最近、参議院選挙が近くなり、各政党が色々な形でメディアに進出しているので気になっているのですが、結局何をしてくれるの?というマニュフェストが分かりにくいのか、コンプライアンス的な問題なのかわかりませんが、政治家のインパクトが昔に比べると薄いのは致し方ないものなのでしょうか?

 

私が子どもの頃の政治家で強烈なインパクトだったのは田中角栄さんだったと思っております。以前、後輩に『田中角栄100の言葉~日本人に贈る人生と仕事の心得』という本を薦められて読んだことがあり、ある一文に目が留まりました。

 

その一文というのは「葬式には必ず行け!!祝い事には遅れてもいい。ただし葬式には真っ先に駆け付けろ。本当に人が悲しんでいるときに寄り添ってやることが大事だ。」でした。

どうしても、お葬式というキーワードに目が行ってしまいますよね。だけど、田中角栄さんが人たらしと呼ばれる所以であり、人を惹き付ける理由だと思うのです。

 

さらに、田中角栄さんのお人柄に興味をもち、ネットで検索してみたところ、田中角栄さんは秘書であった早坂茂三さんの父親が亡くなったときにこのように言ったのだそうです。

「いいか。世の中というのはね、何をもって二代目を一人前と見るかといえば、それは葬式だ。おやじの葬式をせがれがキチンと取り仕切れるか、それを見て、判断する」と言われたそうです。

 

この言葉も、今を生きる方々に知って欲しい言葉であり、感覚であると思います。時代と共に家族葬が一般化してきた現代には、ご親戚以外の方に親のお葬式の取り仕切りを見られることはないでしょうが、この感覚は勉強になると思うのです。

 

ちなみに、みなさんは『社葬』という言葉をご存知ですか??いわゆる、会社のトップ(それに相当する方)が亡くなった際に、会社が費用負担するお葬式のことです。最近では、『お別れの会』といった形で社葬をする企業も多くございます。

 

それよりも重要なのは、お亡くなりになった方が、企業に遺した業績や、『今後は故人の遺志を引き継いだ○○が』と新体制のご紹介と変わらぬお付き合いのお願いを故人のメッセージとして参列者にお伝えする役割もあるのです。田中角栄さんの細やかな心配り、ビジネスや人付き合いには大きなヒントになりそうですね。

 

そんな田名角栄さんの気配りのお話しをしていた時にふと思い出したお葬式があります。それは、自民党から民主党に政権が交代して間もないころ、ある議員がお通夜に参列された時のことです。その議員とご家族の家が近いので参列に来たのではないかと推測されていましたが、ご家族はその議員とは面識がなかったと言うことでした。

 

その議員の秘書のような方が、私の背後に立ち『先生のお席はどちらですか?』と聞いてきました。

 

私は『ご親戚の方でいらっしゃいますか?』と尋ねると

 

『いえ、親戚ではないですが・・・』とお答えになりました。

 

私は『一般の方は、こちらにお掛けになってお待ちください』と伝えたところ、

 

秘書の方は『衆議院議員なんですが・・・』と一般の席にご案内したことに納得がいかないご様子でした。

 

一般的なご家庭のお葬式の場合、ご遺族とご親族の席を設け、後方に会社関係や友人やご近所の一般のお席をご用意いたします。先ほどお伝えした『社葬』等では『来賓席』を設けることもございますが、遺族と親族の席か一般の席しかないのが一般的なお葬式のお席となります。

 

その時、秘書は次のように主張してきました。

『それでは、先生はお忙しいので、先にご焼香させてください。』

 

状況としまして、お通夜は開式し、お坊さんのお経が始まったばかりで、まだ、だれもご焼香をしていない状況でした。私は、『まだ、喪主様のご焼香が済んでおりませんので、順番にご案内いたしますので少々おまちください』とお伝えしたところ、ムスッとした顔でお席に座られました。同じ議員でもこうも違うのかを思ったのでした。角栄さんと比べては角栄さんに申し訳ないのですがね。

 

だからこそ、多くの方々に知って欲しいのは、お葬式というのはそのような効果があるという事なのです。しっかりと親をお見送りするということは、ビジネスにおいても、人付き合いにおいても相手からの見られ方が大きく変わってくると思うのです。良い見られ方をする為にも、葬儀屋さん選びは本当に重要になるという事を理解して欲しいのです。

 

こちらのブログをご覧のお葬式のご相談をご希望されている方は、メールにてお葬式の事前相談を実施しております。あなたがもしもの時に慌てない為にも是非ご活用ください。d.kobayashi.sousaidr1@gmail.com (1級葬祭ディレクター  小林大悟  相談メール)

 

 


著:一級葬祭ディレクター 小林大悟