ひとめぐり「書家 石川青邱さん」(令和7年5月15日号)
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更新日:2025年5月13日
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ひとめぐり「書家 石川青邱さん」(令和7年5月15日号)
ひとめぐりは、目黒区で活躍するかたにスポットを当てて紹介する、めぐろ区報の連載記事です。
令和7年5月15日号 vol.45
書家 石川青邱さん(55歳)
プロフィール
石川青邱さん
自由が丘生まれ。本名・石川圭一。大学卒業後、会社勤務を経て、35歳で書家として独立。日展準会員、読売書法会常任理事などを務める。自由が丘で、書道教室「書道研究尚美社」を主宰
感受性豊かな子どもたちに、書の展覧会を通して、何かを感じる体験をしてほしいです
文字を絵や図形として捉えるような子ども時代
今年2月に、きらびやかで美しい様を意味する「彪如(ひょうじょ)」と書かれた書道作品が区に寄贈されました。日本最大の総合美術展覧会、日展で狭き門である特選を2度受賞し、現在第一線で活躍する書家の石川青邱さんによるものです。
石川さんは緑ヶ丘小学校出身で、近所の書道教室に通ったことが書家になるきっかけだったそう。「通い始めてすぐに、筆ならではの独特なタッチに惹かれました。もともと絵を描くことが大好きで、文字が人の顔や動物の形に見え、絵や図形として捉えるような感覚がありました」と、当時から書への感性が芽生えていたことをうかがわせます。
その後、中学・高校時代に習った書道の先生の影響もあり「実家のカメラ店を継ぐと思っていた両親の反対を押し切って、書道で知られる大東文化大学文学部中国文学科へ進学しました」。
総合庁舎本館2階と別館2階をつなぐ渡り廊下に飾られています
知識を得ることで創作の引き出しが増える
大学に入学すると、石川さんの本格的な書家への挑戦が始まります。「入学して驚いたのが、学部の大半の学生の目的が書道を学ぶことでした。書道部に入部すると部員が250人もいて、みんな腕に覚えのある者ばかり。ここで抜きん出るには腕を磨くだけではなく、書にまつわるさまざまな知識を習得しなくてはいけないと思いました」。
石川さんは古書店巡りにも精を出し、創作のために書の歴史や文化を追究していきます。「大学時代の切磋琢磨(せっさたくま)する環境は、その後の人生に大きく役立ったと思います」。卒業後、墨汁を扱う会社へ入社し、勤めながら作品制作をする二刀流を経験します。
書家の登竜門である日展の特選を2度受賞
28歳で日展に初入選後、書に専念するため35歳で会社を退職し、特選の獲得を目指します。念願の受賞を果たしたのは、50歳の時でした。「当初から特選を2回取ることで、書家としての地位を盤石にしたいと考えていました」。その言葉からもうかがえる意志の強さで、2度目の受賞は初受賞から3年後という早さで訪れます。その2度目の受賞作が、区に寄贈された作品です。
石川さんは、「書道は大きな意味で、文字を扱うアートだと考えています。私が子どもの頃に感じた、文字が絵のように見えて面白い、という感覚を一人でも多くの子どもに知ってほしい。そのためにもまずは、子どもたちが書に触れる機会を増やしたいです。手習い、つまり書くことも大切ですが、目で見て楽しむこと、目習いも重要です。そうしないと、書が面白いと気付くことすらありませんから」と語ってくれました。
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