まちの仕事人インタビュー
豊島区での楽しい生活を支える
株式会社まんぞく介護 代表取締役 としま福祉事業協同組合 理事長 西谷 剛 (にしや ごう) さん インタビュー

1978年東京都生まれ。親の仕事の事情により小学5年生まで青森県で育ち、その後東京都に戻る。福祉関係の専門学校を卒業後、板橋区内の病院に就職し、訪問介護事業に従事。3年間勤務の後、『株式会社まんぞく介護』を起業。2014年に代表取締役に就任。2020年『としま福祉事業協同組合』理事長に就任現在に至る。

人と向き合い、感謝される仕事

この仕事を始められたきっかけを教えてください。

高校時代、遊び惚けている私の姿を見た親が、「このままではマズイ」と思ったのか、福祉介護に関わる仕事に就くことを薦めてくれました。ちょうど進路を決めるタイミングで、介護保険制度がスタートしたこともあり、これから活況となる領域で、人の役に立つなら行ってみようと感じ、この世界に飛び込みました。福祉関係の専門学校を卒業後は病院に就職し、訪問介護事業に従事。現場で高齢者の方に感謝の言葉をかけられ、「こんな俺に感謝してくれるなんて!」と感動したことは今でも忘れられません。福祉介護事業は、大変な側面もありますが、常に人と向き合い、ダイレクトに感謝されるため、非常にやりがいを感じやすいことが特徴です。実際に、将来を悲観したり、夢や目標がなく、少し沈んだ気持ちをもってこの仕事に就く人もいますが、お客さまと関わる中でやりがいを見つけ、生き生きと仕事をするようになった人は少なくありません。そんな人をもっと増やしたいという想いと、自分の力を試したいという考えから、『株式会社まんぞく介護』を立ち上げました。


仕事の特徴はどのような点にありますか?

もちろん、少しでも良いサービスを提供したいと考えていますが、そもそも福祉介護事業は、法的な制約も多く、なかなか差別化を図りにくい業態です。周りと違うところと言えば、今年で20年目となり、業歴が長くノウハウや人脈が豊富にあることと、行政である豊島区とのつながりが深いことでしょうか。元々新しいもの好きな性格のため、豊島区の取り組みには積極的に参画するようにしています。“選択的介護”がスタートした時にも、真っ先に話を聞きに行き、行政と足並みをそろえて動き出すことができました。こうした姿勢を見せていたことで、現在では高齢者関係の取り組みが始まる際には、声をかけてもらえる関係性を築けています。また、2011年より主催していた、『豊福会』と言う福祉事業を行う経営者の会が、東京都の支援を受けて『としま福祉事業協同組合』と形を変え、私が理事長を務めているなど、地元豊島区に密着して事業を行っていることが、弊社の特徴です。


必要になってからでは遅い

どんなお客さまからのご相談が多いですか?

福祉介護事業では、『訪問介護』、『短時間の通所介護』、『長時間の通所介護』の3つの柱を持っており、特に『訪問介護』では、認知症など自宅での介護に困った人から、多くのご相談をいただいています。在宅での介護については、周りの家族が必要性を感じていても、介護される方のプライドや、人に迷惑をかけないように自分で頑張りたいという姿勢が見えることから、ご相談のタイミングが遅くなりがちです。頑張ってしまう人の中には、一人で買い物に行き、途中で転んで骨折してしまったり、もの忘れを気にするあまり、逆にストレスがかかり認知症が進んでしまったケースもあります。現場を見ていて、必要になってから動いたのでは、本当に遅いと痛感しています。症状が重度になる前に、予防介護として、週1回、1日20分でも良いので訪問介護のサービスを使うことで、ヘルパーが小さな変化に気付くことができます。症状が悪化する前に手を打てるため、結果的に重度の状態で過ごす期間を短くできると考えています。とにかく、1人にすることはおススメしません。少しでも気になることがあれば、お気軽にご相談ください。


仕事をするうえで心がけていることはありますか?

数年先に向けた大きな目標などは特に立てていませんが、人がいないと始まらない事業なので、常に「スタッフとお客さまが困らないようにする」ことを心がけ、すべての判断を下しています。現在、所属しているヘルパーは7割が女性。平均年齢は50代、最高齢は80代と、幅広い世代の方が活躍しており、訪問介護では1日あたり5~7件、それぞれの場所で20分~1時間程度お客さまをサポートしています。繰り返しになりますが、ヘルパーは、お客さまからダイレクトに感謝の気持ちを伝えてもらえるため、やりがいを感じ続けられる仕事です。普通の仕事であれば定年を迎える歳であっても、福祉介護の仕事には活躍の場があります。若いヘルパーよりも、高齢のヘルパーの方が、人気が出やすい傾向もありますので、ご興味のある方は是非ご連絡ください。これからも豊島区に必要なサービスを提供し続けていきます。



インタビュー後記

今後ますます高齢者の割合が増え、社会的課題になることが予想される介護。相談する先の決め手も、タイミングもよく分からないという人が多い中、「少しでも気になったら連絡してきて欲しい」と間口を広げている西谷さんの事業は、本当にありがたい。行政と足並みをそろえた活動により、公的制度を十分に理解して使いこなしているところもポイントだ。必要になってからでは遅い。予防介護の観点を持ち、気になったらすぐに相談することをおススメする。

お問い合わせ

名称:株式会社まんぞく介護

住所:東京都豊島区池袋本町1‐46‐5‐2F

連絡先:03-5954-9878

HP:http://manzokukaigo.com

採用ムービー

https://youtu.be/7FSHpw9FCDU


としま福祉事業協同組合

http://toyofukukai.com/


*ご相談の際は、『区民ニュース』の記事を読みました。とお伝えください。