザーとして貢献。企業を内外から見てきた経験を活かし、企業法務に強い法律事務所として独立。現在は、企業法務や労働関係の依頼を中心にクライアントの最大利益を追求する。

親子3代法律家という古橋さん。弁護士を目指したのはやはりご両親の影響でしょうか。

両親からは特に法律家になるように言われることはなかったですが、多少なりとも影響は受けていたかもしれません。私の父や姉も中央大学法学部卒業ですし。祖父も父も司法書士なので、気づけば法律関係者が自分の周りを取り巻いていました。ただ、小さい頃から野球をしていたこともあって、実は最初はスポーツドクターを目指そうと思っていたんですよ。でも理科が好きになれなくて、諦めました。それでもスポーツに関係する仕事をしたいと思ったときに、スポーツ選手の代理人弁護士という職があることを知ったんです。これならスポーツに携わりながら仕事ができるし、もしスポーツに携わらなかったとしてもあらゆる場面で弁護士資格が生かせそうかなと。そういう気持ちから弁護士を目指し始めました。

司法書士ではなく弁護士を目指した最初のきっかけはスポーツ選手の弁護をしたかったからなんですね。最初の事務所に鳥飼総合法律事務所を選んだ理由を教えてください。

ひとことで言えば、尖った弁護士になりたいと思ったからです。鳥飼総合法律事務所は税務訴訟に強い事務所なのですが、所長は、税務ができる弁護士がほとんどいなかった時代に税務分野を開拓したパイオニアだったんです。今は弁護士にも専門性がないと食べていけない時代。自分にどういう専門性を身につけようかと考えたときに、私はロースクール時代に税法を熱心に勉強しており、鳥飼先生が人のやらないことを極めて大成功されたことを知っていたので、入所を決めました。

弁護士事務所で執務した後、事業会社に移られたと思います。事業会社に移った理由も教えてもらえますか。

一番の理由は、クライアントサイドのものの見方を知りたかったからです。転職先はパーソルグループで新規事業を作ることをミッションとする会社でした。きっかけは、鳥飼総合法律事務所OBでパーソルグループに先にジョインしていた人経由で声がかかったから。法務を増強したいということで私にお鉢が回ってきたんです。もともとビジネスサイドでも経験を積みたいと思っていたこともあり、ジョインを決めました。転職してからは今までとは違う角度から物事を見られるようになりましたね。外からクライアントへアドバイスする際は、クライアントの利益最大化を考えます。中にいてもそれは変わらないのですが、企業の意思決定において法務は重要であるもののそれだけではありません。いかにして全体を最適化して事業を進めるかが重要になってきます。そのため、常に「自分には今何が求められているのか」を考えるようになりましたし、状況に応じて自らの役割を変えられる柔軟さと調整能力は身についたと思います。あとは意思決定権者にとってどのような情報や意見が必要なのかということもよく考えるようになりました。こういったことはずっと弁護士事務所にいたらわからなかったことだと思います。


企業の内外双方の景色を体感することで、法律というハード面だけではなく、調整力などのソフト面にも磨きがかかったわけですね。ここまで順調にキャリアを積み重ねているように思えますが、なぜパーソルを辞めて独立したのでしょう。

弁護士になったときからいずれは自分で顧客を獲得して、案件を処理し、対価をいただけるようになりたいとは思っていました。会社組織では最先端のビジネスに触れられるものの、法務部門は管理部門なので、あくまで事業部門をサポートするという立ち位置です。もちろんパーソルの法務では事務所の頃よりも事業部門に近い立ち位置で仕事ができましたし、他の事業会社に比べても新規性の高いビジネスに関わるチャンスは多かったので迷いました。ただ、独立の事業主として、弁護士である自分独自の商品・サービスを創り、自分なりの方法で顧客に提供してみたいという思いが強くなってきたのです。そんな折、パーソルで働きながらも弁護士として外部の仕事を個人で受任していたのですが、自分自身のクライアントから面と向かって「ありがとう」と言ってもらえたんです。このときに、組織内で働いているときとはまた異なった感情が沸き上がり、私の中に独立したい気持ちが潜在的にあったことに気づかされたのです。

