介護の仕事が

自分の価値観を

広げてくれた

PROFILE

やまぐち みちこ:40歳/宮前区の軽費老人ホームに勤務。介護職員。

福祉の短大卒業と同時に「介護福祉士」取得。20年の福祉職員のキャリアの中で、旅、結婚、出産、子育てを経験。現在、3人の子どもを育てながら、介護職との両立を模索中。


INTERVIEW


山口さんは子育てをしながら、現役でお仕事もされていますね。

山口:現在、7歳、4歳、0歳の3人の子どもがいます。介護の現場で働き始めてからは、ちょうど20年になりますね。福祉の短大を卒業して地元の佐賀から介護士のキャリアをスタートさせ、その後川崎に移り、結婚・出産を経験しました。家事や子育てをしながらの仕事は、思い通りにいかないことも多く大変です。でも、日々利用者さんと接するのが本当に楽しくて、仕事は気分転換や趣味の場所という解放された感覚でできています。

子どもたちには、自分が働いている姿を見ていて欲しいです。仕事を通して、「子どもたちがいるから自分は頑張れていること」を伝えられたらいいなと思います。子どもの成長段階に合わせながら仕事の幅を広げ充実させていくのが、今後10年の目標です。


福祉職への関心はいつ生まれたのでしょうか?

小学校6年生の時に交換学習で養護学校に行ったのが福祉の世界との出会いでした。その時の体験が忘れられずに福祉の短大へ進学。特別養護老人ホームの実習で利用者さんと接したときに、「福祉の仕事しかない!」とビビッときたんです。高齢者の方にはなんだか怖いイメージがあったのですが、実際は本当に優しい方ばかりでとても心が癒されたこと。そして何よりも、介護の現場は人と人との助け合いでできていることを知り、この仕事に就くと決めました。



介護の仕事を長く続けられたのはどうしてでしょうか?

やはり「この仕事が好きだから」というのが一番にありますが、様々な経験をさせてもらう中で自分の価値観を広げていけたことが大きかったと思います。

実は働き始めて5年経った頃、「今の自分では介護の仕事は務まらない」と感じた時期がありました。利用者さんは自分よりずっと年配の方。実に様々な経験をされてきた方がたくさんいるんですよ。そのような方に対して、自分はいつも決まった言葉でしか接することができない。相談相手になるには、あまりにも自分の視野が狭すぎると感じたんです。

そんなとき、世界一周を経験した同僚やスウェーデンへ福祉の勉強をしに行く同僚に刺激を受け、私も一度世界へ出てみようと半年間仕事を休んで旅に出ました。この期間でぐっと価値観が広がりましたね。そして旅をしていると、やはり高齢者の方ばかりが目について、「またこの仕事に戻って来たい!」と思ったんです。

現在勤務している川崎の職場には、旅から戻って同じ法人内で働いていたときに立ち上げの話をいただいたのがきっかけで来ました。仕事を始めた当初は九州から出るのが怖かったのに、世界へ行き、今こうやって川崎で生活しているのは、介護の仕事を通してたくさんの刺激的な人との出会いがあったからかもしれません。

20年間ずっと同じ法人で働く中で、ケアハウス、訪問介護、デイサービスなどさまざまな業務を経験し、「こういう世界もあるんだ!」と常に価値観が広がってきた感覚です。



3人の子どもを育てながら介護の仕事をする山口さん。仕事が終わった後は、職場併設の託児所にお迎え。



社会福祉法人川崎市社会福祉協議会

川崎市福祉人材バンク

TEL:


044-739-8726


※好評連載中!介護冊子「介護のシゴト」から抜粋