先週、こちらのブログにて女優の島田陽子さんがお亡くなりになった事について、書かせていただきました。スポーツ紙やネットニュースでは近親者のみでお葬式を執り行ったと書かれていましたので、葬儀は終わったものだと思ってブログを書きました。

 

しかし、島田さんはまだ火葬されていないという報道に変わったのです。

 

報道によりますと、先月25日に亡くなった、女優の島田陽子さんの遺体が区で保管されていることが明らかになったそうです。当初、葬儀は近親者のみで執り行われたとスポーツ紙で報じられましたが、実は葬儀どころか火葬できていない事を元マネージャーさんがマスコミに明かしたという事です。

 

何故、このような事になったかと言うと、島田さんはお亡くなりになった後に、遺体の引き取り手がなく、病院は生前居住していた渋谷区に連絡したようです。そして、区が管理する施設に安置されたままだというのです。

 

島田さんは19年に離婚いたしました。島田さんのご両親はすでにご逝去されており、2人の妹さんとは疎遠状態にあるそうです。元マネージャーの福島氏が渋谷区役所で島田さんのご遺体は区がお預かりしていることを確認したものの、引き渡しは3親等以内のご親族に限られると言われたそうです。

 

また、区からは「ドライアイス代が1日6000円かかっています。遺体を引き取られる方に請求することになります」と言われたそうです。区が管理する施設とやらはどんなものなのかはわかりませんが、おそらく、冷蔵機能がある場所ではないと予想しており、今年は猛暑と言われている最中にドライアイスでは少し不安な気もします。

 

島田さんのような3親等以内のご親族にご遺体の引き取り手が無い方の対応としては、区としては規則を守って対応しているので、これが限界なのかもしれませんが、寂しい限りですよね。これが「おひとり様」の実情であると知っていただきたいと思います。

 

島田さんのご遺体は、実の妹さんの委任状があれば、元マネージャーが引き取りもできるのですが、現状、実の妹さんからのアクションは無く、歯がゆい状態だそうです。渋谷区の規則によると「引取者のないご遺体は、行旅死亡人に準じて取り扱うものとする」とあり、このままだと「身元不詳」と同じ扱いになり、一定期間ご安置された後に、区で火葬し、無縁仏として合葬されることになるそうです。

 

実は、島田さんは生前に埼玉県内にお墓も購入済みで終活の準備は整っているというのです。この報道も締めくくりには、「準備したお墓で落ち着ける日は来るのか。」となっており、終活の準備をしていたのに、自分のご遺骨が納められないなんて本当に皮肉なお話しになってしまっております。

 

このような規則に従って対応していくのだと思いますが、生涯独身の方や、離別してしまった方、子どものいない人は、亡くなった際の引き取り手がいないという可能性が非常に高くなります。3親等以内では従兄弟・従姉妹でもダメという事になります。

 

もしも、「おひとり様」になってしまう可能性がある方は、パートナーを見つけるか、制度を見直すように働きかけるか、死後の手続きを委託するなどをしないと、自分でお求めになられたお墓に納まる事ができない世の中になっているという事実を理解して欲しいのです。

 

前回と同じような締めくくりになってしまいますが、ご結婚していない方や、離婚、死別したという方は、将来が不安な方は多いと思われます。誰にも迷惑をかけたくないと思っているのに、思っているだけになってしまい何も手続きしていないって方、結構多いのです。

 

やはり、ご不安がある方は、今、年齢がいくつであってもまずは専門家に相談をすることをお勧めいたします。もしも、相談していたならば、違った未来と出会っていたかもしれないと思われる「おひとり様」を葬儀の現場で何度も見てきました。だから、1日も早く「自分の事」考えて欲しいのです。

 

 

 

こちらのブログをご覧のお葬式のご相談をご希望されている方は、メールにてお葬式の事前相談を実施しております。あなたがもしもの時に慌てない為にも是非ご活用ください。d.kobayashi.sousaidr1@gmail.com (1級葬祭ディレクター  小林大悟  相談メール)

 


著:一級葬祭ディレクター 小林大悟