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一粒万倍(いちりゅうまんばい)とは、

一粒の籾が万倍にも実る稲穂になる

という意味。

何事を始めるにも良い日ともされ、

仕事始め、開店、出店、お金を出すことに

吉であるとされる。

一粒のヒントやアイデアが

あなたの運を万倍にする。

ビジネス評論家石塚 毅の

ビジネス系開運コラム。

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コロナショックは、ビジネス戦略やビジネス

モデルを大きく変える、というのはこのコラム

でもよく言ってきたことですが、

具体的には「引き算発想」が必要なのかもしれ

ないな、と。


従来はビジネスを足し算で組み立てて掛け算で

成長させる、ということが一般的でしたが

コロナと共生していくためにはすべての

ビジネス要素を引き算で考えなおしてみること

が求められるかも、と強く思った経済記事が

あります。

今週はそれをみなさんにご紹介させてください。


それは、日経ビジネス2020/8/17号

「コロナに勝つ工場」の編集長インタビュー

「出店コストを半減する」(P70~73)

サイゼリヤ  社長 

堀埜 一成(ほりの いっせい)氏  です。

https://business.nikkei.com/atcl/NBD/19/mokuji/00082/


堀埜社長は京大大学院(農学)修了

新卒で味の素に入社。医薬品アミノ酸の製造・

改良などで活躍されたのち、

2000年にサイゼリヤに入社。

2009年4月から社長に就任されています。


地味ながらも、「これから」を考える上で

ヒントが満載のインタビュー記事で、

目からウロコものです。

以下、ダイジェストで共有させてください。


全メニューの税込み価格を

50円か100円の単位とし、

〇十〇円といった端数をなくしました。

客単価にもいい影響は出ていますが、

店で持つ硬貨の量が減ったのが大きい。

6割減まで確認できていますが、

8割は減るでしょう。

毎日釣り銭を運んでもらう作業が要らなく

なり、固定費を減らせます。


できるだけブルーオーシャンで戦う。

ファイアウォールをつくって「こっちに入ってくるな」と。


ミラノドリアのために豪州に工場を造って

牛乳濃縮の機械に3億円かけました。

まねできないでしょう。


接客って簡単には教えられないものなんです。

だからパートさん2500人をできるだけ

正社員にしようとしています。

そして店の顔になってほしい。


社員の相互コミュニケーションのためにWifiを入れた。

お金がかかりますが、どこかの投資を

減らします。足し算したら引き算。

引き算ってみんな苦手ですが(笑)


今まで通りにやらなければいいんですよ。

固定観念を外せばいいんです。


コストを抑えるのにみんな店を小さくするでしょ。

これ絶対ドボンするんです。


飲食店では排水から油を取り除く装置が

必要で、調理場の床を高くするなど色々と

制約があるのですが、その除去方法を変え

ることで調理場のレイアウトを全く変えら

れて業務も見直せる。

世界が変わるイメージです。


社長就任時に「理念以外は会社のやり方を

全部変えます」と宣言したんです。

そうしたら会長が大喜び。

いまも私のやりたいことができるように

陰でサポートしてくれます。



飲食業は今後、出店戦略、オペレーションの

仕組み、席数、オペレーションコストの

いずれをも半減させなくてはなりません。

いち早くこれに取り組み、ノウハウ化、

勝利の方程式が完成したら、また成長する。

なんってったってコストが半減したのだから。


この記事、3回読みましたが読了後、

静かなインパクトに襲われました。

サイゼリヤって恐ろしい会社だな、と。




石塚 毅(いしづか たけし)

1970年生まれ。ビジネス評論家。担当実績7,000社、相談実績15,000人に

裏付けされた企業経営・ビジネスモデル・社風・人材の情報通で博覧強記。

話がおもしろい!と評判。

ご質問・ご相談などはこちらまで。

ishizuka@keiei-c.jp