まちの仕事人インタビュー
アイドル&講演家から政治家へ 難病、がんにも負けず元気いっぱい!
荒川区議会議員 夏目 亜季 (なつめ あき    ) さん インタビュー


出身 : 京都府舞鶴市 

年齢:1990年生まれ 

趣味:ゲーム・アニメ・動物とのふれあい 

職歴・経歴:17歳から難病(SLE)と闘病。23歳で子宮頚がんと診断され克服、その体験を明るく元気に話す講演家・アイドルとして活動後、堀江貴文氏など著名人との対談を経て自分が進むべき道は政治家であると決心する。荒川区議会議員に立候補し当選。ご自身の体験から「守れる命はしっかり守る」「難病患者も障がいのある方も安心して暮らせる世の中に」をモットーに予防医療と福祉に取り組み、日々活躍されている。 

議員を目指したきっかけを教えてください 


元々私はアイドル活動を行なっていました。その矢先子宮頸がんに罹患し「子宮頸がんを克服したアイドル」としてアイドル歌手としての歌の活動に加え、様々な場所で講演を行なっていました。 

17歳の時からSLE(自分自身の体を、免疫系が攻撃してしまい全身のさまざまな場所、臓器に、多彩な症状を引き起こす病気)という難病に罹患していまして、さらに23歳の時に子宮頸がんと診断をうけました。 

20代で難病やがんとの闘病、このリアルな体験談はとても好評で、学校や企業、患者会、イベント等様々な場所に講師として呼ばれるようになりました。 

その中で堀江貴文さんと対談する機会があり、当時は積極的接種勧奨がまだ差し控えられていたため「HPV(子宮頸がんワクチン)は、国民の認知がまだまだなので早急に積極的接種勧奨再開し国や行政、自治体から積極的に推進していかないと」という話になって。私は「総理大臣に伝えなきゃ。でもどうやったら総理大臣に会えるんだろう?予防できるがんなのにそそうだ政治家になろう!」と思いついたのがきっかけでした。 

堀江さんに会って政治家になろうと思ったのが2018年なんですけど、その後は「どうやったら政治家になれるかな?」とひたすら行動し続け、自分の体験をもとに「誰一人私のような思いをしてほしくない。本来ならば守れる命、これからを担う次世代の子どもだち、当事者の未来をしっかり私が守っていく」の決意のもと出馬を決め、様々な方々の力添えがあって今に至ります。 

荒川区ではどんな事に力を入れていきたいですか ?

子宮頸がんのHPVワクチンの問題はまだまだ普及や啓発が足りていなくて、荒川区もマスコミが報道する前の導入当初に比べると接種率が大幅に落ちているんですよね。まずは予防医療の分野に関して、荒川区からどんどん変えなきゃならないなと思いますね。 

あと、がん検診もまだまだ受ける方が少ないので、「予防医療と検診」この2つで区民の健康をしっかり守っていかなきゃいけないなというのは、大きなやりがいであって私の使命です。もちろん荒川区を起点として、日本全体にも広めていきます。 

今後の政治活動で世の中に伝えたいことはありますか? 


難病って見た目じゃ分からない、理解されないことがあるんです。 

私も元気に振る舞っていますけど、毎日薬を10錠以上は飲んでいますし疲れやすかったり怠さや関節の痛みなど日によって辛い症状が出ることもあります。 

でも、それってなかなか伝わらないんですよね。見た目は普通に見えるのでしょうがないんですけど。若い人でも難病で同じ想いをしている人はたくさんいるはずなんです。 

荒川区にも約2500人の難病を患っている方がいます。

でも世の中では難病と障害者は受けられるサービスに違いがあって、荒川区で難病患者の中で障害者手帳を持っている方って1割にも満たないんですよね。障害者手帳を持っていると、世の中で優遇されるサービスってたくさんあるんですけど、難病の方に適応されるものはまだまだ少なく自治体間でも差があります。

まさに健常者と障がいのある方との間にいると感じています。

難病って、五体満足で見た目は普通な方が多いので分かりやすい辛さや障がいみたいなのがないんです。でも実際には日によって体調が変動するなど生きづらさがたくさんあるので「難病と障がいのある方の差異を無くす」「障がいのある方も難病に罹患している方もどちらも安心して暮らせる世の中にする」ことをモットーに荒川区から発信し実行していきます。 


インタビュー後記

アイドルでとても元気で明るい夏目議員。私の職業からかなり突っ込んだ難病や子宮頸がんの世界について聞かせていただき、本当に過酷な世界だと感じました。そんな世界でもいつでも明るく振る舞われて、若くして世の中を良くしようと政治活動に専念されている夏目議員のエネルギーや想いは素晴らしいです。障害者の方も、難病の方も、健常者の方もそれぞれが生きやすい日本になるよう、これらかもぜひ頑張っていただきたいです。