山口新聞コラム『東流西流』9回目(6月27日掲載)(最終回)

「先人からのバトン」

 激動の時代を生き抜くためのヒントは、先人から受け継がれるバトン、すなわち伝統の中にあります。伝統とは古びた張りぼてではなく、その中に生きた知恵が潜んでいるのです。これは日本も、そして私が長年研究してきたアフリカの島国マダガスカルでも同じです。

 マダガスカルでは先人の知恵を、ことわざの形で伝承してきました。マダガスカル語のことわざに、「舟の上でのどが渇き、米倉の前でお腹が空く」というものがあります。これは、「平時に豊富にある物も、いざという時には使えない。だから、常日頃から非常事態の備えを怠ってはならない」という意味です。このことわざは、災害大国の日本にも通じる警鐘といえるでしょう。

 東日本大震災の後に神社本庁が行った調査によると、被災地にある歴史ある神社約100社のうち、津波の被害を受けたのは2社のみでした。神社は津波の届かない境界線に建てられており、災害時に安全な避難所として機能します。また、コミュニティ防災に関する研究報告によると、地域の人々が参加し、お互いに協力して神輿を担ぎ、地域内を巡行する神社のお祭りは、防災訓練の役割も果たしているといいます。

 地域の氏神様、伝統行事、言い伝えには、このように先人たちの知恵が隠されているのです。
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