渋沢栄一らが大阪の川崎東照宮から買い取り上野東照宮に移設した灯籠について、ご質問がありましたので少し詳しくお話しします。

明治維新の影響で廃絶した川崎東照宮(現在の大阪府大阪市)には多くの石灯籠がありました。
灯籠は寺社の装飾ですが、東照大権現へ奉納された古い灯籠は家康公に忠誠を誓う武士の魂でもありました。

廃絶により壊される恐れがあった灯籠のうち25基を上野東照宮の神職や渋沢栄一ら旧幕臣が買い取り東京まで運んで移設しました。

すでに上野東照宮の表参道にはたくさんの灯籠がありましたので、後から作られた、不忍池に向かう不忍参道(動物園通りに出る長い石段の先)の左右に並べられました。

その経緯を書いた石碑も建てられました。石碑の裏には渋沢栄一の名前も見られます。

神楽殿の向かいに灯籠の一覧表があります。
奉納者と奉納年が書いてありますが、奉納年が慶安四年でないものはほとんどがこの川崎東照宮から移設された灯籠です。
(藤堂高虎と佐久間大膳からの灯籠は慶安四年ではありませんが、これらは初めから上野東照宮へ奉納されたものです。)

川崎東照宮は日光に劣らない立派な建物だったと伝わります。毎年4月と9月の17日に「権現まつり」が催され、「浪花随一の紋日」と言われるほどの賑わいを見せたそうです。
川崎東照宮跡にはその後小学校が建てられました。今頃元気な子どもたちの声が響いていることでしょう。

御参拝の際には移設された灯籠や石碑もぜひご覧ください。
(危険なため裏側には立ち入らないでください)

※猛暑が続いておりますので御参拝の際は水分補給や日除の日傘、帽子などのご着用を強くお勧めいたします。

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233 いいね! ('24/07/10 16:37 時点)