
弁護士を目指した原点を教えてください
「保育園の頃から、周囲には『将来は弁護士になる』と言っていましたね。小学校の卒業アルバムにも、はっきりそう書いています」
幼少期から際立っていたのが、その知的好奇心と学習能力。6歳で公文式の富山県1位を獲得し、学習内容はすでに14歳レベルに到達していた。
「大人たちからは自然と『医者か弁護士だろう』と言われていました。その中で、“人を助ける仕事”として一番しっくりきたのが弁護士だったんです」
もう一つ、強い動機となったのが「家族を守りたい」という思いだ。
漫画『こちら葛飾区亀有公園前派出所』に登場する、両津勘吉の弟が弁護士である設定に影響を受け、「兄が家業を継ぐ中で、万が一何かあった時に、自分が守れる存在でいたい」と考えるようになったという。
独立・開業にあたり、森下という立地を選ばれた理由は?
西明先生が森下で事務所を開業したのは4年前。その背景には、明確な価値観と冷静なマーケティング視点があった。
「経営者の父がとにかく忙しい姿を見て育ったので、自分は子どもとの時間を大切にしたいという思いが強かったんです」
その結果たどり着いたのが、職住近接という働き方。自宅から徒歩10分圏内という条件を満たす場所が、森下だった。
さらに周辺を徹底的に調べてみると、意外な事実が浮かび上がる。
「森下周辺には、競合となる法律事務所がほぼなかった。都営新宿線沿線で見ても、本八幡まで弁護士がほとんどいない。“オセロ的に全部取れる”エリアだと気づいたんです」
ワークライフバランスと市場戦略。その両立が、森下開業の決定打となった。
事務所の専門性と強みについて教えてください
現在の事務所体制は、弁護士2名・従業員4名。
西明先生自身は企業法務を中心に、もう一人の弁護士は離婚・相続といった個人法務を得意とし、地域密着型ながら幅広い案件に対応できる体制を整えている。
中でも際立つのが、不動産分野への特化だ。
「新卒で六本木、その後は虎ノ門の事務所で、不動産案件を数多く経験しました。東京で独立するにあたり、自分のキャリアを棚卸ししたとき、“ここで勝負しよう”と決めたのが不動産です」
特徴的なのは、不動産の“価値向上”に法務から切り込む点。
賃料増額交渉、立退き交渉、サブリース契約の解除など、修繕や税務とは異なるアプローチで資産価値を高める。
「これは、弁護士だからこそ提供できる価値だと思っています」

日々の業務で、特に大切にしていることは?
一つ目は、圧倒的なスピード感。
外資系クライアント対応で鍛えられた「3時間以内レス」が、今も基準になっている。
「選ばれ続けるには、質の高い仕事を“即レス”で返すことが欠かせません」
二つ目は、法律論にとどまらないビジネス視点のホスピタリティ。
商売人の家系で育った影響もあり、クライアントの事業目的を踏まえた提案を常に意識している。
「“痒いところに手が届く”と言ってもらえるのが、一番うれしいですね」
そして三つ目が、自己分析とメタ思考。
数多くのインタビュー経験も活かしながら、常に自分を客観視し、強みや立ち位置を言語化することを習慣にしている。
仕事のやりがいは、どこに感じていますか?
経営者としての側面では、「ヒリヒリする局面」すら楽しめるという。
「経営のダイナミズムそのものが、ワクワクするんです」
一方、弁護士としての最大の喜びは、依頼者の表情が変わる瞬間。
「証拠を積み上げて、難しい案件を解決したとき、依頼者の肩の荷が下りて笑顔になる。その瞬間に立ち会えることに、いつも感謝しています」
今後の展望を教えてください
短期的には、今年中に弁護士と他士業の専門家を各1名ずつ増員する予定。
中期目標としては、45歳で多分野の士業が集まる自社ビルの建設を掲げる。
そして長期的な構想は、
「士業のららぽーとをつくりたいんです」
不動産分野で土台を固めるランチェスター戦略のもと、段階的に部門を拡張し、ワンストップで相談できる士業集積拠点を目指している。

インタビュー後記
幼少期から一貫して描いてきた「弁護士」という将来像を、戦略と行動で現実のものにしてきた西明先生。印象的だったのは、理想論に留まらず、立地選定や専門分野の絞り込みまでを冷静に設計している点だ。
一方で、語り口は終始柔らかく、依頼者の事業や人生に深く踏み込もうとする姿勢からは、数字や効率だけでは測れない“人への関心”が伝わってきた。
不動産という軸を起点に、「士業のららぽーと」という構想へと広がっていくビジョンは、個人事務所の枠を超えた挑戦でもある。
森下という街で、これからどんな相談が集まり、どんな物語が生まれていくのか。今後の展開が楽しみなインタビューだった。
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