今ではどの蕎麦屋でも提供がある「天ざる・天もり」。

実はその発祥となったのが、「室町砂場」である。

TBSや赤坂サカスから徒歩5分程度に昔ながらの木造日本家屋が目印。


●天ざる・天もりのはじまり

蕎麦屋のメニューで今では見ない店舗はないといっていいほど

メジャーなメニューの一つ「天ざる・天もり」。

温かい天ぷら蕎麦や、揚げたての天ぷらとセイロの冷たいそばを一緒に提供することは

昔からどこのそば屋でもできましたが、天ぷら蕎麦を、天ぷらが入った温かい汁と

セイロの冷たいおそばのつけ麺の形態で初めて提供したものが「天ざる」「天もり」。

戦後、「夏でもおいしく天ぷらそばを食べられるように」という

想いから開発したのが当時の室町砂場の店主である。

●「もり」と「ざる」

そばの芯だけを挽いた更科粉を玉子でつないだ“ざる”は、

粒子が細かく滑らかで癖のない甘みが特徴。

挽きぐるみ粉等のそば粉を二八の割でつないだ“もり”は、

そば粉の香りや色合いなどの個性を生かし風味豊かな味わい。

ただし、その違いには明確な定義があるわけではないともご主人は言う。

ご自身の舌と鼻でその違いを楽しむのもまた通である。

●昔ながらの木造日本家屋で風流も楽しめる

外観からもわかるように昔ながら風情のある店舗。

今風におしゃれな感じはないが、どことなく懐かしさを感じさせる。

店内も、時代を感じさせる造りとなっており、

そこで食べるこだわりの蕎麦は時の流れを忘れさせる贅沢な時間である。

お蕎麦を食べる前にお酒を嗜むお客も多く、

てんぷらや鈴廣のかまぼこを使用した板わさといった酒の肴も多く用意している。

《店舗情報》

室町砂場  赤阪店

港区赤坂 6-3-5

(地下鉄千代田線 赤坂駅 6番出口 徒歩2分)

03-3583-7670

HP:https://www.muromachi-sunaba.co.jp/