まちの仕事人インタビュー
「小3から投資家です」その道40年以上の「負けなし」投資家
専業投資家 小野瀬 英也 (おのせ ひでや) さん インタビュー

専業投資家。1971年東京都大田区出身。ベビーブームのただなか、父親はトヨタ勤務、母親は専業主婦という大企業サラリーマン家庭に生まれる。中学までは野球、サッカーが得意なスポーツマン。青山学院大学経済学部卒業後、2年ほど財務コンサルタント企業に在籍。その後退職し専業投資家として独立。株式投資は9歳からはじめ、投資歴40年以上。現在の投資対象は、株式、FX、不動産が中心で運用総額は数億円。資産はすべて再投資しているので、意外と慎ましやかな生活を送る一面も。

9歳から投資をはじめた小野瀬さん。投資に興味をもったきっかけを教えてください。

親の株取引を見たことがきっかけです。親が副業的に株取引をしていたのですが、それを見ていて「これなら自分にもできる」と思ったんです。父親には「できるわけないだろ」と大反対されましたが、どうしてもやらせてほしいと泣きながらお願いをしてやらせてもらいました。当然、株取引のイロハも何も知らなかったのですが、なんとなく直観的にうまくできそうだと思ったんです。最初は500万円を運用させてもらったのですが、初月から80万円儲けることができました。親もびっくりしていましたが、そこから運用を任せてもらえるようになりましたね。当時は、リアルタイムで株価を見ることはできなかったので、新聞を見ながら自分でロウソク足を書いてチャート分析していました。

チャートだけを見てフィーリングで株取引をしていたわけですか。9歳から大学卒業するまで、どれくらい稼いだのですか。

高校の時は受験勉強に専念していたので、投資は中断していたのですが、高校までで1,000万円以上は儲けました。親も喜んでましたね。新車購入できたり、家のローンを繰り上げ返済できたりしたようですから。そのあと大学2年のときに投資を再開。再開から大学卒業するまでに2,000万円くらい儲けることができました。正直このまま投資家として生きていくのもよかったのですが、親からは「せっかく大学を卒業したのだから一度勤め人として社会に出るべき」と言われてしまい、大学卒業後は投資をしながらコンサル会社で働いていました。ただ、コンサル会社の給料よりも投資の儲けの方が倍くらいありましたし、激務なコンサル会社での生活に心身ともにやられてしまい、結局2年で辞めてしまいましたが。

9歳から大学卒業までに3,000万円は儲けた計算になりますね。小野瀬さんの投資スタイルはどのようなものなのでしょう。

基本的には1週間から2週間くらいで売買するスタイルです。長くても1か月程度しか保有しません。投資のサイクルはその間にくることが多いですから。あとはローリスクミドルリターンを目指していますね。損切ラインを明確に決めることも徹底しています。私の場合は、10%下がったらすぐに切ってしまいます。この10%というのは私の経験からくる損切ラインですが、統計上もそのようになっているように思えます。そのため買いエントリーをするタイミングで10%の損切ラインは指値で入れてしまい、下がれば問答無用で損切されるようにしています。銘柄としては中小型から大型株まで投資対象にしています。ただ、業種は絞るようにしていて、自分の得意なセクターにしか投資はしません。私の得意セクターは半導体やサービスセクターですが、それ以外の業種には手を出しませんね。それといわゆるイベントドリブンというのもしません。株式であれば決算発表や、FXであれば雇用統計などの各種指標の前後には静観するようにしています。イベントでは値動きが激しくなりますし、どちらに振れるかわからないので博打になってしまいますので。


投資は博打ではないということですね。ずばり、小野瀬さんの銘柄見極めポイントを教えてください。

私はほぼチャート分析のみで投資しているので、チャートをみて判断しています。財務数値もあまり見ないですし、PERやPBRといった投資指標もみません。そもそも計算の仕方すら理解していません。チャートには節目があります。たとえば、上がり始めてから10本目、20本目、25本目という具合です。その節目で、値動きが落ち着きもみ合いになる一方、出来高が増えていくようであればそこでエントリーするという形です。たとえば陰線が10本続いて、11本目が陽線に変わったら、そこからどこでエントリーするか見極め始めます。その後もみ合いの動きをして出来高が増えていけばエントリーです。さらにいえば、もみ合いの最中、値動きの波が半分ずつ減少していくと理想的です。もみ合わずにいきなり上昇してしまうこともありますが、多くがもみ合ってから反転しているので、私はこういうチャートの見方でエントリーポイントを見極めています。

