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寄与分とはどういう事でしょうか?
(1年前の記事です) 掲載日:2023/11/23
半年ほど前に父が亡くなり、兄弟で遺産分割の協議をしていますが、兄から自分には「寄与分(きよぶん)」があるから自分の相続する財産は私よりも多くなるはずだと言ってきています。
「寄与分」というのはどういうことでしょうか。また、具体的にはどのように計算するのでしょうか?
※ 相談者のプライバシーに配慮し、実際の質問内容を一部改変して掲載している場合がございます。ご容赦ください。

私がお答えします。
共同相続人のうちで、被相続人(故人)の事業を手伝っていたり、あるいは被相続人(故人)に対して財産的な援助や、療養看護その他の方法により、被相続人(故人)の財産の維持または増加について、特別の寄与をした人がいるときは、その人の法定相続分にその寄与した分を上乗せします。
これを寄与分といいます。
計算方法としては、遺産から寄与分を控除して、みなし遺産を算出し、これを法定相続分に従って分配した後に、寄与分を上乗せします。
なお、寄与分請求権者は、相続人に限定されますので、例えば、内縁の妻は寄与分の請求は出来ません。
例:Xの遺産が現金9000万円、相続人としてY、A及びBがいる場合、AがXの生前、Xの事業を手伝っており、Xの資産形成に1000万円分の貢献をしているとした場合
(計算式)
みなし遺産・・9000万円(遺産)-1000万円(寄与分)=8000万円
Y・・8000万円×2分の1=4000万円
A・・8000万円×4分の1+1000万円(寄与分)=3000万円
B・・8000万円×4分の1=2000万円
したがって、それぞれの具体的相続分は、
Y4000万円、A3000万円、B2000万円となります。