まちの仕事人インタビュー
日本を代表し世界へ挑む役者の軌跡
役者 内田 義政 (うちだ よしまさ) さん インタビュー


神奈川県藤沢市出身。1997年5月6日生まれ。

幼少期から野球一筋で、小学1年生から大学まで選手として活躍。高校時代は日大藤沢高校で厳しい練習に耐え抜き、大学では仲間を支える立場も経験。しかし「やはり自分はプレイヤーでありたい」という思いが強まる。大学卒業後は信用金庫に就職しながら役者を志し、在職中にアクションや英語を学ぶ。退職後は演技学校アップスアカデミーで3年間本格的に芝居を学び卒業時には宙子賞を受賞。現在は俳優としてテレビや映画に出演し、海外での活躍も視野に活動を続けている。

熱を灯した瞬間、役者への道が開けた

役者を志したきっかけを教えてください。

大学時代、長年打ち込んできた野球人生は、突然の怪我によって大きく方向を変えることになりました。選手としての道が閉ざされ、学生コーチとして仲間を支える立場に回ったものの、「やはり自分はプレイヤーでありたい」という想いは日に日に強まっていきます。自らが前線に立ち、勝負の場で全力を尽くすことこそが、自分の本質だと強く気付いたのです。

世界を目指せる舞台を探す中で挑戦したボクシングや、さまざまな経験を経て出会ったのが役者という道でした。きっかけは木村拓哉さん主演のドラマ。役を通して人の心を動かし、人生を豊かにできる芝居の力に衝撃を受けました。さらに、アルバイト先で偶然出会った映画監督との縁が、「今やらなければ後悔する」という強い決意を後押しします。

親の大反対を受けながらも演技学校に通うため、信用金庫で働きながら資金を貯める日々が始まりました。この社会人経験は、今の自分にとって大きな武器になっています。入学後は基礎を磨き続けましたが、途中で進級試験に落ち、基礎からやり直す試練にも直面します。それでも「どうせやるならとことんやる」という信念で乗り越え、この経験は自分を一回りも二回りも大きく成長させてくれました。

 今も胸にあるのは「人に勇気を与えるプレイヤーでありたい」という原点。かつてスポーツ選手が国を代表して戦う姿に心を動かされたように、自分もスクリーンや舞台を通し誰かの背中を押す存在になりたい。その想いこそが、国内外で挑戦を続ける原動力であり、これからも自分を突き動かす力であり続けます。

ご自身の性格を教えてください。

私の特徴は「真っすぐさ」と「計画性」です。幼い頃から野球一筋で過ごし、才能ある仲間に囲まれた環境は、「量でカバーする努力」の大切さを教えてくれました。稽古場には開始の一時間前に到着し、最善の準備を整えることを欠かしません。目標に向けた行動は常に計画的で、最短距離で成果を出す方法を考えます。そして、やると決めたことは最後までやり抜きます。一方で、高校時代にストイックさが行き過ぎて結果が出なかった経験から、遊び心や人との交流も大切にするようになりました。イップスも経験し、その過程で柔軟さの重要性を学びました。価値観の中心には「プレイヤーであること」があります。戦う姿で人の背中を押したいという想いを胸に、尊敬するのは大谷翔平選手や井上尚弥選手のように、世界で戦い日本に誇りを届ける存在です。誠実な姿勢と行動力を糧に、これからも挑戦を続けていきます。

真っすぐさと計画性で切り拓く未来

役者として最も大切にしていることを教えてください。

役者として最も大切にしているのは、全力で準備を整え、役に真摯に向き合うことです。台本の確認や発声練習、動きの確認を重ね、最高の状態で本番を迎えます。役作りでは、自分の経験や感情を掘り下げ、役の背景や行動を深く理解することを重視しています。芝居を通して観る人の心を動かし、前向きな気持ちや希望を多くの人に届けたいという強い想いを常に持ち続けています。チームの一員としての責任感を忘れず、最後までやり抜くことが私の信条です。

役者の魅力を教えてください。

役者という仕事の最大の魅力は、自分が生きるはずのない人生を何度でも経験できることです。台本を通して出会う人物は、プロ野球選手や社長、特殊部隊員や歴史上の人物など多種多様です。それぞれの役を演じるには、背景や価値観、生き方を深く理解し、自分の中に落とし込む必要があります。その過程で視野や感情の幅が広がり、新たな発見や学びが生まれ、心を豊かにします。

役を生きる中で、自分が成長していく実感があります。厳しい訓練や新しい技術の習得は大変ですが、それを乗り越えたとき、自分の限界が少しずつ押し広がるのを感じます。役者の仕事は決して楽ではありません。必要な身体作りや表現力の研鑽、精神的な集中力の維持など、日々の積み重ねが欠かせません。

それでも続けられるのは、芝居を通して観客の心を動かし、勇気や希望を届けられる瞬間があるからです。さらに、作品は一人では作れません。監督や共演者、スタッフとの信頼関係の中で生まれる化学反応は現場の醍醐味のひとつです。互いに刺激し合い、時にぶつかり合いながらも、より良い作品を作り上げるために力を尽くします。その過程で得られる一体感や達成感は、他の仕事ではなかなか味わえないものだと感じます。

役者の仕事は、私にとって挑戦そのものです。毎回新たな役に出会い、その人物の人生を全力で生きることは、自分の可能性を広げ続けることでもあります。これからも、さまざまな役と向き合い、異なる人生を生きることで自分を磨き、観る人の心に何かを届けられる役者でありたいと思います。

今後の展望を教えてください。

今後の大きな目標は、日本を代表する俳優として海外で活躍することです。最終的にはハリウッド作品に出演し、アカデミー賞を目指します。そのためには、まず日本で確かな実績を積み、多くの人に知られる存在になることが欠かせません。国内で評価を得たうえで海外に挑戦し、日本の観客にも活躍を共有し、勇気や誇りを届けたいと信じています。

近い将来の計画として、カナダへの渡航を検討しています。現地での演技経験や語学力の向上を通じ、表現力や感性を広げたいと考えています。異文化や制作現場での経験は、大きな財産になるはずです。日本人俳優の知名度がまだ十分でない海外市場に挑み、その壁を越えて新たな道を切り拓きたいと思います。

役者は、一つの役を通して何度も人生を生きられる仕事です。その魅力を発揮し、日本と世界をつなぐ存在として挑戦を続けます。

最後にメッセージをお願いします。

私がこれまでの人生で学んだのは、挑戦をやめない限り可能性は広がり続けるということです。野球から役者へと大きく道を変えた経験は、迷いや不安を抱えながらも一歩を踏み出す勇気の大切さを教えてくれました。努力や準備は必ず自分の力となり、いつか望む舞台へとつながります。日本を代表する俳優として世界に挑み、人々の心を動かせる存在であり続けたいと思います。


インタビュー後記

内田さんのお話を伺っていると、「プレイヤーであり続けたい」という想いが、一貫して心の奥に根付いていることを強く感じます。野球、ボクシング、そして役者という道。それぞれの舞台で全力を尽くしてきたからこそ、その言葉には揺るぎない重みがあります。怪我による挫折や新しい挑戦にも臆することなく、それらを成長の糧としてきた姿は、まさに挑戦者そのものです。芝居を通して人の心を動かしたいという真摯な想いは、役者としての技術や経験を超え、人間としての魅力を一層引き立てています。国内外での活躍を見据える眼差しは力強く、これからも多くの人に勇気を与え続けることでしょう。内田さんの今後の挑戦を、心から楽しみにしています。

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