まちの仕事人インタビュー
毎日を楽しくできる【あなたづくり】の専門家 
今井 規策 (いまい のりかず) さん インタビュー

1975年(昭和50年)生まれ  埼玉県出身

関西大学卒業(お笑い好きが高じて本場関西へ)

卒業後東京にてニート生活。パチスロの社員やホテルのフロント業務、居酒屋の社員等、職を転々とする。

29歳時にピースボートで世界一周を経験

船で出会った演出家の方との出会いからその後15年間役者として活動

2020年4月からコーチング事業を開始

大変異色の経歴をお持ちですね

そうなんです。大学を選択する時点で、ドリフターズやひょうきん族などのお笑いが大好きで、本場関西に行ってみたいと思っちゃったんです。関西大学の社会学部マスコミュニケーション学科に行きました。また、その大学の講義があまりにも面白かったんですねぇ。映画論とか音楽社会論、広告、中には松田聖子論とかあったんですよ(笑)とにかく授業に熱中していましたね。今の時代であれば多様性って受け入れなきゃいけないねという風潮になってますけど、当時で言ったらそんな考えはただの異端児ですからね。私はそんな授業ばかりに情熱を燃やしてましたから、人とは違う価値観を持っていたので、就職面接は全滅でした。その後しばらくニート生活を送ることになります。浅草周辺に住んでいたんですが、朝からお酒を飲んで暇をつぶしてました(笑)


ー今からでは想像もできない御経験をされていたのですね(笑)ちなみに社会復帰できたきっかけは何だったんでしょうか?ー


当時劇場のフランス座というのがありまして、ビートたけしさんの影響もあってエレベーターボーイになりたかったんです。でももうその頃には浅草の劇場も一昔前の活気は失われていました。それもあってやることもなくふらふらしていたんですけどね、ある日入った劇場で実は衝撃を受けまして。お客さんもまばらな劇場で、一生懸命に活動している人々の姿が私にはとてもまぶしく映りました。ここにはこれだけ日々の生活に向き合って働き暮らしている人がいる中で、自分は何をしているんだろうと。甘い自分を見つめ直すきっかけは憧れた浅草の劇場で必死に生きている人の生き様だったんです。そこから一念発起しまして、まずはパチスロ店の社員として働きました。まぁしかし長続きしないもんで、20代の頃は結果的に職を転々とすることにはなりました。


ーその当時ご結婚されていたんですか?ー


はい。離婚しましたけれども(笑)実は当時の奥様に浮気されちゃいましてね。一時、妻の浮気相手と私たち夫婦の三人で同じ家に住んでいた時もありました(笑)


ーええ???そんなことあるんですか???ー


そんなことあるんですねぇ(笑)なんか行くところがないなんて言うもんで。お人好しなんでしょうかね(笑)ただ、そんなこともあって、30歳を間近に控えていたこともあり、これまでの人生から一旦一区切りつけたいなと、一生懸命頑張ってきた20代の自分にご褒美をと思ってピースボートの旅に出ることにしたわけです。


ーは、波乱万丈な20代だったんですね・・・ー


人から見ればそう映るんでしょうね。本人は割とあっけらかんとしてましたよ(笑)

船の旅って面白いんですよ。色々な国で様々な人種の方ともたくさん交流してきました。日本に住んでいれば日本の価値観に縛られて生きることになりますけどね、それぞれの国でそれぞれの価値観で生きている本当に多種多様な人々と交流するとこれまでの悩みなんかどうでもよくなっちゃった(笑)自分をありのままに表現して生きていいんだってその時思えたんですよね。ベトナムでは、ドリフの「エンヤ―コーラヤ」ってあるでしょ?その音源持ってたんでみんなの前で披露したんです。そしたら、現地の人が大盛り上がりになってしまって、それはもう楽しかったですね。一躍人気者になりました(笑)それぞれの国で価値観が違っても、面白いと感じる部分って案外同じなんだなって感じました。

そうそう、面白いもので、船の旅ってすごく閉鎖的な空間にずっといるわけでしょ?周りの人とどんどん仲良くなるんですよ。そこで舞台の演出をされている方と仲良くなりまして、「どう?やってみない?」って声をかけてもらったんです。


ー船の旅が今井さんの価値観や仕事まで変えてしまったんですね?ー


そうですね。その後15年役者をやることになります。




役者として第2の人生を歩むことになった今井さんですが、その当時はどのようなご経験をされてきたのでしょうか?

