
株式会社家や不動産代表取締役の會田雄一さんは、不動産業界で30年以上のキャリアを誇るベテラン。東京都台東区東上野にある上野本店を拠点に、住まい探しからリフォーム、住宅ローンの相談まで幅広く対応しています。単なる不動産売買にとどまらず、「お客様の生活そのものを支えるサービス業」という信念のもと、お家にまつわる様々な困りごとを解決する“地域の相談窓口”としても活動。特に、住宅弱者とされるシングルマザーや低所得層への支援に力を入れ、安心して暮らせる住まいを届けることに情熱を注いでいます。業界の慣習に流されない真摯な姿勢と、温かいおもてなしの心で、多くのお客様から厚い信頼を集めています。
今の仕事を始めたきっかけを教えてください。
正直に申し上げますと、もともとこの業界に強い憧れがあったわけではなく、「生きていくための現実的な選択肢」として不動産の仕事にたどり着いたというのが率直なところです。社会人としてのスタートは高卒での工場勤務でした。その後、ルートセールス会社に約10年弱勤め、営業の基礎を学びました。そこからいくつかの不動産会社でサラリーマンとして働き始めました。最初は生活のためという意識が強かったのですが、不動産という仕事が持つ社会的責任の重さや、お客様の人生に関わる場面に立ち会えることの意味を知り、次第に深い魅力を感じるようになりました。感謝の言葉を直接いただけるこの仕事に、やりがいと誇りを持つようになりました。
会社設立までの経緯を教えてください。
独立は、実は最初から考えていたわけではありませんでした。ある日、後輩から「独立したいので力を貸してほしい」と相談されたことが、すべての始まりでした。一緒にやろうということで話が進んでいったのですが、その後輩が途中で離脱してしまい、最終的には私が中心となって会社を立ち上げることになったんです。2013年、本郷三丁目の地にて独立開業。独立の背景には、「もっと自分の考えで、お客様のために本当に必要なことを提案したい」という強い思いがありました。特に、大手不動産会社で経験した「数字や利益を優先した営業」に疑問を抱いていたことが大きく影響しています。結果的には、この偶然が自分の背中を押してくれました。
「契約して終わり」ではなく、「契約してからが始まり」だと思っています。
会社の特徴を教えてください。
「お客様の人生に寄り添うサービス業でありたい」という理念のもと、株式会社家や不動産では、単なる物件紹介にとどまらず、購入後の暮らしを見据えた提案を行っています。特に力を入れているのが、シングルマザーや低所得層への住宅取得支援。アルバイトやフリーランスでも住宅ローンが組める制度を活用し、頭金ゼロでの住まい購入を実現。月々の返済額を家賃より抑えつつ、リフォーム込みで快適な住環境を提供しています。
そして、會田さんを象徴するのが“毎日炊飯社長”という一面です。これは、会社でご飯を炊き、スタッフやお客様と一緒に食卓を囲む習慣から生まれた呼び名。きっかけは、サラリーマン時代に訪れた工事現場の食堂で出会った、心温まるカレーライスでした。見知らぬ自分を快く迎え入れ、同じテーブルで食事を分け合ってくれた優しさに感動し、「自分の会社でも同じような場をつくりたい」と決意。以来、食を通じて人と人がつながる時間を大切にし、そこから生まれる信頼関係が仕事にも活きています。こうした日常のひとコマも、家や不動産の大きな魅力のひとつです。
お仕事で大切にしていることを教えてください。
何より大切にしているのは「正直であること」、そして「お客様の信用・信頼・安全」を最優先する姿勢です。不利になるかもしれないことでも、言いづらいことでも、包み隠さずお伝えします。それが結果として、お客様との揺るぎない信頼関係につながると確信しています。私は、「靴下まで履かせてあげたい」という気持ちで仕事をしています。つまり、お客様が安心して生活できるように、住まい探しの一歩先、二歩先までを見据えてサポートする。自分の知識や経験を総動員して、先回りした提案やリスク回避のアドバイスを行う。まるで登山のシェルパのように、お客様の荷物を背負って一緒に山を登るような感覚です。「契約して終わり」ではなく、「契約してからが始まり」だと思っています。
この仕事のどんなところが好きですか?
やはり一番は、お客様から「頼んでよかった」と感謝の言葉をいただけたときです。なかには10年以上経っても連絡をくださる方がいて、次の相談やご紹介につながることもあります。そういった信頼の連鎖が、この仕事のやりがいです。また、不動産の仕事には同じケースが一つとしてなく、毎回異なる状況と向き合う必要があります。お客様の家族構成や経済的背景、ライフプランなどを深く理解したうえで、最適な提案を行う。その過程で、自分自身も常に新しい視点を学び続けることができる。成長の連続であり、だからこそこの仕事は奥深くて面白いと感じています。
今後やりたいこと等、展望を教えてください。
今後は、より多くの方に「安心して相談できる場」を提供していきたいと考えています。その一環として、4年前から「6つの無料相談窓口」を設置しています。この窓口では、シングルマザーの住宅購入、高齢者の住まいの確保、LGBTQ+の方々の住環境、離婚後の自己破産回避支援など、いわゆる“住宅弱者”と呼ばれる方々の悩みに幅広く対応しています。「利用しないのは全然いい。でも、知らないのは切ない」──そういう思いで、この相談窓口の存在をもっと広く知っていただきたいと思っています。また、「売上や規模を追う」のではなく、「お客様に寄り添える人材を増やす」ことを大切にしています。この活動は、SDGsの目標11「住み続けられるまちづくりを」にも通じるものと捉えており、社会貢献とビジネスの両立を目指す“両輪”のモデルとして、今後も発展させていきたいと考えています。
インタビュー後記
「靴下まで履かせてあげたい」という言葉に、會田さんの仕事観が凝縮されているように思います。単なる物件紹介や契約だけで終わらない、一人ひとりの人生に寄り添う伴走者としての覚悟。そんな會田さんの姿勢に触れると、「不動産屋は信用できない」という固定観念が心地よく裏切られます。お客様の利益を何よりも優先し、正直さと誠実さを貫くそのスタイルは、地域に暮らす人々にとってかけがえのない存在となるに違いありません。
お問い合わせ
株式会社家や不動産 上野本店
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営業時間:月〜土 09:30~18:30
定休日:第二・第四土曜日、日曜・祝日、GW・夏季・年末年始
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