組織内での仕事に意義を感じつつも、もともと自分の中にあった気持ちに気づいてしまったのですね。これまでの案件で印象的なものはありますか。

いろいろありますが、事務所で携わっていた訴訟案件の中には、会社関係、労働関係、医療関係、不動産関係など複雑なものも多くありました。詳細にヒアリングをしたうえで、事案を整理し、裁判例を一つ一つ丁寧に精査し、必要があれば外部の専門家にも意見を聞きに行ったうえで、緻密に法律書面を書き上げてきた経験が、今の自分自身の基礎になっているなと思います。企業に入ってからはHR関係の新規事業の立ち上げ、新サービスの立案に携わってきたので、自分が関わった事業・サービスが今後より大きくなってくれたら嬉しく思います。あと、グランピング事業を行う子会社では、事業スキームの下地作りから他社へのM&Aによる売却まで行ったという貴重な経験も積むことができました。他には、私は一つのことを掘り下げるのが好きなので、事業や施策のスキームを個人情報保護法の観点から分析・レビューして構築することも結構好きでしたね。

事務所と企業内で幅広くかつ深く経験したことが古橋さんの血肉になっているのですね。今後はどういう仕事を増やしていきたいですか。

やはり企業法務の依頼ですね。企業のことは外からも中からも見てきたので、外からしか見たことがない弁護士よりも一歩踏み込んだ視点でのアドバイスができると思います。あとは、パーソル時代、HRサービスの設計などもしていたので、人材系のサービスやHRテックに関する戦略的なアドバイスもできればと考えています。また、人材業界から労働市場や人事施策のトレンドにアンテナを張っていた経験を生かして、労働関係にも力を入れていきたいです。従業員から訴えられたというような、伝統的な労働紛争はもちろん、人事・人材データの利活用とプライバシーの問題や、フリーランス保護法、外国人の労働問題、人的資本経営、ビジネスと人権などの新しいトピックにも力を入れていきたいと思っています。HRサービスに法律的な視点をどう活かしていくかのような、経営を前進させるための相談も積極的に受けていきたいですね。特にテック系企業に適用されるような法律関係は得意にしているので、そのような企業のご相談であれば一層お力になれるかと思います。

今後は企業法務と労働関係に一層注力していくということですね。最後に読者に一言お願いします。

新しいことにチャレンジしたいが、どこにリスクがあるのかわからない。想定されるリスクをどう乗り越えていけばいいのかわからない。こういう悩みはどの企業にもあると思います。しかし、悩んでいるだけでは何もはじまりません。壁に当たったときは気軽にコーヒーでも飲みにいきましょう。そしてあなたがどうしたいのかという「想い」を教えてください。あなたの想いを実現する、ベストな方法を一緒に考え抜くことをお約束します。「区民ニュースを見た」とお伝えいただければ、1時間無料でご相談をお受けいたします。お気軽にご相談ください。


インタビュー後記

古橋さんは中央大学法学部法律学科ご出身ということで、私にとっては直属の先輩。最初は後輩だからと高圧的にくるのではとドキドキしてました。しかし、実際にインタビューをさせていただくと、まったくそんなことはありませんでした。丁寧かつ謙虚にお話をしていただき、「優しい先輩」として接してくださったことが印象的です。ビジネス面でも、弁護士事務所、事業会社両方の経験をお持ちの珍しい弁護士です。特に印象的だったのが、「全体最適化」という言葉が古橋さんから出てきたこと。多くの弁護士は依頼者の利益最大化しか考えません。これは訴訟など、戦う場では必須の能力だと思いますが、ビジネスを円滑に進めるうえでは時に摩擦を生み出す要因にもなるかと思います。その点、古橋さんのように全体最適化を考えることのできる弁護士はビジネスの世界では貴重な存在といえるでしょう。ビジネスを円滑に前進させるためのリーガルアドバイスがほしいという経営者の方は、一度古橋さんにご相談されてみてはいかがでしょうか。

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