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祖父の代から借地(50坪)に仕事場兼住居を建てて住んでいます。
(2年前の記事です) 掲載日:2022/10/10
今現在、父82歳、私(50歳、男)が家の半分で暮らしていてあと半分を姉夫婦がリフォームして2世帯にして住んでいます。(平成14年にリフォーム)名義は父名義です。家は建築基準法の道路に接地していません。
地主は祖父のときから3代かわって、お孫さんが引き継いでいます。現在ドイツで生活している女性で、弁護士経由で地代を払っています。
昭和22年頃から借りていて、当初は地主不在で管理人という人と契約していたようなのですが、昭和37年に地主が現れて、そこから地代を払っているようです。昭和48年に建て替えをしたとき祖父から父に借地人の名義変更をしたようで契約金100万円を支払ったようです。正式な契約書のようなものはないみたいです。
当時の地代は¥11000-で、平成10年ごろに地代値上げしたいとの連絡があり、それを父は承諾して現在、地代は¥37800-です。地主側から、借地権の更新の話は、いままで、でていないみたいです。
今回、父と私が暮らしている部分をリフォームして庭部分に仕事部屋を拡張したいと思っているのですが、なにか問題点があるかどうかを相談したいです。(増築部分は、もともと屋根が付いていた作業場と庭がいっしょになっていたようなところを平成14年に屋根部分を取り壊して庭にしていた部分です。)
姉夫婦が住んでいる部分を平成14年にリフォームしたときなど特に地主側に承諾を得ないで行いました。今回、リフォーム、増築するにあたり、地主に承諾を得たほうがいいかどうか承諾を得る場合、どのようなことに注意したらいいか承諾を得ないで行った場合、どのような問題があるかまたリフォーム後に、契約の更新、地代の値上げなど、地主側が言ってきた場合どのように対処したらいいかまた、非常に立地条件が悪い場所なので、引っ越してしまうことも考えています。
その場合、地主側と、どのような交渉を行ったらいいかなどと、いったことです。よろしくお願いいたします。
※ 相談者のプライバシーに配慮し、実際の質問内容を一部改変して掲載している場合がございます。ご容赦ください。

土地の賃貸借契約を結んでいる場合の借地上の建物の取扱に関しては,法律による規定も勿論あるのですが,実際には契約書で細かく定められていることが多いので,まずは契約書を確認することが大切になってきます。
ご相談の案件では,昭和48年に名義変更をされ契約書はなかったようだとのことですが,もともとどのような契約になっていて,どの部分を変更したのかしないのかが問題になってきます。
よくある契約書はでは「無断増改築禁止」との条項がいれられていますので,地主の承諾が必要になります。交渉で承諾してもらう場合,多くは承諾料の問題になってきます。その他土地の利用方法に関して,どの程度地主が気にするかによっても諸条件はかわってきます。地主が正当な理由なく承諾をしてくれないような場合には,承諾に代わる許可を裁判所に求めることもできます。この場合は,承諾料の金額も裁判所が決めることになります。
もし必要な承諾を得ずに増改築をしてしまった場合,契約期間満了時の更新を拒絶する理由になったり,場合によっては借地契約自体を解除され建物を取り壊して土地を返還しなければいけなくなるかもしれません。契約内容については,いつでも相互に交渉を申し入れることは可能ですが,とりわけ地代については物価の変動や周辺の地価の変動といった事情変更を理由に増減を請求する権利が双方に認められています。
最終的には裁判所が適正な金額かどうかを決めるのですが,地主側の主張が相場どおりなのかどうかについては,無駄な争いを避けるためにも地元の不動産業者さんにアドバイスをもらうのがよいと思います。引越しをお考えであれば,借地契約からどのように開放されるか,建物をどうするかが問題となります。契約終了でよければ,自費で建物を取り壊して更地にして返すのが原則となります。建物によっては地主に買い取ってもらうこともできますし,借地権の買取交渉をすることも可能です。交渉の流れいかんでは,建物取り壊し費用を負担しないでただ引越すということも可能になるかもしれません。地主の承諾を得れば,第三者に建物と借地権を売ることもできます。地主の意向次第では,土地と建物を共同で第三者に売ることができるケースもあります。
以上は一般論ですが,現実的にどのようなオプションをとりうるかは個別のケースによってかわってきますので,一度弁護士に詳しく相談されることをお勧めします。