10月29日。アンソロピック社CEOダリオ・アモディ氏が初来日し、デジタル社会推進本部にて講演いただきました。また午後には高市早苗総理と面会し、日本AIセーフティインスティチュートとの間で協力の覚書を締結するなど多くの成果がありました。

ダリオ氏と初めて会ったのは2年前の夏。まだスタートアップの雰囲気が漂うサンフランシスコのオフィスで、AGI(汎用人工知能)のもたらす未来像について意見を交わしました。この日の会合でも、同社の哲学として「信頼と責任」に根ざした、安全性の高いAIの提供に注力していることを強調。具体的には、これまでブラックボックスとされてきたAIの推論プロセスを解明するMechanistic Interpretability(機械論的解釈可能性)に関する技術開発を率先してきたこと。AIが人間に理解できない独自言語を開発しないようトレーニングするChain of thought(思考連鎖)と呼ばれるプロセスへの取り組み。そして著作権や中毒性などの問題の多いマルチモーダルなアウトプットへの慎重姿勢などを紹介頂きました。

アジア初の拠点に日本を選んだ理由として、Anthropicのミッションと日本社会の高い親和性を指摘。現在デジタル庁の業務でも同社のSonnet4.5がコーディングなど多方面で積極活用されています。AGIとは「a country of geniuses in a datacenter(何百万人の天才たちがデータセンター内で協働しているような状態)」と語るダリオ氏。AGI(汎用人工知能)への進化が着実に進む中、価値を「創造し共有する」という姿勢で、日本との長期的な関係深化に強い期待を表明しました。

平井本部長からは、近日中にAI・web3に関する小委員会の立ち上げが発表され、私も事務局長を拝命する運びとなりました。引き続き日本のテクノロジーの進化と国家戦略の策定・遂行に取り組んでまいります。

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219 いいね! ('25/11/14 12:03 時点)