◆今月のレシピ◆
 岩泉町から、天日干しの山栗の甘味を生かした「栗まんじゅう」を紹介します。

岩手県食の匠 玉澤雅子さん(認定番号235岩泉町)の『栗まんじゅう』

○料理の紹介
 岩泉町安家地区は、ほとんどが山林原野で占められており、昔から山に自生する山栗・トチ・どんぐりなどを渋抜きし、美味しく料理する技術を培ってきました。かつては、長い冬や冷害に供えての保存食でもありました。
 昔は砂糖は貴重品であったため、栗まんじゅう、小豆まんじゅうとも、塩少々のみで味を調えていました。小豆より甘かったこともあり、栗まんじゅうが普及しました。今では、栗あんに砂糖を少量使って作っています。

○材料(10個分)
<栗あん>
押し栗(山栗を乾燥させ、皮を除いたもの):230g、砂糖:40g、塩:1.5g
<まんじゅうの皮>
小麦粉(中力粉):330g、塩:小さじ1、熱湯:190g

〇作り方
<栗あん>
1 押し栗はゴミを除き、大洗いして、ぬるめのお湯に一晩漬ける。漬けている時に、しぶが残っていたら取り除く(湯の量は栗の3~4倍)。
2 漬け汁で栗が柔らかくなるまでゆでる(ゆで時間2時間強。ゆで汁が足りなくなったら、お湯を入れながらゆでる)。
3 2に砂糖、塩を入れ、水気が無くなる前に、すりこぎで軽く栗をつぶす。水分が無くなるまで煮つめる。
4 鍋を下ろし、すりこぎとゴムベラで使いながら、栗がいくらか粒々が残るくらいにつぶす。
5 人肌くらいまで冷まし、50g位のあん玉にする。

<まんじゅう>
1 ボウルに小麦粉と塩を入れ、熱湯をまわし入れて耳たぶの硬さになるまでこねる。
2 1を50gくらいずつ分けて、手でこねて広げて皮を作る。
3 皮にあんを包み、丸めてまんじゅうを作る。
4 たっぷりの湯を沸騰させたら、まんじゅうを入れて中火でゆでる。まんじゅうが鍋の底にくっつかないように、時々へらでかき混ぜながらゆでる。
5 まんじゅうが浮き上がってきたらすくい上げる。
6 まんじゅうを、ぬらして絞ったさらしの上に並べて冷ます。

〇ポイント
・長期保存した押し栗を使う場合は、漬ける時間と煮る時間を長めに、砂糖の量も多めにする。また、機械乾燥した山栗は甘みが少ないので、砂糖を多めにする。天日に干し直すと甘みが増すので、使う前に数日天日に干して使用する。
・皮の生地が温かいうちにあんを包むときれいに包みやすい。皮が冷めると生地同士がくっつきにくくなり、とじるのが難しくなるので、とじる前の生地は空気に触れないようにぬれ布巾をかけておく。また、生地の表面が硬くなりかけたら、手で軽くもんで柔らかくすると包みやすくなる。

(岩手県農林水産部農業普及技術課)

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4 いいね! ('25/08/23 14:00 時点)