まちの仕事人インタビュー
話すことに悩む人をゼロに
話し方サポート「コココ」 代表 水嶋 恵利那 (みずしま えりな) さん インタビュー

1995年生まれ。千葉県出身。日本大学藝術学部演劇学科を卒業後、制作会社に就職するも、体調不良による入院に伴い退職。自分の生き方を見つめなおし、改めて人の役に立つことをしたいと考え独学でスピーチ・弁論を学び、後に「第66回文部科学大臣杯全国青年弁論大会」にて文部科学大臣賞を受賞し日本一となる。現在は、話し方・伝え方の専門家として、話し方サポート「コココ」を主催。

話すことのパーソナルレッスン

この仕事を始められたきっかけを教えてください。

社会人になった後、長期の体調不良で入退院を繰り返し、そこで改めて人生でやり残したことや、やりたいことを考え、“人の役に立ちたい”と強く想ったことがきっかけです。また、これまでの人生を振り返り、印象に残っていた思い出の一つが、高校の生徒会選挙の応援スピーチで、多くの拍手をもらい校内で大きな話題になったこと。そこで、あの時のように“スピーチ”によって人の役に立てるのでは?と考えました。まずは上手い人のスピーチをたくさん聞くところからスタート。YouTubeを繰り返し見ることはもちろん、地方のスピーチ大会にも足を運び、優秀な人から技術を学びました。スピーチは座学だけでは技術が身につかないため、実践が重要。そこで、スピーチ大会へも積極的に出場し、令和3年には『第66回文部科学大臣杯全国青年弁論大会』にて文部科学大臣賞を受賞したことで、スピーチ競技(弁論)で日本一になることも出来ました。それらの技術を活用し、現在主催している話し方サポート「コココ」では、見えないハンデを持った人への話し方やコミュニケーションサポートをしています。実は子どものころ、障がいにより全く話すことのできない親族と過ごした時期もありました。家族みんなコミュニケーションが苦手で、家の中では心地いいコミュニケーションが無かったことを覚えています。障がいに限らず、コンプレックスやトラウマにより、話すことを苦手としている人は多くいらっしゃいますが、こうした人たちが少しでも前向きに周囲と上手くコミュニケーションが取れるようになって欲しいと考え、現在の活動を始めました。


仕事の特徴はどのような点にありますか?

「コココ」では、発達障害や心の病気、家庭や職場でのトラウマなどで会話やコミュニケーションに悩んでいる人のための、話し方・コミュニケーションサポートサービスを行っています。具体的には、上手く『話す』ための技術に加えて、キチンと相手に『伝える』ための技術をマンツーマンで指導。カリキュラムはお客さまの希望されているゴールに合わせたオーダーメイドで、約3ヶ月間、月に2~4回のオンラインレッスンを行っています。『話す』技術については、「魅力的は声で話す方法」や「緊張対策」などを、『伝える』技術については、「会話やコミュニケーションの仕方」を教えています。特に、ビジネスパーソンの人からリクエストが多い『伝える』ことについては、「初対面の人との話し方」や「話が長く(短く)なることへの対策」、質問への「上手な回答の仕方」などがカリキュラムに含まれやすいですね。また、私が“スピーチ”を軸に活動しているところは、ユニークだと言われるポイントの一つです。ちなみにスピーチ大会の一次審査は“原稿審査”であり、話す技術は審査されません。これは、スピーチ大会が『伝える』ことに重点を置いているため。実は上手に話すためには、自分の頭の中にある考えや気持ちを一度きちんと整理し、相手に伝わる内容としてまとめることが前提となっており、まさにこの技術を私はスピーチ大会を通して磨き、皆さんにお伝えできるようになりました。その他にも、企業や団体での『話し方・伝え方』に関する研修や講習を行っています。


話し方を変える、伝わり方が変わる

どんなお客さまからのご相談が多いですか?

20代~30代の、話すことにコンプレックスやトラウマを持っていたり、軽度の発達障害を持っているなど、見えないハンデを持っているビジネスパーソンからのご相談は多いですね。男女比はほぼ同じくらいで、ホームページを見てご連絡をいただく方が多いですが、最近はご紹介からのご連絡も増えています。ホームページやメールでのお問い合わせの際、「これまで、悩みに悩んで生活を続けていた」と書かれる方は少なくありません。特に20代の人は、社会人経験が少ないからこそ、社内のコミュニケーションが上手く取れないことに悩みを抱えてしまっている人が多い印象ですね。他にも、ビジネスでもっと活躍するために『話し方・伝え方』を磨きたいというビジネスパーソンからのお問い合わせも増えています。社内でのポジションが上がることで話す機会が増えた方や、独立して営業力を強化したい個人事業主の方、話すことがメインとなる国会議員や区議会議員などの政治家の方からもご相談をいただいています。聴覚障害のある方にも対応していて、ろう者の方特有のコミュニケーションの悩みを手話や筆談を使って対応もしています。レッスンによるお客さまの変化を見ることは、私やコココの講師の喜びの一つですね。例えば、軽度の発達障害により相手の気持ちが分からず、自分の意思を伝えられないと困っていた女性が、レッスンを通じて『話し方』に自信がつき、自己肯定感が上がったことで仕事でも結果が出せるようになり、今では昇進して部下に『話し方』を教えているそうです。また、話すことが大の苦手で「話すことが大嫌い!」とまで言っていた男性が、たった1年半で自ら全国的なスピーチ大会に出場を目指すほどの意欲と技術を手に入れました。成長を見守りつつも人の役に立っているという実感を持つことができるので、本当に嬉しいですね。


仕事をするうえで心掛けていることを教えてください。

みなさんが話し方や伝え方を磨くことで、“自分らしく人と繋がり、自分の気持ちを伝えられる”ようになって欲しいと考えています。ちなみに、現在主催している話し方サポート「コココ」の名称には、私がレッスンのうえで大切にしている「コセイ(個性)」「コミュニケーション」「コウテイ(肯定)」という3つの「コ」が表現されており、“個性を認めたコミュニケーションを心の拠り所にして、どんなコンプレックスも肯定できるようになって欲しい”という想いが込められています。ちなみに「コココ」の名称にはもう一つ、上手に気持ちよく話すための3つのポイントが表現されています。それが、「声」「言葉」「心」。“どんな声で、どんな言葉(内容)を選んで、どのような気持ちで話すのか”という話し方の大切な部分です。「コココ」は年明けには法人化を予定。現在、私と同じようにレッスンを担当できる講師も増えてきており、いずれはヤマハ音楽教室のように、全国で話し方を学べるようにしたいですね。お悩みの方がいらっしゃいましたら、お気軽にご連絡ください。「話すことに悩む人をゼロに」を目指して、これからも活動していきます。


インタビュー後記

インタビューが普段の2/3の時間で終わった一方、内容はいつも以上に濃かった。それでいて、駆け足で進められた印象も受けないところは、まさに自分らしく自分の考えを上手く伝える技術によるもの。流動性が高まり人間関係が希薄になりつつある社会においては、慎ましさだけでは足りない。自分の考えを上手く『伝える』ことが大切だ。

お問い合わせ

名前:水嶋恵利那

電話:090-5305-4488

HP:https://cococo-voice.com

Mail:erina19950604@gmail.com


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