近年 話題になり、色々な取り組みが行われている食品ロス問題。
食品ロスとは、本来ならまだ食べることができるのに、廃棄されてしまう食品の事である。
日本国内では平成27年時点で646万トンの食べられる食材が捨てられているという。
そのうち事業系廃棄物由来が約357万トン、家庭系廃棄物由来が約289万トンだ。
(消費者庁公表のデータより抜粋)
この通り、廃棄される半分以上が企業から出ているという現状において、原因は作りすぎや売れ残り、季節の限定である故などなど、様々だが…その様子を業界で見てきた者が、そのもどかしさから食品ロスを削減するマーケットを関東圏で展開している。
京急本線梅屋敷駅から徒歩一分ほどの場所にある「ORO FOOD RESCUE(フードレス救)梅屋敷店」(以下 フードレス救)は8月下旬にオープンしたばかりの新店舗。
廃棄予定だった食品を各業者から引き取り、安価で提供している。
入口では早速ボトルの油がなんと1本30円で売られており、道行く人の足を止めていた。
この店舗はレトロな趣きが親しまれている「うめやストアー」の中にあり、もともと八百屋だったテナントを改装したもの。
入口の印象以上に奥ゆきがあり、たくさんの商品が並んでいる。
店内には食品ロスに関する様々なポップもあり、やはり「もったいない!」の一言が目立った。
季節のものだけでなく、観光地のお土産品など…コロナの影響を思わせる商品もいくつか見受けられ、今年ならではの景気の流れを感じた。
フードレス救では値札の色でそれぞれが賞味期限切れか否かを見分けられるシステムだ。
賞味期限が近いものや切れている商品に関しては、店頭に並べる前に必ず従業員たちが味見をして、品質に問題がないか見極めるという。
この大量の食品が捨てられるはずのものだったと思うと、やはり「もったいない!」の一言に尽きる。
そして、この店内の全てさえもロスされる全体の一握りにも満たない量なのだろう。
フードレス救は梅屋敷店の他にも区内では糀谷店を展開する。
「安く買って美味しく食べる」
買い手の私たちが手軽に食品ロスに貢献できる場が、また大田区内に一つ増えた。
取材:千葉 真理