まちの仕事人インタビュー
海外で活躍できるリーダーを育成する
株式会社PhoenixConsulting 取締役 スティーブン コートニー (スティーブン コートニー) さん インタビュー

1966年、アメリカ・ジョージア州生まれ。1989年に来日。英会話スクール講師、宅急便のセールスドライバー、タクシー運転手、テレビリポーター、英会話スクール経営者、ハワイの現地コーディネーターなどを経て、2018年に株式会社PhoenixConsulting へ参画。EQアセッターとして活動中。日本語に加えて、広島弁も堪能。

グローバルリーダーのEQを高める

この仕事を始められたきっかけを教えてください。

1989年に来日し、山口県で『英会話スクール』の講師として働き始めました。しかし、この仕事はキャリアを積み上げていくことが難しいと感じ、1994年に広島県で『佐川急便』のセールスドライバーに転職。英語を絡めながら働く中で、地元のタクシー会社『つばめ交通』の社長から「タクシー乗ったら(運転したら)ええじゃん!」と声を掛けられ、日本初の白人タクシードライバーになりました。当時はかなり話題になり、1年間ほどは毎月メディアに出ていましたね。地元のテレビCMにも起用されました。その後、広島ホームテレビのリポーターへ転職。世界的に人気の旅行ガイドブックLonelyPlanetでも取り上げられ、海外からも連絡が来るようになりました。その後、英語で広島市内を観光案内できる人を育てるべく、『ENGLISH・WOW』を起業2歳~80歳まで、幅広い人に英語を教えていました。2008年、自分の三人の子どもたちが英語を話せないことに危機感を覚え、生活環境を変えるべくハワイへ移住。現地で、日本から観光や研修に来る人をサポートするコーディネーターの仕事を始めました。それがきっかけで、大阪の企業が行った2ヶ月間の「インテンシブ・イングリッシュ研修」と関わるようになり、研修のカリキュラムの一部として、グローバル・リーダーシップ研修を任されるようになりました。心の知能指数と言われる“EQ”について学んでいたため「自分や相手の感情を知り、自分の感情をコントロールしながら、チームを引っ張る」リーダーシップ研修を行いました。そもそも、EQを絡めた研修をする人が少ないうえ、グローバルなマインドや視点から研修する人もすくないため、かなりユニークな研修ですね。その後、現在のPhoenixConsultingに声をかけられ、2018年から参画することになりました。


仕事の特徴はどのような点にありますか?

グローバルリーダー人材の育成をサポートするため『語学教育』『リーダーシップマネジメント研修』を行っています。人口が減少している中、ビジネスは益々グローバル化が進んでいます。製品やサービスの輸出だけで稼げていた時代は終わり、現在は輸入により国内で利益を上げる会社も増えていますよね。海外との競争力を高め、ビジネスを推進させるグローバルな視野を持つ人材の育成が求められています。『語学研修』では、単語や文法といったビジネス英会話だけでなく、海外で相手との信頼関係を築き、良好なイメージを与えるための“非言語的コミュニケーション”も指導しています。プレゼンテーション、ネゴシエーション、ファシリテーション、それぞれに、海外の人の気持ちを考えた、効果的な身振り手振りがあり、それが使えるだけでかなり盛り上がりますよ。『リーダーシップマネジメント研修』は、最近のトレンドに合わせた研修です。一人ひとりの個性を尊重した、ダイバーシティマネジメントについて教えています。一方で、多様性だけでは組織のパフォーマンスが落ちるという研究結果もでています。相手の価値観を尊重し、認めて、受け入れつつ、会社の目指すベクトルに、メンバーの目線を合わせていく指導が大切になります。やはりここでも根底は『EQ』ですね。


伝えようとしていることを、相手に伝える力

どんなお客さまが多いですか?

海外に拠点のある大企業や、海外とやり取りのある外資系企業からのご相談が多いですね。最近は、海外とのやり取りがない会社からも「グローバルな視点を持つリーダーを育てたい」という意向から、ご相談が増えています。研修は1回のスポットで行うこともあれば、4年間などの長期スパンで組まれているものもありますね。全世界の拠点で働く人が、オンラインで参加する研修も行いました。グローバルと一言でいっても、地域によって対応は変わります。それぞれの国の文化やリーダーシップの考え方に合わせた指導を行っています。特に海外赴任する人は、一般的に、現地に行ってしまうと研修を受ける機会がほとんどありません。日本にいるうちに学んでおかないと、海外に出てから苦労されがちです。研修は、企業に合わせて内容をカスタマイズしています。柔軟に対応していますので、お気軽にご相談ください


仕事をするうえで心掛けていることを教えてください。

“自信をもってコミュニケーションできる人”を一人でも多く増やすことを、心掛けています。多くの日本人は、大学まで英語を学んでいるにも関わらず、英語でコミュニケーションを取ることを苦手としています。リスクを恐れる国民性も分かりますが、それでは勿体ない。完璧を目指す必要はないのです。大切なのは、「伝えようとしている」ことを、相手に伝える力。相手のことを尊重していれば、知っている単語を並べて、身振り手振りで補足するだけで、伝えることができます。また、アクティブ・リスニングも大切にしています。日本では“傾聴”と訳されることが多いですが、私のイメージはもっと積極的。相手が話していることに対して、自分の頭の中で整理し、「いつ」「誰が」「何を」「どこで」「どうしている」といったように、他の人に説明できるくらいまで分解・理解しながら話を聞くというスタイルです。これができるようになると、リーダーシップをさらに発揮しやすくなりますね。私は日本人の持つライフ・ロング・ラーニングの考え方も大好きです。いわゆる『道』を極める文化ですね。これからも腕を磨き、常に自分の道を進み続けたいと考えています。


インタビュー後記

「グローバル(英会話)」×「マネジメント」×「EQ」。それぞれをバラバラに学ぶのであれば、いくらでも探せそうだが、まとめて学ぶとなると、他に類を見ない。しかも、それらは単なる知識でなく、全てスティーブンさんの貴重な経験によるもの。まさに、生きた学びを得られる研修だ。

お問い合わせ

名前:株式会社PhoenixConsulting

住所:東京都新宿区西新宿7-5-25西新宿プライムスクエア9F

電話:03-5962-3511

公式HP:http://www.phoenix-consulting.com

*ご相談の際は、『区民ニュース』の記事を読みました。とお伝えください