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認知症の親と共有名義のマンション売却について教えて下さい
(1年前の記事です) 掲載日:2024/03/23
父親の認知症が進み母と私だけでは何とも介護できる状態ではなく、昨年末施設に入所させました。
実家には母が一人で住んでいます。現在、私たち家族は母と別々のマンションに住んでいますが、兄も私も実家から離れ今となっては自宅マンションも必要ではない状態です。母も高齢の為、痴呆も徐々に進んでいる感じがしています。そういう考えもあり、この際マンションを売却しようかと考えています。
父の同意が必要なのは重々承知ですが、認知症の為、同意が得られません。こういう場合、裁判所認定の成年後見人制度を利用することは解っているのですが、結構手間がかかると聞きます。果たしてこの場合、後見人を立てればマンションの売却が可能なのでしょうか?どれ位時間が掛かるのでしょうか?
売却が法的に困難であれば、後見人手続きをとらず、現状維持でいくしかないと思いますが、どこに相談すればいいか分からず困っています。
※ 相談者のプライバシーに配慮し、実際の質問内容を一部改変して掲載している場合がございます。ご容赦ください。

私がお答えします。
仰るとおり、認知症が進み意思表示が難しい人がご名義人となっている不動産を売却するためには、家庭裁判所に成年後見の申立てを行い、成年後見人を選任してもらう必要がございます。
まず初めに、申立てを専門職が行うか、ご本人様が行うかによってもスピード感が異なります。申立てのための書類収集におよそ1か月程度時間がかかることが見込まれますが、登記されていないことの証明書や、戸籍、固定資産評価証明書など、普段取得し慣れていらっしゃらない方の場合には、収集自体に2か月くらいかかってしまう可能性はあります。
次に、申立てから成年後見人が選ばれるまで、裁判所次第ですが大体1~2か月くらい時間がかかります。
後見人が選任されて審判が確定するまでに2週間、そこから裁判所が法務局に後見の登記の嘱託をして登記されるまでにおよそ2週間と、なんだかんだ選任された後も手続きがありすぐには売買できません。
後見の登記がされたら、次は家庭裁判所に対して居住用不動産処分許可の申立てを行います。
申立てから許可が下りるまでに裁判所次第ですが大体1か月くらい時間がかかります。
最終的に許可が下りたら、売買の残金決済をするという流れになります。
以上より、全体の手続きはおよそ4か月~半年くらいかかることを想定していただければと思います。
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