重要文化財の透塀の修復をしております。控え柱と呼ばれる部分の漆が経年劣化をして、いつのまにか見えないところにひび割れができていました。
漆は耐水性がありますが、日光によりひび割れしやすく、割れ目から雨水が染み込みます。雨水が染み込むと木部は途端に傷みます。
もし傷みが酷くなると地震で柱が折れたり塀が倒れたりする危険があるので、急ぎ養生を行った上、(写真2枚目)文化財専門の職人さんに京都からいらして頂き、修復を始めました。
表面の漆を剥がすとやはり木部が傷んでおり、空洞ができていました。(写真3枚目)
傷んだ部分を丁寧に取り除き、新しい木材を組み込みました。(写真4枚目)
職人さんの道具の多さに驚きました。(写真1枚目)
道具をとても丁寧に扱っていらっしゃるのが印象的でした。
今後柱の取り付けと漆を塗って完成となります。

当宮の社殿や唐門、透塀は重要文化財に指定されています。
江戸時代初期の貴重な伝統文化建築を大切に後世に受け継ぐため、常に点検を行い、適宜保存修復を行っております。

文化財の修復はとても手間がかかる上、専門の職人さんしか手がけられない仕事のため、大きな金額がかかります。
当宮が修復を依頼することで職人さんの技術の向上やその生活を支えること、また次世代の職人さんへの教育にも繋がります。
文化財の修復はその場限りのものではなく、伝統文化を受け継ぐという意味で大変意義のあるものなのです。

皆様からの拝観料は全額、文化財の修復に充てられます。
文化財保護へのご理解とご協力に心より感謝申し上げます。

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