小野瀬さんの投資の極意を教えていただきありがとうございます。投資家をしていて、大勝ちと大負けのエピソードを教えてもらえますか。

大成功したのはやはりアベノミクスのときですね。あのときは本当にすごかった。黒田元総裁がいわゆる「黒田バズーカ」を発動したときです。その当時はFXでドルをかなり買っていたので、1年で10倍近く値上がり。数億円は稼ぐことができました。逆に大負けはバーナンキショックのときです。1か月で半分くらいになってしまいました。10%損切りルールを設けていても、どんどん巻き込まれてしまって。1か月で4,000万円くらいは溶かしてしまいました。あのときは不眠症になってしまって、それくらいつらかったですね。

投資に絶対はないですし、酸いも甘いもご経験されてきたわけですね。今、注目している投資先はありますか。

今は世界中の株価が天井を打っているので、株は様子見しています。今私が注目しているのは、外国の債券です。金利が高くなっているので、トリプルAの格付け限定であればありだとは思います。ただ、今は為替が円安なので、外国債券が少し割高な気もしています。ただ、私はその点をあまり気にしていないので、ただ、クーポン収入目当てであれば、米国30年国債。今はこれがいいと思いますね。これはあくまで私の主観なので、あくまで投資は自己責任でお願いしたいですが。


株価がバブル崩壊以前の水準まできている昨今はやはり高いと感じるのですね。小野瀬さんは通信代理店事業も営まれています。どのようなビジネスなのか教えていただけますか。

6G回線を安く契約できる携帯プランの提供をしています。そのプランは、総務省、NTTドコモとコラボして提供しているプランなのですが、ドコモから独占販売権を付与されています。一般の代理店では取り扱いのできないプランを提供しているので、その点は強みですね。今は世の中的にも携帯料金を下げる方向に規制緩和されていますが、今の格安SIMで5Gや6Gを使うと1.3万円ほどかかってしまいます。今後の6G化を見据えて、今のうちに6Gを安く契約できるプランを提供するというのが私がしていることです。具体的には、3,000円~契約することができるので、コスト的にはかなり抑えることができるようになります。また、これは裏話ですが、これを提供する私のような代理店側にもメリットがあります。国が主導しているプロジェクトなので、キャリアに支払うロイヤリティも低く抑えられるんです。新しくショップをはじめようとするとあるところでは、加盟金で380万円くらいかかるのですが、我々の場合は、2.6万の登録料だけではじめられる。代理店手数料も1契約金額の33%を受け取ることができるので、他の代理店よりも高い利益率なんです。これが20年とか継続的にもらえるので、私にとってはサブスク収入になります。不動産投資を始めた理由もそうですが、私は今後サブスク収入を増やしていこうと思うので、この通信事業についても力をいれていきたいと思います。

不動産投資で不労所得を得ようとする方は多いですが、この通信事業であれば低リスクで不労所得を得るとこができそうですね。最後に読者の方に一言お願いします。

今の時代は昔と違って金利もないし物価も高いです。私たちの親世代は郵便局に貯金しているだけで12%の金利がつく時代で5,000万円くらいの預金をしていたし、退職金で5,000万円もらうことも珍しくなかったです。つまり定年退職と同時に資産が1億円ほどになっていました。でも今は違います。金利もないし、退職金だって2,000万円くらいしかない。こういう時代だからこそ、メインの収入の他にサブの収入を得る必要があるのではないでしょうか。サブの作り方は人それぞれかと思いますが、ひとつの手段として投資であったり、不労所得を作ったりすることを検討されてみるといいのかなと。例えば通信事業で5月から20%のインセンティブをもらえる新体制が出来上がっています。そういったところで、最初は少額だとしても、こつこつ積み上げることで年金以上のサブスク収入を今から作りあげることができるかもしれません。今も将来も楽しく生きていくためにも、みなさんも一緒に収入のポケットを増やしていきましょう。

インタビュー後記

今回のインタビューでは根掘り葉掘り投資についてお伺いしました。私自身、証券会社に勤めていたこともあるため、めんどくさい質問もあったかと思います。しかし、小野瀬さんはそんな質問にも快くご回答いただき、常に笑顔で応対してくださったのが印象的でした。投資家として成功されても驕ることなく、むしろ堅実に生活をされている小野瀬さん。9歳からお金に触れてきたからこそ、将来のことも考えながら生活ができているように思えます。国としても貯蓄から投資への流れを推奨しています。投資はあくまで自己責任ですが、投資に興味を持っている初心者の方も多いはず。投資をはじめてみたいという方は、小野瀬さんのような投資のプロの方から話を聞いてみることからスタートするのもいいかもしれません。

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小野瀬 英也

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*ご相談の際、『区民ニュース』の記事を読みました。とお伝え下さい。