生活が厳しいことに変わりはなかったですよね。無名の役者って自分でお金を払って演技をするわけです。アルバイトをしながら役者を続けていました。でも役者業にはとことん向き合いましたよ。結構周りは若い子ばかりなんです。18歳の子に30歳の自分が負けてなるものかってそれは、歯を食いしばりながらやってました。演技の幅を広げるために、とにかく人間観察しました。飲食店で働いていた時に、お客様をよく観察していると、この人何か欲しているなぁって敏感に察知できるようになるんですよね。このちょっとした表情の変化や仕草を感じ取ったり、逆に表現できたりすることって演劇の世界ですごく役に立つんですよ。でも意識的にやろうとすると全然うまくいかない。自然体で発揮できることが重要なんですけど、これがまた難しい。ここにも固定概念というか、こうした方が良いだろう、こうあるべきだみたいな強すぎる軸みたいなものがあると、どこか不自然な演技になるんです。よく「ゾーンに入る」なんて表現しますけど、まさにあれで、頭で考えず、流れに身を任せて表現できる境地に達することが出来ると会心の演技が出来るんですね。


ーまさに極意ですねー


私は人生を通じて1度しかその感覚に達したことはありませんけど(笑)やはりすごい役者さんは、まさに憑依したかの如くそうしたものを操られていますよね。


ーなるほど深いですね。ちなみに舞台を中心に活動されてきたのですか?ー


そうですね。ただ割と幅広く活動していましたよ。一番大きなものだと、竹野内豊さん主演の『太平洋の奇跡  ーフォックスと呼ばれた男ー』に出演したりもしました。


ーえ!!私つい最近その映画見たばかりです!出演されていたんですか!?ー


名もない一兵士の役どころですけど、あれは非常にいい経験になりましたね。この写真なんですけど(記事内に掲載)


ーうわ、本当だ!かえってもう一度見返してみます!ー





オンラインでのコーチングの様子


様々なご経験を経られて、現在は第3のステージに突入されていらっしゃいますが、きっかけと活動内容を教えてください。

きっかけは病気です。十二指腸潰瘍で10キロ近く痩せまして。自分との対話なんて言ったら聞こえはいいですが、自分の生活と改めて向き合う時間が出来たことで、焦りと言いますか、何とも言いようのない気持ちになりました。このままでいいのだろうか。このまま進んでいった先に、どうなっていくのだろうという漠然とした不安に襲われたわけです。もういい年でしたし、どこか見て見ぬふりをしていた部分に直面してしまったんです。ただ何をすることがその答えにつながるのか全く分からなかった。怖かったですね。完全に人生の迷子です(笑)そこで、ふと思い立って【自分を見つめ直すコーチング】を受けたことが今につながっています。そこでの教えって、まさに私の紆余曲折の人生そのものだったんですよ。周りが決めた価値観って、現代社会において檻のようなものなんですよね。その檻の中にいても自分を見失うことなく自己成長をしていける人はそれでいいと思いますが、必ずしも誰しもがそうできるわけではありません。では、そうできなければその人は社会的にダメということなんでしょうか?決してそんなことはありません。本当は誰もがもっと自分を表現していいんです。自分の事をもっと好きでいていいんです。自分に出来ることから始めれば、そこが何事もスタートになるんです。ありのままの自分を受け入れていくことが人生を歩むということなんだと気付かされました。その日から、私は本当の意味で自由で、豊かな自分の人生をスタートすることが出来たと思っています。すべての人に、すべての経験に感謝することが出来ました。そんな想いを、私の同世代の人を中心にもっと感じてほしいと思い、この事業をスタートさせました。


ーそうだったんですね。これまで本当に様々な経験をされた今井さんだからこそ説得力のあるお言葉に感じます。

  まさにこれまでの人生が多様性に満ちているものであると思いますし、そこで感じたすべての事がコーチングにつながっているのでしょうねー


言語化していただけると嬉しいですね。まずはこれまでの常識を疑う。自分にとっての生きやすさというものは決して他人が決めることではありません。勿論、これまでの人生を否定するものではありません。社会的な地位を確立されている方もいるでしょう。家族を持ち、その責任を担っている方もいるでしょう。社会性も何もない自己ルールで我儘放題に生きていいということではありません。しかし、現代社会における強い固定概念の檻の中で、息苦しさを感じ、理想との大きな乖離から自分のことを好きになれない人は大勢いると思っています。そうした方々にお伝えしたいんです。「自分自身と対話してみましょう。自分自身をもっと喜ばせてあげてください。」私が歩んできた人生は、私自身納得し、とても誇りに思える豊かな人生であったと。そして過去の自分も今の自分も好きで、本当の意味での理想の自分であり続ける人生を歩んでいるのだと。見方を少し変えるだけでその人の人生はより豊かになります。その気付きを、コーチングを受けに来てくださる方とともに伴走しながら一緒に感じ取っていただきたい。それが私の目指す【あなたづくり】のコーチングです。是非一緒に豊かな人生を送るための【あなたづくり】をしてみませんか。


インタビュー後記

インタビュー冒頭から衝撃の連続でした。柔和な物腰からは想像もできない波乱万丈な人生を歩まれた今井さん。

ご経験談を伺うにつれ、とても感受性が豊かで、どんなことでも受け入れてくれる大海原のような器の大きさを感じました。

思わず笑みがこぼれるような驚きのご経験を語る中でも、つらかった、しんどかったというような負の表現が一言も出てこないことが印象的でした。

どんな経験もご自身の糧として、人間としての深みを自然体で表現される姿には、まさに大俳優の極意をつかまれたのかと感じずにはいられません。

日々の生活の中で自分を見失いがちな現代人ではありますが、そんな時だからこそ自分を見つめ直し、好きでいてあげることが必要なのかもしれません。

迷子の皆様、ここに素晴らしい人生の伴走者がおりますよ。

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今井規策

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