まちの仕事人インタビュー
SRHRという考えが当たり前の社会にしたい
一般社団法人SRHR pharmacy PROject 鈴木 怜那 (すずき れいな) さん インタビュー

出身地:滋賀県

学  歴:北陸大学薬学部卒業

趣  味:食べること、チョコレート

略  歴:薬局薬剤師勤務で11年目

どんなお仕事か教えて下さい

一般社団法人SRHR pharmacy PROjectを10月に立ち上げ、薬局の仕事とは別に地域活動や全国に向けてSRHRを広める活動を行っています。SRHRとはSexual Reproductive Health and Rightsの略称で、「自分のからだは自分のものであり、プライバシーが守られ、差別や強制、搾取、暴力を受けず、自己決定が尊重されることを当たり前にしよう」とする考え方です。勉強会や交流会を定期的に開催して、薬剤師がSRHRについて知り、自分に何ができるかを考える場を作っています。勉強会では、女性や思春期のヘルスケアに関することはもちろん、相談支援のための基本的な知識やコミュニケーションスキルなどの関連テーマについても学ぶ場になっています。同じ思いをもつ薬剤師同士のつながりも出来るので、薬剤師自身がエンパワメントされる場にもなっているんです。


この仕事を始めたきっかけは何ですか?

両親が薬剤師で、家が薬局だったんです。幼いころから薬剤師の仕事は身近に感じていて、自然と私も薬剤師を目指すようになりました。一般社団法人を立ち上げたのは、同年代に不妊治療や婦人科疾患の治療をしている人が増えてきたことがきっかけです。本来であれば早く気づけるはずなのに、情報がないせいで病気になってから気づく人が多くて。そうした疾患が早期発見できるように情報を広めたいという想いが私の原動力ですね。


普段は薬局で勤務しています


薬剤師として、伝えられることはもっとたくさんあると思っています

お仕事をする上で大切にしていることは何ですか?

SRHR(性と生殖の権利)という基本的人権の考え方を大切にしています。いろんな権利がある中で、SRHRは性と生殖に関する権利です。日本の社会はこの権利を基本的に侵害していると思っています。例えば、年頃の成人に対する「いつ結婚するの?」「なんで結婚しないの?」「子供はいつ作るの?」「二人目は?」…そんな質問は日常茶飯事ですよね。そして不要なアドバイスをする。外国ではプライバシーの侵害とされていることを、日本では日常会話として通用してしまう。自分自身で決めることなのだから、他人にとやかく言われることではないという当たり前の考えを広めたいんです。短時間で変えるのは難しいので、少しずつ浸透させていきたいと思っています。

どんなお客様相談が多いですか?

荒川区を拠点として、主に若者や女性を対象に地域住民が利用できるユースフレンドリーファーマシー相談室を行っています。20~40代の女性が多いですね。からだの成長発達や月経、性感染症予防、妊娠、更年期、DVなどの情報提供を行い、地域住民に寄り添う相談支援を行っています。

今後、お仕事を通じてどんな事をしていきたいですか?

SRHRという考えが当たり前の社会にしたいです。興味を持ち、活動を共にして広めてくれる人が増えたら嬉しいです。大きな行動じゃなくてもいいので、ちょっとSNSで発言してみたり、自分や家族のことを考えてみたり。小さなことからでいいので、SRHRという考えがあることを知って、ゆくゆくは自分でなにが出来るか考え、応援しあっていけたら。1人だと難しいことも、みんなで協力すれば実現できるかもしれません。興味をもった人がどんどん参加してくれるといいな。


地元の癒しスポット、お好きな場所を教えて下さい

荒川公園(荒川区役所)子どもたちといって走り回ります。

行きつけのグルメを教えて頂けますか?

モグラ(カレー)、ヨコヨコバーガー

地域での活動をしていますか?

ユースフレンドリーファーマシー相談室というユース世代に向けたヘルスケア相談室を月に1回やっています。

地元の皆様にアピールしたいお仕事に対するこだわり、想いを教えて下さい。

薬剤師は棚から薬を取って渡してるだけ??そんなことないです、予防や公衆衛生に関わる仕事、薬が症状とあっているか、用法用量があっている華、併用薬との飲み合わせはないかなどもあります。お薬のこと、健康のことなんでも相談してください。

インタビュー後記

少し前のインタビューで知り合った薬剤師さんから、「ぜひインタビューしてもらいたい薬剤師さんがいるよ」とご紹介頂きました。SRHR、性教育について広めていくパワフルな人だからと案内頂きましたが、最初は正直ピンと来ませんでした。いざお会いしてみると、パワフルとはかけ離れた、静かな薬剤師さんだと感じました。活動内容をインタビューさせていただきましたが、女性のことだからということもあるのか、世の中に知らされていないことがどの分野にもあることに気付かされます。こんなに頑張っている方がいると思うと、私も日々勉強しなければなりませんね。ですね。私のお仕事上、女性や健康についての悩みをよく伺いますので、今後怜那さんにも相談しに行くでしょう。

お問い合わせ

一般社団法人SRHR pharmacy PROject

連絡先:03−5604−9995(薬局電話)

メールアドレス:pharmacist.reina@gmail.com

web site:https://srhrpharmacyproject.org/

facebook:https://www.facebook.com/reina.yokoyama

instagram:https://instagram.com/s____arakawa

*お電話相談の際、『区民ニュース』の記事を読みました。とお伝え下さい。