現在では閑静な住宅街として知られている大田区山王、馬込、中央一帯は、多くの文士や芸術家が暮らし交流を深めたことで知られています。関東大震災後から昭和初期にかけて多くの文士や芸術家が移り住み、互いに交流を深めていて、いつしかこの辺りは「馬込文士村」と呼ばれるようになったそうです。

 

JR大森駅から西側の地域に位置する馬込文士村

 

三島由紀夫、萩原朔太郎、室生犀星など、名だたる文士や芸術家が住んでいたこの場所には、現在では記念館や居住跡案内板があり、晴れた日には散策をするのもおすすめです。少し前には、NHK連続ドラマ小説の『花子とアン』のモデルとなった村岡花子もこちらに住んでいたことで注目を集めました。

 

そんな文士たちに愛された歴史のある大田区に、新進気鋭の若手作家の小林大輝さんが現在住んでいます。2018年に上梓した『Q&A』は、俳優の竹中直人さんら豪華なキャストで地上波で映像化されたことでも話題になった作品です。

 

小林さんが寄稿した地域文芸誌『mal”』

 

小林さんはもともと関西の出身ですが、縁あって大田区に移り住み、こちらで執筆活動の傍、子どもから大人まで幅広い世代に「書くこと、表現すること」の教室を開いています。

 

今回は特別に、小学校1年生の男の子が初めて「コラージュ作文」に挑戦している様子を取材しました。コラージュ作文とは、絵やイラストを切り貼りして話を作り、遊びながら作文をするというものです。


「イメージを先に作っておくと文章を書くことがとても楽になるんですよ」と話す小林さん。


優しく穏やかに子どもと接する小林さん

 

男の子は最初、うーんと頭を悩ませていましたが、小林さんと歓談しているうちに急にテーマが決まったようで、切り貼りが始まりました。その後、ますますアイデアが浮かんできたようで、恐竜や動物たちもたくさん紙に貼られていきました。

 

真っ白な紙があっという間ににぎやかに

 

コラージュが終わって作文となると、まだ文章を作ったことのない男の子は頭を悩ませてしまいましたが、小林さんとの会話の中から文章を作り上げていきました。そして、男の子ははじめて自分で「公園と動物たち」という文章を創作しました。

 

初めての作文挑戦に「達成感!」

 

終わった後に男の子に感想を聞いてみると「はじめてやったけどとてもおもしろかった。お兄ちゃんが優しくてまた会いたい」と話していました。

 

確かに小林さんは先生というよりも近所のお兄ちゃんというような優しい雰囲気で、子どもにとってはそんな存在の小林さんに親近感を抱いたようです。

 

現在26歳の小林大輝さん

 

神奈川県・葉山のアフタースクール「まなばんば葉山」で、2年前から国語教師の担当としても活躍しているという小林さん。これからはもっともっと地域に根ざして、大田区の子どもや、希望があれば大人にも、書くことや表現することなどを伝えていきたいそうです。

 

「気軽にご連絡ください」とのことなので、少しでも興味を持たれた方は小林さんに直接メッセージをしてみてください。

 

【問い合わせ先】

I.rokicompany@gmail.com


 

(取材:大曽根桃子)

 

 

小林大輝(コバヤシヒロキ)さんプロフィール

1994 年生まれ。兵庫県出身。2018 年に幻冬舎・テレビ朝日・pixiv 三社合同の小説コンテ スト、ピクシブ文芸大賞で大賞を受賞し、幻冬舎から『Q&A』を出版。テレビ朝日にてドラマ放送。2019年、韓国語版が出版される。まなばんば葉山や、都内の教室で作文講師としても活動している。