まちの仕事人インタビュー
「好き」を貫く表現の居場所
劇団GAIA_crew 代表 加東 岳史 (かとう たけし) さん インタビュー

劇団ガイアクルー(GAIA_crew)の代表を務め、脚本・演出・俳優として活動している加東岳史さん。子役として演劇の世界に入り、テレビや舞台への出演を重ねてきた。専門学校でデザインを学び一度は演劇から距離を置いたものの、再び芝居への思いを強め、青年座で基礎から演技を学び直す。帝国劇場や中野サンプラザなど商業演劇の大舞台も経験しながら、現在は自らの劇団を拠点に、純度の高い表現を追求し続けている。

今の仕事を始めたきっかけを教えてください

演劇そのものは三歳から続けており、気がつけば四十五年以上この世界に身を置いています。幼い頃は自分の意思というより、親の勧めで劇団に通っていましたが、成長するにつれて舞台で物語を届ける面白さを自然と感じるようになりました。演劇から離れた時期もありましたが、その時間があったからこそ「やはり芝居がやりたい」という思いがはっきりしたのだと思います。改めて演技を一から学び直し、演じること、つくることの両方に深く向き合う現在の仕事につながっています。

劇団設立までの経緯を教えてください

ガイアクルーの始まりは、本当に小さな公演でした。八王子近郊で二十人ほどのお客さまに向けた舞台を行った際、「せっかく集まったメンバーで、都内でも芝居を続けたい」という話になったのがきっかけです。その際、脚本と演出を担う人間が必要になり、「では私がやりましょう」と引き受けたことが、代表としての第一歩です。mixiを通じて集まった仲間たちと、手探りで作品を重ねる中で、劇団としての形が自然と固まっていきました。

劇団の特徴を教えてください

ガイアクルーの特徴は、忖度の少ない、非常に純度の高い作品づくりができる点です。商業の現場では条件や意向が先に立つこともありますが、この劇団では「今、自分たちが本当にやりたい表現」を優先しています。規模を無理に大きくすることよりも、納得できる環境で、心から面白いと思えるものをつくることを大切にしています。劇団は、私自身や劇団員にとっての表現の場であり、次の仕事につながるプレゼンテーションの場でもあります。

好きな気持ちを持ち続けるからこそ、見える景色

お仕事で大切にしていることを教えてください

何よりも大切にしているのは、人との関係性です。演劇は一人では成立しません。どれだけ才能があっても、周囲とのコミュニケーションがなければ作品として完成しないと感じています。また、好きなものを好きだと言い続けることも意識しています。好きな気持ちを手放さずにいることで、人との縁が生まれ、結果として仕事にもつながってきました。人と人が関わるからこそ、表現は深まるのだと思っています。

この仕事のどんなところが好きですか?

一番の魅力は、誰かの人生に小さくても影響を与えられることです。舞台や物語を通して、観た方の気持ちが動き、前を向くきっかけになれば、それ以上の喜びはありません。稽古は決して楽ではありませんが、その先にある本番の空気や、客席から伝わってくる熱を感じる瞬間に、この仕事を続けてきて良かったと心から思います。好きだからこそ続けられ、続けてきたからこそ見える景色があります。

今後やりたいこと等、展望を教えてください

今後も劇団という場所を大切にしながら、演劇に限らず、ライブ演出や脚本など、さまざまな表現に関わっていきたいと考えています。動員数を追いかけるよりも、「ちゃんとやりたいものができる環境」を維持することが目標です。また、ガイアクルーが、表現者が自分の可能性を試せる場所であり続けられるよう、地道に活動を重ねていきたいと思っています。


成功哲学を教えてください

成功とは、好きなものを捨てずに生き続けることだと思っています。方向転換をすることがあっても、好きだったものを完全に手放さなければ、必ずどこかで人生とつながります。最終的に強いのは、「本当にこれが好きだ」と言える人です。好きな気持ちがあるから努力ができ、人を惹きつけ、結果として道が開けていくのだと感じています。

インタビュー後記

加東さんのお話を伺いながら強く感じたのは、「好きなものを手放さない強さ」でした。三歳から演劇の世界に入り、迷いや遠回りを経ながらも、常に表現と人に向き合い続けてきた姿勢が、言葉の端々から伝わってきます。劇団は単なる活動の場ではなく、自分自身と仲間の可能性を信じ続けるための場所。加東さんがつくり続ける“表現の居場所”は、これからも多くの人の心を動かしていくのだと感じました。

お問い合わせ

劇団ガイアクルー(GAIA_crew)

公式サイト:https://gaiacrew.com/

メール:gaiacrewinfo@gmail.com

X(旧Twitter):@kaxtupe

Instagram:@kaxtupe

*お問い合わせの際、『区民ニュース』の記事を読みました。とお伝え下さい。