ここのところニュースで著名人の訃報が続いている。


年齢的に病気ではないだろうなぁと思っていると、どうやら自殺であると。

テレビの中でしか知らない著名人であっても悲しく胸が締め付けられるニュースだ。

葬儀に携わって約20年、病気で亡くなった方、事故で亡くなった方、自殺で亡くなった方と様々な最期を見てきました。

『人間が亡くなる』ということは周囲の人に与える影響は凄まじい。

特に自殺は発見した家族、知人や友人に深い心の傷を与えます。



私は何度も自殺現場にご遺体の収容に行きました。

まだ首を吊っているそのままの姿で対面したことも何度もありますし、重力で首が切断してしまったりしていたこともあります。

昔から首吊りは「身体中の穴という穴から体液などが漏れる」という都市伝説があるので、おむつを履いて自殺した方も見たことがあります。

線路に寝転がりバラバラになってしまった方も、切腹した方も見てきました。

亡くなった後すぐに起きる現実として、警察署の霊安室で裸にされ、身体の隅々まで観察され、監察医務院では解剖されて全身を切り刻まれる。

「死んだ後のことは分からないから」と言う方もいますが、普段から亡くなった方と接する我々葬儀従事者でも精神的や体力的に弱っている時は気をつけていないと、そっちに気持ちを持っていかれそうになるくらいです。



昨日ニュースで今年の8月の自殺者数が昨年と比べ16%も上がっていて、女性の割合が増えていると言っていました。

この新型コロナ禍では外出を自粛しストレスを溜めてしまったり、仕事を失い収入がなくなった、育児ストレスなど原因は色々あると思います。

情報番組では何が原因なのか推測で話し合っていたりしますが、本人にしか分かりません。

かくいう私も先日知人が自殺というショッキングなことがありました。

ご家族も原因が何か分からずに相当ショックを受けていました。

家族葬ということで参列することが叶わず、後日ご自宅にてお参りをさせていただきました。

祭壇には私の知っている生前の知人の写真が・・・。

私と同年代、現役で仕事をしている故人には家族葬でなければ数多くの方が参列したことでしょう。

直接お別れとお礼を申し上げる機会がなく、現実的に受け止めることが難しく、悲しい気持ちと同時に、家族を、子供を残して自殺してしまった知人に怒りを覚える私もおりました。



テレビで撮影が全部終わっていないのに亡くなった俳優さんのドラマの最終回を拝見しました。

突然に亡くなってしまったことで最終回は出掛けて帰って来ず、回想シーンのみの出演に変更したのでしょう。

本当に自殺して楽になれるのでしょうか?

人間はひとに支えられながら生きています。間違いなくひとりではないのです。

迷惑かけてもいいじゃないですか!

自殺したあとは生きている時の迷惑とは比じゃないくらい周りのひとを苦しめます。

私の知人家族は「大黒柱が亡くなって、この先どうやって生きていけばいいのか」と言っていました。収入だけの話ではなく、精神的な支えも含めておっしゃったのでしょう。

今回、『自殺』という内容で書かせていただいたのは一人でも多く死後の現実を知っていただき、救えるのであれば救いたい。

そんな気持ちで書かせていただきました。

直接的な表現もあり気分を害された方もいらっしゃるかと思いましたが、ご了承ください。



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著:一級葬祭ディレクター 小林大悟


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