
松原内科クリニック開業の経緯を教えてください
私は子どもの頃、体が弱く、病院にお世話になることが多くありました。病院というと「怖い場所」という印象を持つ方も多いかもしれませんが、私にとってはむしろ安心できる場所という思い出です。そんな経験がきっかけで、「医師になりたい」という想いはごく自然に芽生えており、物心ついた頃にはすでにその目標を口にしていたようです。
大学進学後は研修医として皮膚科志望ではありましたが、消化器内科を回った際に、リアルタイムで人命を救う現場に触れ、強く惹かれるようになりました。吐血や下血といった命に関わる症状に対し、内視鏡でその場で止血処置を行う。そんなダイナミックな医療に魅力を感じ、消化器内科の道を選びました。

開業を決められた理由をおしえてください
長く病院に勤務していましたが、出産を機に家庭との両立を模索するようになりました。夜間対応が難しくなったこともあり、病棟を持たず、内視鏡を中心とした勤務形態にシフトしました。
ただ、病院勤務では患者さんの全体像を把握しづらく、「自分が主治医で最後まで診たい」という想いが強くなっていきました。患者さんの細かな変化に気づき、寄り添える医療を提供したい。そのために、自分のクリニックを持つという選択に至りました。
私は世田谷生まれ・世田谷育ちです。自分自身のルーツでもある世田谷区で、地域の方々に寄り添いながら健康を支える医療を届けていきたいという思いから、2024年8月8日に松原内科クリニックを開業しました。
クリニックの特徴について教えてください
「地域の方が気軽に相談できるホームドクター」を意識しています。よくある風邪などの一般的な症状や血圧、コレステロール異常、糖尿病、肥満など生活習慣にかかわる疾患での些細なことでも相談してもらえるアットホームな環境づくりをしています。
特に女性にとってハードルが高いとされる大腸カメラなどの検査も、女性医師である私が担当することで、安心して受診していただけるよう努めています。
また、世田谷区の特定健診・長寿健診にも対応しています。胃カメラも自己負担1500円程度で受診できるなど、区の制度を活用した手厚い検診体制を整えています。健診通知が届いても受診に踏み切れない方には、まずは気軽に相談してほしいと思っています。

今後の展望についてお聞かせください
現在は一般内科、内視鏡を中心に診療を行っていますが、今後は自費診療にも充実を図り、患者さんのニーズに応じたサービスも広げていけたらと考えています。
そのためにも、医療事務などのスタッフ体制を強化し、地域に密着した「かかりつけ医」として、より頼られる存在を目指したいですね。
認知度を高め、もっと地域の方々の健康に貢献していきたいと考えています。
読者へのメッセージをお願いします
胃もたれ、腹痛や便通の異常など、日常生活の中で気になることがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。小さな変化にこそ、病気のサインが隠れていることもあります。
また、世田谷区の健診を受付けていますが、健診通知が届いてもよく分からず放置してしまう方が多いのが現状です。「これって行った方がいいのかな?」と思ったら、まずはお電話ください。
松原内科クリニックは、地域の皆さまの“とっかかり”として機能する場所でありたいと考えています。気軽に、そして安心して相談できる場として、これからも地域に根ざした医療を提供してまいります。
インタビュー後記
子どもの頃の体験を原点に、女性医師として地域に寄り添う医療を実現された松原先生。穏やかな語り口の中にも「一人ひとりとしっかり向き合いたい」という強い想いが感じられました。気軽に相談できるクリニックとして、これからも多くの方にとって安心の場所になると感じます。
お問い合わせ