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一粒万倍(いちりゅうまんばい)とは、

一粒の籾が万倍にも実る稲穂になる

という意味。

何事を始めるにも良い日ともされ、

仕事始め、開店、出店、お金を出すことに

吉であるとされる。

一粒のヒントやアイデアが

あなたの運を万倍にする。

ビジネス評論家石塚 毅の

ビジネス系開運コラム。

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この原稿を書いている時点では選挙前なので

開票結果は知るよしもありませんが、

石塚予想は

1自民は数を減らすがそんなに大敗しない

2野党は思ったよりも議席が伸びない

3圧勝する政党はない

 

さて結果はいかに?

 

 

1「失敗の本質  日本軍の組織論的研究」(ダイヤモンド社)1984年刊

 

この本、ご存知ですか?

いまから35年以上も前に出版されている本です。

私は高校生の時に、父親の本棚で見つけて

読んだのが初めて。以来、時折読み返してみますが

超のつくロングセラー本です。

これからの日本企業を考える上でこの本から

手がかりを探したくて今回読み返してみましたが、実に

多くのヒントを示している本です。

 

2この本のキモはここ

 

この本は、日本企業の組織文化を総括して、

こう結論づけています。

 

【長所】

①  下位の組織単位の自律的な環境適応が可能になる。

②  定型化されないあいまいな情報をうまく伝達・処理できる。

③  組織の末端の学習を活性化させ、現場における知識や経験の

蓄積を促進し、情報感度を高める。

④  集団あるいは組織の価値観によって、人々を内発的に動機づけ

て大きな心理的エネルギーを引き出すことができる。

 

【短所】

①明確な戦略概念に乏しい

②急激な構造的変化への適応がむずかしい

③大きなブレイク・スルーを生みだすことがむずかしい

 

さらに日本企業組織の短所について

①集団間の統合の負荷が大きい

②意思決定に長い時間を要する

③集団思考による異端の排除が起こる

 

すべてその通り!

いろんな会社の具体的な風景が目に浮かぶ!?

 

 

3この本を読み返してみて

 

ICT化、グローバル化、DXなどの急速なイノベーションなど

日本企業が得意とする「体験的学習」からでは予測のつかない

環境の構造的変化が起こりつつある今日、これまでの成長期に

うまく適応してきた戦略と組織の変革が大きく求められる。

しかし、異質性や異端の排除とむすびついた発想や行動の均質性

という日本企業の持つ特質が、逆機能化する可能性すらある。

 

この本が刊行された35年前、

日本はバブル期前で自信に満ちあふれ、

世界第2位の経済大国を自認していましたが、

既にいまの状況を予測していたとしか思えない本書の内容に

深いため息が何度も出てしまいます。

 

 

(了)



石塚 毅(いしづか たけし)

1970年生まれ。ビジネス評論家。担当実績7,000社、相談実績15,000人に

裏付けされた企業経営・ビジネスモデル・社風・人材の情報通で博覧強記。

話がおもしろい!と評判。

ご質問・ご相談などはこちらまで。

ishizuka@keiei-c.jp