
1983年、川崎区生まれ。川崎区在住。大学在学中に化粧品会社でメイクアップアーティストとして仕事を始め、以降18種類の仕事を経験する。現在は、県内と都内を中心に販売するキッチンカー事業を行う。趣味は麻雀。
18度目の正直

この仕事を始められたきっかけを教えてください。
正直、大学を卒業するころには、まだやりたいことが見つかりませんでした。就職氷河期と呼ばれる時代で、選択肢も今よりはかなり少なかったと思います。とはいえ、化粧品屋をやっていた実家で、大学時代からアルバイトはしていました。大学卒業後は、営業、スロット屋、葬儀屋と職を転々としていましたね。葬儀屋で働いたとき、「こんなに人の死を見るのは嫌だ!」と思い、その逆の幸せなタイミングに居合わせようと考えました。そこで働き始めたのが、結婚披露宴会場のサービスマン。人の幸せを心から喜べるこの仕事は、非常に楽しく、3年間で会場責任者になりました。しかし、休みが少ない中、気持ちを込めて働き過ぎたことで倒れてしまうことに。体調管理が難しい職場環境だと考え、転職することに。その後も仕事を変える中で、転機になったのがある職場での部署異動。営業として入社したものの、総務へ異動。その後、経理から法務、労務まで関わることになりました。会社の全体像が捉えられるようになり、改善点などに気づくものの、社内に訴えても変化の起こらない日々を過ごすうちに、「人に使われるのは面白くない」と考えるように。そんなときに、嫁さんから「キッチンカーって仕事があるよ」と教えてもらいました。結婚披露宴会場のサービスマンのように、目の前のお客さまに尽くし、純粋に幸せを願えるうえ、個人事業主として自分の考え一つで始められる仕事と想い、起業を決意。勤めていた会社を退職し、まずは配送業を始めて周辺地域の様子を探り、2023年夏にキッチンカーをオープンしました。大学生時代から数えて18個目の仕事でついに天職を見つけましたね。

仕事の特徴はどのような点にありますか?
東京都内と神奈川県内のオープンスペースなどで、キッチンカーをやっています。最初はなかなか売れなかったですね。それでもメニューや、盛り付け方、提供方法などを変えることで改善を重ね、オープンして3ヶ月後には安定して収益をあげられるようになりました。現在のメニューは「ローストビーフ」と「タコライス」と「ドライカレー」の掛け合わせによる2色定食。食べ合わせ抜群の自信作です。実は、キッチンカーだけでなく、テイクアウトできる店舗が藤崎小学校の目の前にあります。4月にドアなどの外装を変えて、リニューアルオープンする予定なので、是非来てください。
もっと川崎を盛り上げたい

どんなお客さまが多いですか?
キッチンカーのお客さまは、周辺のビルで働くビジネスパーソンが多く、店舗の方は、近隣に住む地元の人が多いです。独立・起業を考えたときに「やるなら地元で!」と強く考えていたので、地元に人にたくさん来てもらいたいですね。川崎区で生まれているので、地元への思い入れは人一倍あります。もっと地元を盛り上げたいと考えているので、ここから色々と仕掛けていきますよ。

仕事をするうえで心掛けていることを教えてください。
「地元、川崎のために」という想いは強いですね。その想いを持ってサービスを提供し、いずれは地元でレストランを出したいと考えています。そこで、レストランウエディングができたら最高ですね。キッチンカーは前日に仕込みが必要なので、正直完全に休みを取ることがなかなかできません。それでも自分で仕事にあてる時間をコントロールできるので心身ともに健康です。そのうえ、お客さまに喜んでもらったり、「美味しかった」と言ってもらえるのが本当に嬉しいですね。これまでの人生は、就職活動の連続でしたが、ついに天職を掴みました。ここから川崎を盛り上げていきますよ。
インタビュー後記
スティーブ・ジョブズは「将来のことを考えて、点(知識や経験など)と点をつなげることはできない。点と点は、振り返ったときに後からつながるものだ。」と語った。その点が18個もある遠藤さん。それはいずれつながることで、線を越えて網となり、川崎を優しく包み込んでいく。
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